ワイルドサイドのフラッグシップシリーズとして誕生したヴァリアントモデル。今回はその中でも最もフィネスなアイテムであるWSS-ST510UL/TZを紹介! このロッドの特徴、そして出しどころは? ロッドプロデューサーの鬼形 毅さんに話を聞きました!
【Profile】
鬼形毅(おにかた・たけし)
レジットデザインC.O.O.として、ロッドのデザインとブランドのプロデュースを手掛ける。現在も競技の舞台に身を置き続けている第1線のトーナメンターでもある。バスフィッシングの豊富な知識を活かし、艇王などの解説者としても活躍。
ワイルドサイド ヴァリアントモデル WSS-ST510UL/TZ “Solid Tip Model”
【スペック】
- 全長:5ft10in
- ルアー適合範囲:0.5〜5g
- 適合ライン:1.5〜4lb
- 価格:52,800円(税込)
繊細に仕掛けてガッチリ獲れる! ビッグスモールやダム湖のキッカーサイズが来ても安心のパワー設計
ガイドやブランクスを見直すことで操作性が格段にアップした
――レングスは5ft10inで、ウルトラライトのソリッドティップ。フィネスに特化したスペックであるということはわかりますが、具体的にはどんな個性を持っているロッドなのでしょう?
鬼形「ワイルドサイドのラインナップにWSS-ST59ULというスペックがあるのですが、自分はそれをガイドを付け替えて、より軽くして試合に使っていました。こうやって既存のロッドに手を加えて使うということはよくあるんですよ。そうやって使ってると、もっとこうしたほうがいいという部分も出てきたりする。
例えば、WSS-ST59ULはスモールマウスやかなりフィネスなライトリグ用のロッドなのですが、もう少しパワーが欲しいという場面もあった。最近はホバストとか、立木絡みの深い場所でのフィネスなどをやる場面も増えてきて、さらにキッカーフィッシュを狙って釣っていかなくてはならない。実際に大きいサイズがくると、WSS-ST59ULだとバットパワーが心もとないなと思うことがあったんです」
――それがこのロッドの誕生のきっかけですね。
鬼形「ラージもスモールもできる繊細なスピニングロッドで、キッカーフィッシュが来てもしっかり対応できる、そんな竿が欲しいなということで作ったのがこのモデルです。レングスを1in伸ばしているのですが、それだけじゃなくて全体的なパワーもアップさせています。ブランクス素材も新しいものを使っていますし。操作性も良い1本になっていると思いますよ」
ガイドはチタンフレーム&トルザイトリング。異なる弾性のカーボンによって作られたブランクをアラミドレインフォースメントで補強し、30tカーボンショートレングスソリッドティップを搭載。ラージマウスorスモールマウスバス、レンタルボートorバスボートを問わず使いやすい、ショートレングススーパーフィネススピンに仕上がっている」
ガイド径をあえて大きくしトルザイトの恩恵を最大限に生かす
――やはり、ガイドが軽くなると細かい操作やシェイクもやりやすいんですね。
鬼形「それはロッドの絶妙なバランス感が必要になってきますね。シェイキングの釣りはティップを細かく振る釣りなので、ソリッドの先の重さでシェイクを振幅させていきます。ティップが軽すぎてもダメだし、ガイドが重いと振り過ぎてしまうこともあります。今回はチタントルザイトにしていますが、ワイルドサイドのモデルと比べると、リング自体は大きくしてあるんですよ。糸抜けが良くて飛距離が出るし、ワンサイズ大きくしてもまだチタントルザイトの方が軽いという感じですね」
――やはり単純に小さくすれば良いわけでもないと。
鬼形「結局は作る竿の特徴によりますからね。今回のロッドに関しては、ガイドが軽くなるメリットを得つつ、糸抜けなども考えなくてはいけない。最近は、PEも使いますしね。ノットの抜けなども考えて、ガイドの内径は小さすぎると良くないと。なので、ガイドが薄いというチタントルザイトのメリットが大きく得られていますよね。ガイドの重さを変えずに、ガイドの内径を広げて、飛距離をアップさせていくことができると。
具体的な釣り物としては、スモースマウスレイクでの超軽量ネコリグ、最近だとホバストにもぴったりの竿です。この竿だったら、3in以下のワームで、0.9g以下のシンカーを使って。PE0.2〜3号なども使った釣りができますね。一般的なダウンショットのシューティングにもぴったりの竿ですよ」