さて、今回はおなじみ、ベイトロッドメーカーFishmanの切り込み隊長、ドクトルニシニシこと西村均さんに、ビッグベイトのテール曲がり修正法を伝授していただきましょう。ニッチだけど覚えておきたいそんなテクニックとなっております。西村さん。ではお願いします!
【Profile】
西村均(にしむら・ひとし)
ベイトロッド専門メーカー「Fishman」のテスターを務める。新潟県をホームに小渓流から海のルアー釣りまで幅広く楽しむマルチアングラー。人気サイトfimoでブログも執筆中。ドクトル・ニシニシの愛称で変な格好もするが、釣りのテクニックには定評あり。
ビッグベイトのエラストマーテールの曲がりを治したい!
秋と言えばサンマを食べたい、なのに今年はサンマが高い。仕方ないのでビッグベイトを咥えてみたら、エラストマーとドブ川の味がしました。
そんなドクトルニシニシ、そろそろビッグベイトの季節です!
秋も深まり、全国からの釣果にも、落ち鮎と言うキーワードがちらほらと。
よし、今年もビッグベイトの季節が来た! と、昨シーズンに仕舞ったルアーを取り出したら、ソフトテールが曲がっていた……そんな経験、ビッグベイターなら1度は経験するでしょう。
急ぎの釣行でなければ、ショップさんで純正テールはスペア購入出来るのですが、明日、いや今日釣りに行きたいのに……ってのが釣り人のサガ! 曲がった尻尾……。
そんなとき、瞬時にテールを真っすぐに伸ばす方法をご紹介します。
ボックスの中で変な収納になって、見事にテールがエビぞりになってしまった、ダウズスイマー220が今回のドクトルの餌じk…いやいやクランケです。
大き目のボックスに入れておくと斜めになって内壁にテールが当たって、よくこうなります。
小さめなボックスに無理やり入れてもこうなります。ぶっちゃけ、テールは外して収納、使うときに装着するのが良いのですが、現場でそれをやるのが面倒くさくて、結果こうなりがち(笑)。
で、これを自宅で簡単に直すのは、なんと『茹でる』です(笑)。
カルコンのフレームから潮噛みしたベアリングまで、なんでも茹でるあの鍋、再登場! 取り敢えず何でもかんでも茹でるのはニシニシのお約束(笑)。
エラストマーは熱を掛けると柔らかくなります。樹脂というのは、加熱すると可塑化と言って溶けるのですが、お湯の沸騰なら100℃きっかりまでしか上がりませんので、エラストマーを溶かすまでには至りません。ならドライヤーでも良いんじゃない? と思いますが、時間がかかるし、指で持っていると熱いのです(笑)。
鍋で煮れば、あとは箸やピンセットで摘まみあげれば良いのです。
おっとそうそう、鍋で茹でながら、平らな板みたいなものを用意しておきます。ニシニシ家ではそんなとき、ハンバーグ鉄板の木板を使います。
ここで注意!
鍋も木板も、奥様お母様にばれないようにこっそり作業しましょう(笑)。この撮影していたとき、ニシニシはこの木板でひっぱたかれました。
で、箸で摘まみあげて、なんとなく柔らかくなったなーと感じる程度に茹でます。
時間的に2~3分も掛からないと思います。
パッと板に載せちゃいます。そして別の板ですかさずサンドイッチ!
これで作業完了です! 速いでしょ? 一瞬であの見事なエビぞりが真っすぐになりました。あとは水で冷やしてルアー本体に装着すれば完了です。
実に美味しそうなダウスイになりました! これでまたアクションは綺麗なスラロームを描いてくれることでしょう。
ビッグベイトでドーン! あの気持ち良い釣りが堪能出来る秋、皆様もハイシーズンをお楽しみ下さいね。激流の中で水面を炸裂させるビッグベイトシーバス、最高の瞬間を皆様も!