大人気スピナーベイト『ハイピッチャー(O.S.P)』の「実践的極意」を房総半島のスーパーガイド・オリキンが徹底解説!【トレーラーセッティングにキモあり!?】



国産スピナーベイトの金字塔として長年愛され使い続けられている『ハイピッチャー』。特に2021年は出番が多かったというのが房総半島を代表するスーパーガイド・折金一樹さん。実際にどのようなシチュエーションやセッティング、使い方が良かったのか?「超実戦的」なハイピッチャーの使い方を語って頂きました。

【Profile】

折金一樹(おりかね・かずき)

房総エリアのフィールド最強クラスのトーナメンターで、ハードルアーのみで戦うH-1グランプリでは2度の年間優勝を飾る実力者。そして、房総リザーバーの敏腕ガイドとして人気を博している。O.S.Pのプロスタッフとしても艇・陸問わず活動し、自身のYouTubeチャンネル『オリキンちゃんねる』でも数多くのファンを魅了している。

ハイピッチャー(O.S.Pinc)

【スペック】

  • ウエイト:1/4oz(7.0g)ホワイトビーズ、5/16oz(9.0g)ブラックビーズ、3/8oz(11.0g)ブルービーズ、1/2oz(14.0g)レッドビーズ、5/8oz(18.0g)イエロービーズ、1oz(28.0g)ピンクビーズ
  • タイプ:TW、DW、DC(1ozのみ)
  • カラー:23色(1ozは10色)
  • 価格:1,155円(税込)。※ECOモデル:1/4oz・3/8oz・1/2oz 1,375円(税込)。※1oz 1,265円(税込)

2004年のリリース以降、ロングセラーを続ける「元祖・コンパクトスピナーベイト」の『ハイピッチャー』。2018年にはルアーマガジンT.O.Yランキングでは殿堂入りを果たし、国産スピナーベイトの真の頂点に立った。

ハイピッチャーの完全詳解を知りたければこちらの記事もチェック!

そんなハイピッチャーが昨年、ハイプレッシャーフィールドとして名高い房総リザーバーにおいて「よく釣れた」というのは同フィールドをホームするプロガイド・折金一樹さん。その理由や攻略法を解説していただこう。

「障害物周り」と「強すぎないカラー」、操作感を高める「トレーラー」がキモとなる亀山ダム

折金「昨年の関東リザーバーは台風が直撃することが少なく、その影響か水があまり良くなかったんです。その水を嫌って、障害物周りにバスが付きやすい傾向にありました」

――障害物周りというと具体的には?

折金「亀山ダムでいえば、崩落ポイント。崖が崩れたような場所ですね。エリアによって水深はまちまちですが、深めが多い。10m付近にオダなんかが沈んでいれば、水深は15mでも5m付近がポイントになります。そういった木や岩の中というよりは周辺にバスがいることが多かったので、崩れた周りをスピナーベイトで探っていくパターンがハマることが多かったんです」

――亀山ダムの崩落ポイントではどのようなアプローチが「キモ」となりましたか?

折金「周辺を探りながら、木の枝や岩へ当てていくと釣れやすかった。あとは、水の色的に強すぎず弱すぎないカラーが効きましたね」

――具体的にどんなカラー?

折金「実際によく釣れていたのは、チャートバックアユ。TW(タンデムウィロー)5/8ozの出番が多かったですね」

チャートバックアユ S39

確かに、このカラーはチャートというには派手すぎず程良くナチュラル。強すぎず弱すぎずというのも頷ける。さらに折金さん的にはトレーラーをセットすることも欠かせないという。

折金「ハイピッチャーのトレーラーにはドライブスティック スペック2のハニーフラッシュを、頭2cmだけカットしてセットしています。トレーラーフックにはリューギのスナッグレストレーラーTCのSサイズをよく使います」

ハニーフラッシュ TW126

――トレーラーはやはりベイトのサイズに合わせてカットしているんですか?

折金「そうですね、全体的なボリュームの調整というのもあるのですが、一番は『引き感を捉えやすくすること』。ウエイトがアップすることで水の抵抗を感じやすくなり『いまどこを引いているのか?』ということを確認しやすくなります。もちろん水中の崩落ポイントのトレースコースもイメージしやすいし、操作にも大きく影響してきます」

トレーラーをセットすることにでよりタイトなシチュエーションでの操作感をアップさせる! これがオリキン的ハイピッチャーの実践的極意の1つである。



秋のフラットエリアのワカサギパターンを「スローに攻略」することがキモの高滝ダム

――折金さんがもう一つのホームとする「高滝ダム」では実際にどんなカラーやタイプのものを使い分けていますか?

折金「高滝ダムではワカサギフラッシュ。重さは1/2ozか3/8ozを使い分けています。ブレードはTW(タンデムウィロー)かDW(ダブルウィロー)ですね」

ワカサギフラッシュ S67

――ワカサギフラッシュというカラーを選択する理由としては、ワカサギに付いたバス狙いだから…?

折金「秋によく使っていましたので、そうなりますね。良く釣れたのは、中流域のシャローフラットエリア。フラットにあるオダとかの上をかすめる感じに引いてくると、ワカサギの群れに付いているバスが食ってきましたね」

――なるほど! 高滝ダムでも亀山ダムと同様にトレーラーはセットする?

折金「付けますね、ただし具が違います。高滝では『HPミノーの3.7in』のTNスモークレディーというカラーをセットしています」

T.N.スモークレディー TW158

――トレーラーはやはり引き感アップのためですかね?

折金「それももちろんありますが、シチュエーションとして広いフラットエリアを攻略する際に使用するので、単純にワーム1個分のウェイトが加わることで飛距離アップになります。あと、HPミノーはノンソルト素材なので、トレーラーにすると水の抵抗がアップしてフォールスピードもよりスローになります」

――抵抗をアップさせられることのメリットとは!?

折金「シャローフラットエリアでの操作するに際に、一定レンジをトレースしやすくなります。また急な動きが少なくなる」

――急な動きを抑える…その効果とは!?

折金「オダを越えた時にバイトが多いと言いましたが、そのリアクション的な動きが速くない。それがバイトにもつながるし、フォールもスローになるのでチャンスも増える。全体的に急な動きが少なくなるので、モノに当ててもブレードが回り続けて誘いのタイミングもゆっくり。バス側の食うチャンスも長くなるメリットがあります」

ロッドは全体的曲がる「ワイヤーベイト専用」ロッドがベスト!

――折金さん的にハイピッチャーを使用する際、タックルについてのこだわりがあれば教えて下さい!

折金「ロッド性能がすごく重要になってきます。私が使っているのはブラックレーベルBLX LG6101MRB(DAIWA)。これは巻モノロッドというよりは、ワイヤーベイト専用。特長は中弾性カーボンを使ってティップだけじゃなくロッド全体で曲がるところです」

――全体で曲がることのメリットとは!?

折金「いろいろありますが、ハイピッチャーの引き抵抗を感じやくなって操作感が上がります。また障害物に当たった時にロッドの復帰がゆっくりなんです。硬いロッドだと弾いてしまい、当たってすぐにブレードが止まって回らなくなる。ですが、ロッドの戻りがゆっくりだとブレードがしっかり動き続けてくれます。

スピナーベイトはブレードの回転が命で『エンジン』といっても過言ではない、動き続けてくれる限りバイトチャンスは増してくれます」


全体で曲がるロッドは、ブレードの回転もなめらか。トレーラー+ロッド性能を活かすことで、よりブレードが回転している状態を作り出す。このロッドに対するこだわりもオリキン的ハイピッチャー爆釣の極意の1つである!

以上の2つの極意は房総リザーバーだけでなく、全国的に見ても陸、挺問わず当てはまるシーンは多い。

自身のハイピッチャースキルをよりステップアップさせたいのであれば是非とも折金的極意を実践されてみてはいかがだろうか。

スピナーベイトは、何よりブレードの回転が大事! そしてハイピッチャーは高速回転のため回転力が落ちにくい。そのパワーを活かすため、オリキンさんはトレーラーやロッドにもこだわっている。

折金さんハイピッチャー使用タックル

  • ロッド:ブラックレーベルBLX LG6101MRB(DAIWA)
  • リール:ジリオンSV TW1000L(DAIWA)
  • ライン:モンスターブレイブZ13lb(DAIWA)

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