幼魚の頃は群れを作って回遊し、身近な内湾部や河口域でもよく見かけるのがGT(ジャイアントトレバリー)と呼ばれるロウニンアジだ。しかし、成長すると温かい海域に南下して単独で行動するようになってくる。いわば彼らは孤高の超パワフルな戦士だ。単独で待ち受け、獲物がくれば果敢に攻撃し捕食する。
(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です)
水中写真で見るサカナの生態:ロウニンアジ
【Target Profile】
ロウニンアジ
南日本に生息。幼魚は河口域などに群れで集まる。成魚は沿岸部のサンゴ礁域などに住む。成魚になると大きな群れはつくらず、単独行動することが多い。ヒラアジの仲間で最も大きくなる種類で50kgを超える。
突然でっかいのがヌボ〜と現れてびっくりする
奄美諸島や沖縄諸島で岬の先端の潮筋などを水中散策していると、突然でっかいロウニンアジがヌボ〜と現れてびっくりすることもある。獲物を探してうろうろしているのだろうか。
実は私、素潜り漁を手伝った経験があり、35kgくらいのロウニンアジを突いたことがある。潮筋を泳いで獲物を探していたが、そのときも出会いは突然だった。目を凝らしてロウニンアジと認識してから即座に突いたが、あとは渾身の力で引っ張り合いになった。片手で岩をしっかり掴んで堪えていたが、何度もはがされそうになった。水の中で人間の力はこれほど弱いものかと思ったものだ。
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