バス釣り職業見学させてください!【ラグゼ・アベンジ ルアーデザイナー 赤松拓磨】



日本にブラックバスが導入されてから90年以上が経過した。となれば、業界に関わる人の世代も様変わりを繰り返してきたはず。そんな世代の最先端を走る20代のルアーデザイナー・赤松拓磨さんを紹介しよう。

「スクラップ&ビルドで自分色の良いものを作っていきます! 」

【Profile】

赤松拓磨(あかまつ・たくま)

1992年生まれ。小学5年生の頃にバスフィッシングに目覚め、高校生の頃には釣りに携わる仕事を志望。モノづくりが好きなことも手伝い、ヒューマンアカデミー・フィッシングカレッジのルアービルダー専攻を経てメーカー勤務となった。

Q.この仕事についた経緯は?

A.「自分の思い描くルアーを作りたかったんです」

父の影響で釣りを初めたのが幼稚園のころ。小学生にあがってからはひとりでオイカワなんかを釣りに行っていたのですが、同級生のお兄さんの影響でバス釣りを始めました。近所にあった布団屋さんのおじいちゃんがルアーを作っていて、中学の頃に通い込んで色々と教わったのがルアー作りの原点です。高校を卒業後、ヒューマンアカデミー・フィッシングカレッジのルアービルダー専攻に進み、そこからデプスで5年ほど勤めました。その後、もっと自分を表現したいと思い、25歳のときに「アベンジ」のルアーデザイナーとしてがまかつへ入社しました。それが今から3年ほど前の話になります。

Q.仕事内容や1日の流れを教えてください

A.「テストとフィードバックをひたすら繰り返します」

1週間の流れでいうと、月曜日と火曜日は社内でデザインしたルアーを切削、組み立ててサンプルを作ります。水曜日にはテスト釣行に出て、木・金に再び社内で設計。サンプル製作をします。土日は休日ですが、大体はプライベートという名のテスト釣行になっています。もちろん、事務仕事も間に入りますが、フィールドで得た知見を活かして社内でサンプルを制作し、再びフィールドでテスト、のループが主な仕事ですね。

アベンジブランドの記念すべき最初のルアー。そこにはかねてより温めていた誰にでも扱いやすいバイブレーションを作りたいという願いが込められている。なお、アベンジルアーは年間3つの商品化を目処に開発を進めているという。これは100パーセント納得のいくルアーを作るための限界スピードなのだとか。



Q.どんな人に向いている仕事ですか?

A.「逃げ道がないのでとにかく釣りが好きな人です! 」

大好きな人にしかできない仕事だと思いますね。飽きたとか言っていられないので(笑)。ルアー作りに関する知識や技術はやっていけば自然と身につくと思います。それから器用である必要もありませんね。ちなみに、釣具メーカーで営業的な仕事をしたいのであれば普通に大学を卒業して入ることはできるかもしれませんが、ルアーデザイナーとなるとちょっと難しいです。その場合、メーカーとの繋がりもできるヒューマンへの進学を視野に入れてもいいかもしれませんよ!

Q.仕事のやりがいは何ですか?

A.「好きなことが仕事なんです」

実際にデザインしたルアーを使ってくれているのをSNSなんかで見たりすると認められている感があってすごいやりがいを感じますね。ですがなによりも、「好きなことを仕事にできている」というのが一番です。人生で一番長い時間を過ごすのは仕事の時間。そうであるのならば、自分は好きなことじゃないと仕事にしたくなかったんですよ。釣り以外の仕事も多いですが、今の仕事は「天職」だと思っています。

Q.収入について教えてください

A.「1ヶ月に高級リール3~4台分くらいです」

高級リールといってもどれかはご想像におまかせしますが(笑)。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!

  • 1