喰い渋りのヒラメに効く!「サーフフィネス釣法」の極意を徹底解説!!【ミッチー高橋のサーフタクティクスEpisode.1前編】



近年日本のソルトルアーフィッシングシーンの中でも、圧倒的な人気を誇り、一大ジャンルへと飛躍したサーフからのヒラメ釣り。広大な砂浜から、少ない情報や自身の観察力を駆使し、導き出さなければいけないその釣りは、決してイージーとは言えないが釣り上げたときの感動と爽快感は図り知れない。そんなヒラメゲームの新たな攻略法を探究し、発信し続けるアングラーが「ミッチー高橋さん」である。今回から隔月に渡って、全国を釣り歩くヒラメのスペシャリストが各地域の攻略法や最先端のメソッドを徹底解説します!

語っていただくのは初代ヒラメ王・ミッチーさん!

【Profile】

高橋慶朗(たかはし・みちあき)

ヒラメを始めとしたフラットフィッシュから、シーバス、青物、ロックフィッシュなどあらゆるソルトルアー魚種に精通するスーパーエキスパート。固定観念に捕らわれず、常に進化を求めるアグレッシブなスタイルに定評がある。グローブライド(DAIWA)勤務。愛称はミッチー。

ミッチー高橋が全国の有名サーフ攻略法を伝授!

ミッチー高橋「皆様、こんにちは! DAIWAフィールドスタッフのミッチー高橋です。今回から1年間、ルアマガプラスで僕の大好きなサーフゲームの連載をスタートすることになりました!(パチパチパチ!)宜しくお願い致します」

――ミッチーさん、1年間宜しくお願い致します(ペコっ!)。サーフゲームを前提とした連載ということなのですが、過去にもルアマガプラスではミッチーさんのサーフゲームに関する記事を何度か掲載させて頂いています。

――どの記事も大好評で未だにアクセスが多いのですが(感謝!)、今回からのサーフゲーム連載はどのようなテーマを考えているのですか?

ミッチー高橋「私自身のホームは茨城サーフになるのですが 仕事柄全国各地のサーフで取材や製品テストなどもおこなっているため、釣りをする機会も多いんです。なのでこの連載は『全国各地の有名サーフの攻略法』をお伝えしていこうかと思います!」

――全国の有名サーフを!? まさしくミッチーさんにしか出来ない連載ですね。サーフゲームファンは絶対キニナリマス!

とはいえ、ここ数年、ヒラメは勿論様々な魚種が狙えるサーフは人気が高く、ハイプレッシャー化が進んでいます。ミッチーさんはこの状況をどう考察されますか?

ミッチー高橋「そうですね、仰る通り近年サーフゲームはソルトルアージャンルに中でもかなり人気が高まっていて、それこそメジャーフィールドでは早朝から入れ代わり立ち代わりルアーがキャストされることから、ヒラメがルアーにスレてしまい、朝マヅメのヒラメが高活性な時間帯以降は、なかなかヒットを得られなくなってしまいました。

でも、決して喰わせられないことはないんです! なので今回はプロローグとして、タフなヒラメを喰わせる、私が提唱する『とあるメソッド』をご紹介させていただきます!

ヒラメが食い渋る理由とは?

――ではミッチーさん的にヒラメが食い渋る要因として、どのような理由が挙げられますでしょうか?

ミッチー高橋「まず最初に挙げられるのが『活性は高いがルアーにスレるパターン』。

ヒラメはベイトを捕食するためにサーフの波打ち際へ寄ってくる為、サーフに寄ったヒラメは高活性であることが多く、ルアーを見つけたら躊躇せずにアタックしてきます。朝マヅメにヒットが集中するのはこの為で、アングラーが一斉にキャストを開始すると、最初はルアーを見つけた順にヒットしてくるのですが、次第にルアーにスレてしまい、しばらくすると口を使わなくなります」

ミッチー高橋「これが、大勢のアングラーで賑わいを見せる有名実績ポイントにおける、朝マヅメを過ぎるとパタッと釣果が止まってしまう理由なんです。ですが、サーフに接岸したヒラメは『朝の段階で殆ど釣られてしまうのか?』というと答えはNOで、一度はルアーに反応したものの違和感を感じてバイトしなかった魚など、想像以上に多くの魚がルアーを見続けることでスレしまい、食い渋り状態となって残っています。

もうひとつは『活性が低いパターン』。

低水温期や海水温の急激な低下など、ヒラメの活性自体が低くなるとルアーの追いが悪くなり朝マヅメでも殆どヒットしなくなります」

ミッチー高橋「朝マヅメにアングラーが大勢並んでロッドを振っているにも関わらず、全体で1~2匹しか釣れないような日はこのパターンであることが多い。アタリが小さく、アタってもなかなかヒットしないのもこのパターンの特徴です。

ヒラメが執拗にルアーを追うことは少ないので、ストップ&ゴーやリフト&フォール等で上手く魚の捕食範囲内にルアーを落とし込めれば最初はリアクション気味にヒットしてくれますが、活性が低いうえにルアーにスレさせてしまうと口を使わせるのは極端に難しくなります」

――「活性が低いパターン」はさすがに上級者でなければ、中々魚をキャッチするのは難しそうですね……。



ハイプレッシャーなヒラメを喰わせる「サーフフィネス釣法」とは?

ミッチー高橋「上記のような理由により朝マヅメでも、ヒットルアーの主流はミノーなどのプラグから、よりナチュラルなアクションを演出できる『ジグヘッドワーム』、そして飛距離が出てより沖のポイントを攻めることのできる『メタルジグ』の二極化となり、ほとんどのアングラーがこの2つのルアーで釣りを組み立てるようになっています」

ジグヘッドワーム
メタルジグ

――ヒラメ=ロングミノーなどの「プラグ」のイメージがありましたが、現代のヒラメゲームではよりハイプレッシャーを考慮した2つのルアーが主軸となるわけですね。

ミッチー高橋「そうなんです! そしてこれらのルアーをひと通り試して、アタリが出ないときでも釣果を導けるのが私が提唱する『サーフフィネス釣法』です。

サーフフィネスとは、ルアーそのものを繊細にして口を使わすライトリグ釣法(ルアーのフィネス化)と、巧妙な誘い方で口を使わすテクニカル釣法(誘い方のフィネス化)の2パターンで成り立っています」

https://plus.luremaga.jp/2018/02/25/59605/

ミッチー高橋「まずひとつが『ルアーのフィネス化』

ミッチー高橋「ヒラメはスレていたり食い渋っているときでも生きた小魚には反応することから、このような状況では、ルアーはリアルシルエットでアクションもナチュラルなものが適していると判断できます。また、ルアーサイズも見切られにくいという理由から小型の方(ダウンサイジング釣法)が有利となります」

――確かに! シルエットをよりナチュラルにすることで口を使うことが多くなるのは、バスやシーバスでもありますね。

ミッチー高橋「次に『誘い方のフィネス化』

ミッチー高橋「具体的にはストップ&ゴーもしくはリフト&フォールの合間に『ポーズ』を入れる誘い方のことで、たったこれだけでヒット率は大幅に向上します。

活性が高い状況ではベイトを追いかけて捕食するため、アピールの強いルアーのタダ巻きで広範囲を効率良く攻めるのが効果的ですが、スレてきたり活性が下がりだすと追いかける距離が減り始める為、『ストップ&ゴー』『リフト&フォール』など、ルアーの横方向への移動を止めるタイミングを入れることで『ルアーに追いつく時間と捕食タイミングを与える』釣り方が有効となります。

さらに活性が下がると、目の前に現れた確実に捕食できるベイトにしか興味を示さなくなり、ストップ&ゴーやリフト&フォールで追いつく時間を与えても、捕食ゾーンから外れた逃げるベイトは追尾しなくなります。しかし、着底後のポーズを長めに取ることで確実に捕食できると判断させれば、ワンテンポ遅れて追尾を開始します。

例えばキャスト後、一度底まで沈めたのち、スローリトリーブでハンドル約5回転巻いたのちにストップしてフォールさせ、ボトム着底を確認したら、再びスローリトリーブを開始するといういわゆる『ストップ&ゴー』の合間に、ここぞと思ったところのボトムで1~2秒ポーズを入れてみる

ミッチー高橋「具体的には、ルアーがカケアガリの際に到達したタイミングや離岸流の中に入ったタイミングなど、いかにも『ヒラメが居るならここだろう』という場所で止めるのがコツ。

アタリは、ポーズ中、もしくポーズ後の巻き始めにゴンッと明確にバイトが出ます。また、フォール中にコンッと前アタリがあった時は、そのままボトムでシェイキングしてみるとゴンッと追い食いするパターンも多いです」

――バス釣りやエギングだけでなく、ヒラメにもボトムステイやシェイクも有効なんですね!

ミッチー高橋「ストップ&ゴーのパターンでアタリが出ないときは、ヒラメがリトリーブスピードに追いつけない程活性が低いと判断し、1アクション毎の移動距離が少なく、追いの悪いヒラメがルアーを発見して近寄ってくる間合いがより稼げる『リフト&フォールの合間にポーズを入れる』パターンが有効となります。

ポーズの入れ方は、リフト&フォールの度に毎回ポーズを入れるのではなく、リフト&フォールの繰り返し2~3回を1セットとし、この間に2~3秒のポーズを入れる感じで良い。イメージは『トン、トン、ポーズ』の繰り返しで、トントンでルアーを発見した魚がポーズ中にルアーの側まで近づき、ポーズ後のリフトでバイトしてくるイメージです」

――通常のリフト&フォールでもひと工夫加えることで、アプローチの幅が広がるんですね!これなら実践しやすそうです。

タフなサーフゲームを制す!「サーフフィネス釣法」にさらなる「一手」が登場!

ミッチー高橋「ヒラメゲームは特にワームのサイズを落とすダウンサイジング釣法が開拓されたことで、今では食い渋り時においても釣果を得られるようになりました。

例えば一般的な4inサイズでヒットが得られない状況でも、3inサイズにサイズダウンするとヒットしてくることが多く、食い渋り対応のサーフフィネス釣法ではワームサイズのローテーションは欠かせません。

しかし、小型ジグヘッドワームは確かに良く釣れるのですが軽量のため飛距離が出ず、強い流れでは浮き上がってしまいボトム周辺をトレースし辛いのが欠点なのと、沖のポイントや強い流れのボトム周辺に居る魚は、飛距離を出せず攻略できないのが現状でありました」

――確かに近距離でのアプローチであればジグヘッドワームは有効ですが、飛距離が必要なポイントや波が高い場合では操作もしにくくなりますね。

ミッチー高橋「ですよね、でもそんな状況を打破するサーフフィネス釣法の新兵器こそが昨年リリースされた『鮃狂(フラットジャンキー)ロデム 3TG』なんです。

飛距離とレンジキープ力の欠点をクリアしたタングステン製の小型ジグヘッドワームで、サーフフィネスの新たな『一手』となります!」

鮃狂(フラットジャンキー)ロデム 3TG【DAIWA】

ミッチー高橋「昨年末、そして先日の4月中旬と関東屈指のサーフメジャーポイントである千葉県南房総の平砂浦サーフでこのロデム3TGを使ったサーフフィネス釣法で好釣果を得られました!」

ミッチー高橋「現在春のヒラメシーズン真っ只中でありますが、風や雨などによる影響も大きく受けます。そんな時期にうってつけなロデム3TGの詳細は次回、実釣体験を踏まえて有効性などを解説させていただきます!」

――ミッチーさん、サーフゲームの最盛期でもあるので、なるべく早くお願いしますww

ミッチーさんの「サーフフィネス釣法」を知りたければこちらの動画もチェック!