超定番コンパクトスピナーベイト『ハイピッチャー(O.S.P)』を並木敏成さんが完全詳解



気が付いただろうか? いきつけの釣り具店のスピナーベイトコーナーに異変が起きているはずだ。ハイピッチャーのラインナップが以前より充実していると思う。多くのユーザーの願いが叶い、新たな量産体制が整ったのだ! ハイピッチャーがなぜこんなに愛されるのか? その理由を改めてお伝えしよう!

【Profile】

並木敏成(なみき・としなり)

O.S.P代表。日米のメジャートーナメントで輝かしい成績を残し、現在はメディアを中心に活躍。日本を代表するアングラーの1人。写真のバスは2020年3月、弊誌のロケ中にハイピッチャーMAXで仕留めた44.5cm。本文が入ります。

ハイピッチャーがなぜ最強の定番になったのか?

「10イヤーズスタンダード」10年間能力の色あせないルアーの開発を社訓とするO.S.Pは、数多くのロングセラーを輩出してきた。その中でも、ハイピッチャーは、2004年の発売以来、人気実力共に最高の評価を受け続けている傑作中の傑作。10年どころか、20年が見えてきた。

ハイピッチャー最大の特徴は、「システムスピナーベイト」に違いない。ハイピッチャー以前のスピナーベイトは、同じシリーズであっても、ウエイトを変えるとブレードまで大きくなったりして、別物のルアーになることが普通だった。ところが、ハイピッチャーは6種ものウエイト設定がありながら、サイズ、シルエット、アピール力、アクション、フィーリング、全てをほぼ統一したのだ。

並木「最大のメリットは、様々なレンジを同じ感覚で釣ることができること。1/4ozでアシ際を引き、アシ前のリップラップなどは3/8oz、アシ沖のウィードの2mレンジを引くなら1/2ozに結び換える。そしてウィードのアウトサイドを引くなら5/8oz、はるか沖の5~6mを引くなら1ozと、同じルアーをいろんな深さで使える」

もちろん、より遠くに飛ばしたいときや、シャローでより速巻きのサーチをしたいときも、ウエイトを重くすれば解決。それだけではない、ハイピッチャーが定番化した大きな理由は他にもある。

並木「俺としては、スピナーベイトのいろいろな幅広い使い方を確立してきたスピナーベイトだと思う」

並木さんは、その最たるものとしてスピナべサイトを例に挙げた。スピナべサイトは正確なキャストと、レスポンスのいい回転と、魅力的なアクションが備わらないと成立しないテクニック。どの方向の基本性能も優れているハイピッチャーだからこそ、世に広めることができたのだ。もちろん、スローロールなど既存のテクニックも、優れた基本性能によって、誰もが修得しやすかったはずだ。更に付け加えるなら、リーズナブルな価格も、人気を大きくアシストしたと思う。

並木「確かに利益率の悪い価格設定だったけど、それによって多くの人に使ってもらえたし、O.S.Pのクオリティーの高さも知ってもらえた。今日のO.S.Pがあるのもある意味ハイピッチャーのおかげだと思ってるよ」

新たな量産体制が整い、安定供給されるようになったハイピッチャー。まだまだその王座を譲る気はなさそうだ。

ハイピッチャー(O.S.P)

商品名自重カラー価格
ハイピッチャー(O.S.P)1/4oz、5/16oz、3/8oz、
1/2oz、5/8oz
23色(1ozは10色)1,155円(税込)

システムスピナーベイトという画期的コンセプト

2004年の発売以来、最強のシステムスピナーベイトとして君臨するロングセラー。抜群のキャスト性、レスポンス、スナッグレス性、集魚力、フッキング性を誇り、ウエイトを変えても、同様の使用感で扱うことができる。

5度のT.O.Y獲得そして殿堂入り!!
2010年、2011年、2014年、2017年、2018年にタックル・オブ・ザ・イヤー・ハードルアー部門で1位に輝き、栄誉ある殿堂入りを果たした。

どのウエイトでも使用感を変えずに使えるコンセプト

左上1/4oz、右上5/16oz、中左3/8oz、中右1/2oz、下左5/8oz、下右1oz。

かつてのスピナーベイトは、重くなるに連れてシルエットも大きくなった。しかし、ハイピッチャーは同一のシルエットと使い心地をを維持したまま、様々なウエイトを設定。様々なレンジを同じフィーリングで通せるのだ。

コンパクトボディに込められた釣れる秘密を公開!!

その1 ブレード

プレッシャーに強いフラッシングと高い集魚力を誇る重厚な素材

ブレードでまず目を引くのは独特の模様。

並木「これはタバコの銀紙をイメージした模様なんだ。タバコの銀紙は泉和摩さんのHMKLミノーとかにも使われていたよね。ハイプレッシャー時やクリアウォーターに効果的な甘い光を放つよ」

でも、このブレードの最大の特徴は、厚くて重いことだ。

並木「厚くて重いほうが絶対に魚を寄せてくれる。ブレードは重いほうがしっかりとした波動を出すから、集魚力が高い」

軽いブレードを否定するわけではないが、魚をサーチするときや、ディープでもシャローでも、ステインウォーターでもこの集魚力は大事。

ピカピカに光るブレードの単純なフラッシングは、チョロいバスにしか効かない。タバコの銀紙っぽい模様は、スレバスを幻惑する。
厚くて重い=強く水をかき回す!
アルミ素材などの軽いブレードは、レスポンス良く回るが、波動が弱く、振動も激しくない。厚く重い真鍮のブレードは集魚力が違う。

その2 ヘッド形状

重心集中型低重心ヘッドは高いキャスタビリティーを約束

すり抜け性と、低重心を両立させたヘッド形状。アームから伝わる振動と、ヘッドが受ける水流は絶妙なバイブレーションを産み出す。

先端が尖ったヘッド形状は高いすり抜け性能を誇る。ウィードやゴミが絡んでも、ロッドワークで簡単に振り落とせる。低重心かつ重心を集中させたバランスは、飛行姿勢を安定させて、キャスト中の回転などを低減する。

その3 ワイヤー&ビーズ

業界基準となったTナミキの冴えたアイデア

この赤いビーズは1/2ozであることを示している。スピナーベイトラックに収めている状態でも、ひと目でウエイトがわかるのだ。

ワイヤーは太めで頑丈なマテリアルを採用。険しいカバーの中でも高いスナッグレス性を発揮。またビーズの色でウエイトを判別できるアイデアは、その後他メーカーでも続々と採用。

並木「マネされるのは嬉しいよ(笑)」

ウエイトビーズカラー
1/4ozホワイト
5/16ozブラック
3/8ozブルー
1/2ozレッド
5/8ozイエロー
1ozピンク

その4 フック

よりフッキング率を上げるトレーラーフック

並木さんが考案したT・Nトレーラーフック(ハヤブサ)。刺さりのいいフッ素コーティング仕様。特にフォール中のバイトで差が出る。

フックサイズは1/4~1/2ozが4/0、5/8&1ozは5/0サイズを採用。十分フッキングはいいが、並木さんはトレーラーフックも使う。

並木「オカッパリで根がかりが多い時や、リリーパッドを釣るときはトレーラーフックは付けない。でも、ボート釣りをするならつける方が多いね。3割くらいはキャッチ率が上がると思うよ」

その5 スイム姿勢

若干上向きの姿勢がフッキング率を上げる

このくらいの角度で水中を泳ぐとフッキング率がいい。フックがやや上向きなので、口の中のどこかにガツンと刺さってくれるのだ。

並木「フックポイントが水平になるスイミング姿勢は、フッキングが悪いと思う。浅掛かりになる率が高い。だからフックは少し立ってるほうがいい」

これは、かつて霞ケ浦で1日150尾ものバスが釣れた時代に、様々なスピナーベイトで釣り比べ、並木さんが出した結論。若干上向きのハイピッチャーは、圧倒的にフッキング率がいい。

その6 スカート

適度な張りが姿勢を整え、アクションも生む

派手に開いたスカートが水の抵抗を受けて、スピナーベイトの泳ぎ姿勢を整える。そして、1本1本がたなびきながら、ボワンボワンと開いたり閉じたりして、バスを幻惑する。

ハイピッチャーのスカートは、かなり張りがあるので、開き具合が大胆だ。動きも生き生きとしている。

並木「スカートがしなっとしていると、ブレードの抵抗に負けて、スピナーベイトが立ちすぎる。張りがあって、ボワッと開いていると、ブレードとの引っ張り合いが生じて、姿勢もよくなる。更にヘッドの縦揺れが生じるんです」



必見! ブレードタイプやカラーの使い分け

迷ったらゴールド&シルバー

今や、釣り具店に行くと様々なブレードカラーのスピナ―ベイトが並んでいて、どれを選んだらいいか迷う人も少なくないだろう。

並木「迷った時は、シルバーとゴールドのコンビネーションを選ぶといいよ。シルバーはクリアウォーターに向いてるし、ゴールドはマッディウォーターに向いてる。そのどちらにも対応できるカラーだよね」

金、銀、ガンメタがブレード三原色

左からゴールド、シルバー、ガンメタ。

シルバーは比較的クリアウォーター、ゴールドはマッディーウォーターに強い。近年はガンメタも必須カラーだ。

並木「ガンメタは、光を嫌うスーパークリアウォーターとか、晴天無風とか、スレバスを相手にすると滅法強い」

ブレードコンビネーションによる使い分けを明快に解説!

ユーザーの中で最も人気の高いのはダブルウィローだ。

並木「線で引くタイプだよね。表層や中層を泳ぐベイトを、活発に追ってるときにいい」

一方、並木さんのメインはタンデムウィロー。

並木「多彩な使い方ができるね。フォールでもよく回転するし。初心者も使いやすいよ」

1ozにはダブルコロラドもある。

並木「コロラドは振動が強いから、重いヘッドでも引き感がいい。浮き上がる力が強いから、1ozでもシャロー引きができるよ」

タンデムウイロー
ダブルウイロー
ダブルコロラド(1ozのみ)
複数の小魚に見えるダブルウィローは横方向の線の釣りに適する。タンデムウィローは横の釣りもできるし、フリーフォールやカーブフォールなど縦方向の点を狙った釣りも得意。

ハイピッチャーだけじゃない!

T.NAMIKIの手掛けたスピナーベイト

タイフーン

O.S.Pの草創期に世に出されたビッグスピナーベイト。そのコンセプトは「根がからないビッグベイト」11番ブレードの集魚力は、他の追随を許さない。今期も池原ダムでロクマルを連発させるなど、各地で伝説を作っている。

商品名自重カラー価格
タイフーン3/4oz、1oz16色2,090円(税込)

ハイピッチャーMAX

比較的コンパクトなハイピッチャーよりもアピール力の強い、標準サイズのスピナーベイトの必要性を感じて開発。水が濁ったり、風が強いときはこのMAXを選択。広大なビッグレイクや海外では主力のスピナーベイトだ。

商品名自重カラー価格
ハイピッチャーMAX3/8oz、1/2oz、
5/8oz、3/4oz
15色1,320円(税込)

勇気をもって使いたいカラーブレード

ここ数年注目されているカラーブレードは、特に濁った水域や、悪天候の時に効果を発揮する。

並木「チャートはバスから見つけやすいね。マッディの場合は、水に同化するナチュラルカラーという性格もある。それに比べてピンクはいかなる状況でも水の色や周囲の色と相反するカラーなので、一番アピールは強いと思う」

白ブレードはベイトフィッシュの腹を思わせるカラーでもある。ワカサギやシラウオパターンに強い。赤は春や晩秋に強い。

並木「ザリガニを思わせるカラーだよね」

並木さんのハイピッチャー用代表的タックル

並木「ロッドは基本MH以上ですね。何よりも硬さが大切。硬いロッドでフッキングを確実に決めたい。しっかりしたガードのラバージグをフッキングさせるくらいのパワーは欲しい」

巻きアワセも大事なのでリールもハイギヤだ。

  • ロッド:スティーズC66MH マシンガンキャスト・タイプII(DAIWA)
  • リール:スティーズSV TW8.1(DAIWA)
  • ライン:FCスナイパー14lb(サンライン)

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