冬にも効く! 新世代アラバマリグ『ブレードアラバマ』を徹底解剖!【大津清彰さんの間違いない最強ネタ】



ゼロから始めても爆釣体験間違いなし! バスの経験則をぶっ飛ばし、強烈に側線を刺激するルアーパワーを秘めたアプローチの数々……。フィールドで釣果を探求する大津清彰さんが、間違いない最強ネタを披露‼ 今回は、昨今ローカルのみならず、トーナメントやオカッパリでも影響力を強めている「アラバマリグの進化系」をご紹介します!

【Profile】

大津清彰(おおつ・きよあき)

ティムコ社員として、クリッタータックル・野良シリーズなどヒット作をリリース。フィールド業務も加速度的に増え、今や夢の職業に⁉ 胃の内容物調査を始めアカデミックなアプローチも欠かさない現場主義者だ。

既定路線から外れた「釣れるルアー」の可能性

バスにとって目新しいルアーは、警戒心どころか我を忘れさせ、ときにはエサより貪欲に食らいついてしまうもの。やがてその爆発力は陰りを見せるものの、一定の威力を持ち定番化したりジャンルを形成することもある。大津清彰さんの代表作のひとつ、野良ネズミはその好例と言っていい。5年前のリリース直後からその爆発的な釣果で話題を呼び、直近でもJBトップ50でスコアに貢献している。定番も充実しているティムコ製品のなかでも、野良シリーズは異色の存在。どういったアプローチで「釣れるルアー」は作られるのか?

大津「既存のタイプやジャンルのルアーは、基本作らないですね。例えば好きで釣れるルアーがあって、でもこういう構造だったらもっと扱いやすかったり、キャッチ率がアップするのにな…という感じ。野良ネズミも、元はフロッグなんです。フロッグは腹立たしいくらい乗らないじゃないですか(笑)。じゃあエラストマーで作ってみよう…というのが出発点。そこに首振り性能やスキッピングのしやすさなどを盛り込んで、あのカタチに到達したんです」

人の行く裏に道あり……バスの世界でもそうなのだ。そんな大津さんに、2022年もゼヒ試したいという旬のアプローチを披露してもらおう!

集魚装置に食わせのプラグ……アラバマ新世代!『ブレードアラバマ』

ステルスセブン(ジークラック)+ヘカート7(ティムコ)。

ブレードアラバマとは、四方八方に伸びたアームに、ワームリグなどを配さずブレードを設置。そして真ん中のアームにだけ、リグやプラグを装着したもの。複数尾がヒットしにくく、ファイト中の魚体へのダメージが従来に比べて少ないので、JBでも昨今使用可能となった。

大津「アラバマ系って、いわば集魚装置ですよね。実はスピナーベイトのブレードやバズのペラも、ヒメマストローリングで言うところの集魚板、ドジャーのようなもの。でもそういうド派手なものの後ろから、地味なエサっぽいものが付いてくると、フィッシュイーターはそれを食っちゃう。釣りとしては、中層のサカナにスイッチを入れやすい。だから沖のスクールがある夏のお盆過ぎから初秋まではパワーがあって、いったん落ち着いて、また冬に強くなる。場がスレやすくなるという話もありますが、全然そんなことはない。

11月の津久井湖なんてライブスコープを見ていると、コレだと5尾しか反応ない場所で、ステルスペッパーだと20尾とか襲いかかってくる。ハードルアーは全般的に爆発力があるので、どれもバスをスレさせる可能性はあります(笑)。ワームはそういうことが起こりにくいですが」

ベースはステルスセブン

大津「ステルスセブンはアラバマ系として大型の部類に入る。アメリカ製でも大型はあるが、ラインが絡みやすかったり。また、ブレード配置が絶妙で『群れ感』が素晴らしい」

直径20cm以上、自重17gの本体にブレードなどを配置している。

ブレード+ウェイト

大津「ブレードを装着するときに、ウエイトを追加しています。0.5〜0.8号の鉛玉にダブルクレンのアイをちょっと潰して通してます。ブレードは本体に近いものをチョイス。水深2〜3mをバーッと引くのに、これくらいのウエイト設定がちょうどいいですね。極端なスローはバスがしらけるので、できるだけ速巻きしたい」

さらに速く、深く引きたいときは、傘の結合部分にスナップを逆付けし、ナス型オモリを装着している。

大本命!『ヘカート7(ティムコ)』

大津「スリークマイキーも使ってましたが、最近はリップなしがいいと思ってへカート7に。硬いワイヤーと水流のせいで、リップがあると動きがフリーズすることがある。だからボディがまっすぐで、リップに頼らず動くプラグがいい。今江克隆さんはアイローラーを使ってましたね」

シリコンチューブで制御

大津「本来、ワームを付けることを想定しているので3本バリのプラグを付けるとワイヤーに絡むんです。絡むと釣りにならない! なので連結部にシリコンチューブを付けて固定させています。結構コレやってる人多いですよ」

細軸フックに換装

大津「プラグの強みは、なんといってもリアフック。ライブスコープでバイトを見ると、傘ではなく後ろをトラウトみたいにハムハムって食ってくる。これがジグヘッドだと掛からない。ショートバイト対策で、フロントフックをトレブルRBM#10(がまかつ)、リアをピアストレブルダガー#10(リューギ)に交換。スレ場ほど繊細なフックで対応。ちなみに泳ぎの姿勢を安定させるため、ベリーに板オモリを貼ってます。カバー周りでは太めのフックを使っています」

大津 「カバー周りでも釣れるんですが、ライブスコープでコースを見て通さないと、やっぱりすぐ引っ掛かってしまう。でも、逆側に回れば取れるし、回収できなかったことはない。基本は沖の中層やフラットで使うので、根がかりしないんですけどね」



大津流ブレードアラバマをさらに知りたければこちらの動画もチェックすべし!

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!

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