年々難易度が高まる各地のバス釣りポイント。しかし、フィールドを熟知した達人たちは新しい解決法を生み出し続け、釣り続ける。その秘訣を、ちょっぴりおすそわけしてもらいましょう。ハイランドレイクを得意とする萱間裕貴さんの発想には驚嘆の一言。高実績のギルルアー「ジョイントゾーイ」のアゴ部のアイに、なんとショアジギングの定番品・メジャークラフト社製メタルジグ「ジグパラ」をセット(!?)されている。その真意とは?
【Profile】
萱間裕貴(かやま・ゆうき)
富士五湖や芦ノ湖を得意とするアングラー。水面放置系の新潮流となったデッピー(DEPP TOKYO)の使い手であり、「ゆうきの河口湖 西湖 芦ノ湖 メインのバス釣りブログ」が人気を博している。
ワカサギレイクで一般的な表層パターン
萱間「僕の通っている河口湖や西湖、芦ノ湖はいろんなタイプのベイトフィッシュが生息していますが、最近は1年を通じてワカサギ絡みの釣りが中心です。たとえば夏の傾向としては、酸欠になったワカサギが水面付近でよく捕食されているので、それを狙ってデッピーやプル70F、ルペンローリンなどでアプローチするのが、基本的な表層のパターンです」
シルエットがワカサギに似たこれらのアイテムは春先から出番があるという。サマーシーズンは「完全に放置するよりアクションを入れたほうが反応させやすい気がします」とのこと。
デッピーの場合は着水後、2回ほどトゥイッチを入れてから30秒ほどステイさせ、反応がなければ回収。プル70Fやルペンローリンは連続的なピクピクで誘っていく。
ビッグスプーンにスレた魚を…
とはいえ、すべてのワカサギが弱って表層に浮くわけではない。季節や時期、天候によってワカサギの動きはもちろん変わってくるし、ミドル~ディープレンジにも大量の群れが存在し、それを捕食するバスもいる。
萱間「そういう中層の魚を狙うために昨年の河口湖で流行ったのがビッグスプーンでした。ただ、あまりにも多くのアングラーが投げたのでどんどん反応が鈍ってしまった。そこを他のルアーでどうにかできないか? と考え、辿り着いたのが“連鎖リグ”です」
ジョイントゾーイ×メタルジグの「食物連鎖」
クリアレイクで実績の高いジョイントゾーイのアゴに、メタルジグがぶら下がっている。ラインはゾーイ側のアイに結んでリーダーレスダウンショットのような状態で落とすと、ブリブリと泳ぎながら真下へ潜っていくのだ。
強いアクションでバスを引きつけるのはビッグスプーン同様だが、着底後に食わせる能力が高いのがポイント。
萱間「ボトムまで落としたら、ショートリフトを5回ほど入れます。メタルバイブを軽くシャクるような感じです。バイトが出るのはたいていこのときで、ルアーを押さえ込むような感じが伝わってくると思います」
メタルジグ(≒ワカサギ)をブルーギル(≒ジョイントゾーイ)が追い、さらにバスが襲いかかる。さながら“食物連鎖”を演出するリグ、というのが命名の理由だ。
萱間「ボトムまで落とす手返しを考えると、まずは水深6~7mがやりやすいと思います。河口湖ならハワイや大石、芦ノ湖なら湖尻やプリンス前など、浜っぽい地形が絡んでいるエリアの沖。ライブスコープがあると魚は見つけやすいですが、同船者にブラインドで釣り負けたこともあるので(笑)。どんどん投げて探っていくだけでもOKです。オカッパリでウエーディングして遠投するのもアリだと思いますよ」
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