ヒラメが10倍釣れるポイント探し!? 8つの地形に注目する高橋慶朗さんのケーススタディまとめ!



とかく「離岸流」ばかりに注目されがちな現代ヒラメ攻略法。そこに「待った!」を掛けるのが、ヒラメ釣りに造詣が深い賢者・高橋慶朗さんだ。どんな場所のどこにヒラメはいるのか。これまでルアマガプラスではヒラメを狙える地形や障害物について、8つの例を取ってケーススタディ。すべての答えが今、明らかになる――?

解説は「初代ヒラメ王」高橋慶朗さん!

【Profile】

高橋慶朗(たかはし・みちあき)

愛称はミッチー。ヒラメを始めとしたフラットフィッシュから、シーバス、ロックフィッシュなどあらゆるソルト魚種に精通するスーパーエキスパート。固定観念に捕らわれず、常に進化を求めるアグレッシブなスタイルに定評がある。グローブライド(DAIWA)勤務。

ヒラメ釣りはすべてベイト(小魚)ありき!

水温なんて関係ない!? 「付き場=変化」が最重要!

高橋「固定観念って、百害あって一利なしなんですよ」

ルアーマガジン・ソルト本誌主催のバトルを制した初代ヒラメ王にして、あらゆるカテゴリーの釣りに精通する高橋慶朗さんは当企画のインタビューの際、こう切り出した。

高橋「今(※取材時は2月下旬)、水温は年間最低に近い4度でガン流れの河口。夜釣りのワームでザブトン級のヒラメが釣れてるんですよ。水温が下がったからヒラメは釣れない、なんて言い訳はもうできなくなっちゃいましたね」

ヒット時は下げ潮のタイミング。上げであればまだ温かい10度近い海水が河口を押し上げるが、下げでは冷えた淡水が水温を限界まで冷たくする。

しかし、それでもヒラメは流れの中、冷えた水層まで突き上げて果敢にバイトしてきたことが推測される。なぜなのか。

高橋「おそらくすべてはベイトに、すべては捕食本能に支配されているということなんだと思います。もはや水温なんて関係ない。エサありき。どこにエサがいるのかが大切。だから、ヒラメのエサを集める地形の変化が重要になってくるんです。何らかの変化があれば信じて投げる。そこが最も大切です」

高橋さんのヒラメ釣りの流儀とは、いかなるポイントでもとにかく「変化」を見つけること。

日本各地で見かけられるさまざまなポイントを8つのケースに分類し、高橋さんに各場所の攻略法と思考法を語ってもらった。



ヒラメを釣るための8つのポイント&思考法

CASE:1 ヒラメ釣りの大基本!?【遠浅サーフ】

太平洋に多く見られる遠浅のサーフは水深と流れの強さのバランスが良く、いわゆる「離岸流」「ヨコヨブ」が発生しやすい地形になっている。

こうした流れの変化にベイトが溜まり、それを狙うヒラメも着きやすい。ヒラメ釣りを組み立てる上で基本となるポイントだ。

https://plus.luremaga.jp/2018/06/01/57649/

CASE:2 流れの弱いサーフをどう攻める?【日本海型サーフ】

一方、日本海側は太平洋と比べて潮の満ち引きが穏やかな傾向にある。だから、前述の「離岸流」などの流れの変化が起きにくいのだ。

そんなときに高橋さんが狙うのは「潮目」ないし「流れ込み」といった変化。闇雲なラン&ガンを続けるより効率的にヒラメを拾っていくことができる。

この考え方は日本海に限らず、釣行日が小潮であったり、そのほか何らかの理由で離岸流を見つけられないときにも有効だ。

https://plus.luremaga.jp/2021/01/17/82675/

CASE:3 ラン&ガンで探り切れ!【湾状・小規模サーフ】

岬に抱えられた湾内も同じく流れは緩やかで、潮の変化を見つけるのは難しい。規模によっては足で探り切ってしまうのもアリだが、重点的に攻めるべきなのは湾の入口と出口。そこには必ず水の出入りがあるからだ。

湾内に岩礁帯や消波ブロックなどがあればもちろん狙い目になる。他に変化が少ない分、ヒラメが着きやすい…? と考えたい。こちらでも流れ込みは有効だ。

CASE:4 釣る近道はボトムの変化を知ること!【砂利型サーフ】

流れの強い「砂利型ドン深サーフ」はショアジギングで青物などを狙うのにポピュラーなポイント。しかし、海面の離岸流をかき消してしまうほどの強い流れが常に存在しているため、目測で潮の変化を捉えるのは実は難しいのだという。

「最大の難所」と語るこうしたポイントは、波打ち際の凹凸を参考にしたり、ルアーでボトムをトレースすることにより、海底の地形を把握しつつ組み立てていくのが高橋さんのやり方だ。

CASE:5 人工物はその構造を知るべし!【ヘッドランド】

ヘッドランドとは砂浜の浸食を抑えるために作られた人工岬のこと。潮の流れを変えるため、周辺には豊富な地形変化を抱えることになる。釣行先にあるなら間違いなく狙っておきたいポイントのひとつだ。

ただし、流れに当たる箇所は基礎がむき出しになっているためラインを擦りやすく、最悪根がかりもあり得ることは気をつけておこう。タイトに通しすぎるのもほどほどに。

CASE:6 切れ目が釣果の決め手となる【消波ブロック帯】

海岸線と平行に沖に並んだ消波ブロック帯も、前述のヘッドランドと同様に潮の流れを変える効果がある。特に切れ目やその周辺は流心と淀みが明確に分かれやすく、探りやすい変化だと言える。

地域によってまちまちだが、ブロック帯まで距離があることも多い。ポイントまでルアーを届けるためにぶっ飛び系の遠投モデルは特に有効だ。ひとつ手元に持っておきたい。

CASE:7 高橋さんの自己ベストポイント!【岩礁サーフ】

高橋さんが自己記録のヒラメを揚げたのがこの「岩礁サーフ」。岩場や磯場の混じったサーフ帯だ。岩場の中の砂地や、逆に砂地の中の岩場など変化は豊富で、しかも回遊中のベイトが差してくる「ゴールデンタイム」も期待できる。

とはいえ岩場は岩場。ヒラメが底生の魚であるからといって意識しすぎず、竿は立て気味にして食いを期待するのが安牌とのことだ。

CASE:8 基本はシーバスと一緒!?【大河川河口部】

地域によっては1km近く遡上することもあるというが、手堅いのは河口周辺。アップクロスにルアーを投げてカケアガリをトレースするようにドリフト。これはシーバスゲームに通じるメソッドだ。

外海が荒れている場合にはベイトの逃げ込む場所にもなる。時化のサーフよりは釣りも成立しやすく、特に狙い目だと言えるだろう。

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  • 発売日:2023年3月21日
  • 定価:1,500円(税込)