世界を制するための「マスバリ」が遂に完成!!『タリズマンブルータル(リューギ)』



RYUGIの名作マスバリと言えば『タリズマン』。そして、より剛性を高めたモデルに対して冠されるのが『ブルータル』の文字。そう、あのタリズマンにより強靭さを増したモデル『タリズマンブルータル』が誕生する。ここでは開発に携わった伊藤巧さんにその開発経緯から恐るべき威力までを訊いてみた。

Photo by Seigo Saito

【Profile】

伊藤巧(いとう・たくみ)

バスフィッシングの本場米国のトーナメント団体として知られるB.A.S.S.の最高峰・バスマスターエリートで活躍中のトーナメントプロ。2021年は参戦2年目にして見事にセントローレンスリバー戦で自身初の米国戦優勝を飾った。

ベースモデル・タリズマンとの出会い、派生モデルへの継承

伊藤「リューギさんにスポンサードをいただく前から気に入って使っていたマスバリが『タリズマン』。木村(建太)さんが開発したモデルなのかな。とにかく根がかりしづらくフッキング性能も抜群で、ショップでオトナ買いしたことが懐かしいですね(笑)」

使い続けることでリューギフックへの信頼度は日に日に増していったという、伊藤巧さんとタリズマンの出会い。それから数年後にリューギと契約するや、掛けて獲るべくギリギリの線径にこだわったオフセットフック『ダブルエッジ』を開発。唯一無二のプロダクトが人気を博していることはご存知だろう。

近年では、タリズマンのスナッグレス性を高めた『ヘビーガードタリズマン』を開発。かつての自作モデルが製品化されたことでより戦力が増強したことは言うまでもない。

次に伊藤さんが目を向けたのは「タリズマンに唯一足りなかったラインナップ」だった。それが今季の発表を予定している『タリズマンブルータル』だという。

伊藤「パワーフィネスを含め、MHパワー以上のロッドでネコリグを使う時に、もっとパワーのあるストロングなモデルが欲しいなと。近年アメリカが主戦場となっていることもあって、強めのロッドにPEラインを組み合わせたタックルの出番は多くなってきています」

フックに衝撃がダイレクトに伝わるセッティングでも負けないモデル。そんな理想を求め開発が始まっていった。

伊藤「世界中のフックを探して使ってみましたが『これだ!』という物がない。ならば、タリズマンの優れた性能を活かした新たなモデルを作っていくしかないなと」

またしてもフック界で唯一無二の存在を突き詰めていく日々が始まった。

パワーワッキー系で躍動するオリジナルモデルの優位性

伊藤「マスバリって誰しもが恐怖との戦いだと思うんです。オフセットフックに比べてフッキングが決まらないシーンが多々ある。マスバリだからこそのミスって必ずあると思うんです」

新作『タリズマンブルータル』の原型と言えるオリジナルモデル・タリズマンの優れている性能を訊くと、伊藤さんはこう語り始めた。

伊藤「なぜミスがあるのかはわかりません。けど、タリズマンを使い始めるとわかることですが、圧倒的にすっぽ抜けが減ります。やはり掛け調子の形状が優れているんだ思います」

Photo by Andy Crawford / B.A.S.S.

やや太軸の軸線に高い強度を生み出すベンドデザイン。剛性に磨きをかけたサイバーメタルを採用して、鈍りにくいフックポイントを形成。さらにはTCコートでずば抜けた貫通力を誇る。

伊藤「元々僕は利根川育ちです。テナガエビの多い時期に6.5inカットテールワームなど長くて大きめなストレートのネコリグをベイトフィネス的なタックルで使うことが多かったんですが、その頃に出会ったのがタリズマンでした。フッキングはスイープじゃない。思いっきりアワせても曲がらず、しっかり掛けることができるマスバリって他になかったんですよ」

Photo by Seigo Saito / B.A.S.S.

オリジナルモデルへの信頼は厚い。しかし、さらに軸線径をパワーアップした『タリズマンブルータル』は、そのままの形状を踏襲するだけで完成するほど開発は簡単ではなかったという。



軸線径ボアアップに伴いブルータル独自デザインへ


伊藤「形状はオリジナルを継承してはいますが、そのままではありません。軸線径が太くなることで、掛け調子をそのまま移行するとデメリットが出てしまうので各部を微調整しています」

核となったのは、ハリ先の形状だったという。

伊藤「軸線径が太くサイズが大きくなったことで、掛け調子から若干の乗せ調子に形状を変更したところがキモです。MHパワーのロッドでフルフッキングしても、接近戦でより力が伝わりやすい場面でも、PE1.5号でダイレクトに力が加わっても曲がる心配はありません」

万全の仕上がりだ。サイズは#1/0・2/0・3/0・4/0を取り揃えパワーゲームに対応。タリズマンシリーズでは初となる最大サイズの#4/0も加わった。

Photo by Andy Crawford / B.A.S.S.

伊藤「今季中には発売予定です。それと、現在はガード付きモデルも開発中ですのでご期待ください」

パワーフィネスやヘビーカバーにおけるネコリグ撃ちで強力な味方が間もなく登場予定だ。

では、最後に伊藤さんおすすめの各サイズに対応するワーム例をお届けしておこう。

伊藤巧おすすめ、ワーム&フックサイズ対応リスト

フックサイズ対応ワーム
タリズマンブルータル #1/0アノストレート5.5in(ボレアス)、ラッテリー5.4in(ノリーズ)など。
タリズマンブルータル #2/0アノストレート7in(ボレアス)、6.5inシュリルピン(ノリーズ)など。
タリズマンブルータル #3/0フリップコギル ※ネコリグ(ノリーズ)、キンクー7〜8in(デプス)など。
タリズマンブルータル #4/0フリップギル5in ※ネコリグ(ノリーズ)、キンクー13in(デプス)、アノストレート13in(ボレアス)など。
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