これが天国と地獄!? 究極の「ツンデレバチコン」の迷宮にハマる大木
今回のインプレは釣果を考慮して午前午後両方釣りをする「1日便」での釣行、午後からはプライベートでちゃっかり釣りをしていたルアマガ編集部のフクシゲも一緒に釣りをすることに！
フクシゲ「午前船は舳側で釣りしてましたが、釣果はあんまりでした…。午後は自分も月下美人MXを借りて釣りをするッス！」
フクシゲ「バチコンはずっとチャレンジしたかったので丁度いい機会だと思って便乗したッス」
こちらは一応仕事なんですが…。
橋詰「フクシゲさんにもバチコンの楽しさを体感してもらいましょう！」
フクシゲには今回DAIWAさんからお借りしたもう1本の「66UL-S・N」を使用することに。
午後便はエリアを大きく変えてのスタート。が、午前に引き続き状況は芳しくありません。
橋詰「沖上がり前のマズメがチャンスですかね…。連日午後便は釣果が上がっているので期待は持てそうです」
と話していると、またもや大木にバイト。幸先良く1尾目をキャッチ！
更に立て続けに2尾目もキャッチし、完全に時合を掴んだかに見えたが、その後船中は沈黙。餌釣りのお客さんにもバイトが訪れない状況が続きましたが、移動したポイントで一気にアタリが出はじめました。
そして橋詰さんにもバイト！
橋詰「いい感じに潮が動き始めて、群れも入ってきてます！ 反応がスゴイですよ！ 二人もはやく釣って！」
続けざまにフクシゲがヒット！
フクシゲ「MXすごいです！めっちゃバイトが分かるッス！」
橋詰達人、フクシゲがヒットを重ねる。が…大木にはヒットがない。
フクシゲ「あれ、大木さんどうしたんですか、めっちゃ魚はいますよ」
焦る大木、だが、ワームを変えど、アクションを変えど、バイトが…ない。いや正確に言えばバイトが取れていないのです。
橋詰「大木さん、ゼロテン糸張りすぎですよ。もっとこう…あ、ヒット！」
二人はチャンスタイムをものにし、瞬く間に魚を釣り上げていきますが、大木にはバイトを感じられず。途中橋詰達人にゼロテンの指導を受けるも成果はなく、挙句の果てには二人に挟まれながらダブルヒットも見せられてしまいます。
まさにバチコンアジングの「天国と地獄」のような時間が続きそのまま試合終了。餌釣りのお客さんもバチコンアジングの同船者もヒットを重ねている中、まさかの渋い午前船よりも釣果を落とすという結果に終わりました。
橋詰「なんとか30はいったかな、フクシゲさんは？」
フクシゲ「17ッス！めっちゃ楽しかった～。大木さんは…」
大木「アンタ見てたでしょーが（泣）」
橋詰「大木さん、ドンマイです。こんなことがあるのもバチコンです。僕は嫌いになってもバチコンは嫌いにならないでください（苦笑）」
大木「（どっかで聞いたことがあるようなセリフ…）。ハイ…またリベンジにきます、とほほ（泣）」
釣果を伸ばしたければ自分に「マッチ」したモデルを見極めるべし！
完全にバチコンアジングの究極の「ツンデレ」を体験してしまった大木。その衝撃はここ数年の釣り人生でも最も大きく、自分の不甲斐なさに落ち込むばかりでした。
フクシゲ「しょうがないから大木さんの代わりにこのロッドのインプレ語りますよ」
大木「よろしく…頼む…（泣）」
フクシゲ「今回自分は月下美人MXシリーズを2本（64L-S、66UL-S）を使用しました」
フクシゲ「前談から言うと、午前便は自分がいいなと思う流用ロッドでやってて、渋いなりに2本釣れたんです。午後になって月下美人MXを初めて触ったとき、個人的には長めのアジングロッドという第一印象で、このロッドに15号のシンカーを付けて大丈夫なのかなと思いました。
ところがどっこい、いざ海中にリグを沈め着底をさせ、ゼロテン、シェイクをさせたときに、このロッドの長さ、このロッドの曲がり具合、ティップのカラー、繊細さといい、東京湾バチコンアジングにすごくマッチしているのだと、バチコンの一連の動作をしてすぐに分かりました」
フクシゲ「普段アジングで使用しているジグ単用の先調子のロッドだと、引きが強いとバレる怖さがあるんですが、このロッドは魚を掛けてからも胴まで曲がる感じで、適度なレギュラーテーパーがしっかりとダンピングしてくれて魚が上がってくる感じでした。基本的にフッキングが決まれば早々バレないと思います」
大木「確かに。自分もファイト中は一度もバレなかったかも」
フクシゲ「ベリーからバットまでの曲がりが凄く絶妙なんですよ、15号のシンカーがぶら下がった曲がり+掛かった魚の暴れを吸収するという、シンカーありきの曲がりこそがバチコンロッドの妙なんでしょうね」
大木「このロッドの設計ってかなり難しいよね、シンカーを背負えるパワーも必要だし、アジのアタリを感知して掛けていく繊細さも必要だから」
フクシゲ「既存のロッドを改良して作っていくというよりかは、ゼロベースで作らないといけないロッドですよね。アジを掛けていく中で繊細なアタリが見えるんですけど、個人的に66UL-Sは胴まで結構入るロッドだなという印象です」
大木「フクシゲ的には66UL-Sよりかは64L-Sの方が好みだった？」
フクシゲ「そうですね、途中で仕掛けが切れたタイミングで橋詰さんから64L-Sを借りたんですが、66UL-Sとの使用感は変わらず、ゼロテンができて、繊細なアタリも感じられました。ただし、掛けてからのロッドの曲がりが全然違いました」
フクシゲ「66UL-Sだとバットの根本まで曲がる感覚でしたが、64L-Sはベリー部よりちょっと手前で曲がる感覚でしたね。アタリを目で感知してから最速でフッキングパワーが決まった感じでした。曲がるところのピークのパワーが違う感じというか」
大木「確かにロッド変えてからの方が凄い楽しそうだったよね、目に焼き付いてるよ（笑）」
フクシゲ「ただ、よりゼロテンが苦手な人や海況が悪いところだったり、もっとバイトを乗せて釣りをしたい人は66UL-Sの方が向いてると思いました」
大木「じゃあ自分は66UL-Sの方が良かったってことか…」
フクシゲ「絶対そうですね！ 自分はカワハギ釣りが大好きで、硬いロッドでのゼロテンにも慣れてるので64L-Sでも問題なかったんですが、慣れてなければ66UL-Sの調子のほうが船の揺れにも追従しやすくて自然にゼロテンの状態がつくりやすいでしょうね」
大木「船釣りに慣れていない、バチコンへの練度が低いと感じるなら66UL-S。逆にカワハギやLT系の餌釣り、ティップラン、イカメタルなどの釣りを経験している人は64L-Sの方が楽しめるってことか」
フクシゲ「あとは同じ技量を持った時に掛ける釣りが好きなのか、乗せる釣りが好きなのかにもよりますよね。個々のスタイルで選ぶのが良いと思います。ということでいつリベンジ行きます？笑」
リベンジ決行！ 大木にマッチしてたのは「66UL-S」でした。
あの衝撃の釣行から2週間後、大木とフクシゲは再びバチコンリベンジへと向かいました。
フクシゲのアドバイス通り、今回大木は66UL-Sを使いチャレンジ。
前回出来てなかったゼロテンを意識し、糸を張りすぎないようにラインコントロールをしながら、丁寧にステイ、シェイクなどを実践。前回の午後船より多い6尾での釣果で終えることができました。
フクシゲ「大木さん66UL-Sの調子はどうでした？」
大木「フクシゲの言う通り、66UL-Sの方がゼロテンはやりやすかったかも。正直バチコンだけじゃなくて、他のジャンルのルアーロッドも張りが強くて、硬めのモデルが好きなんだけど、今日改めて、曲がるロッドの方が自分には合うのかもって思えた」
フクシゲ「でしょ（笑）。意識していたのもあると思うんですけど、ゼロテンは前よりも上手くできてたと思いますよ」
大木「でも誘うバリエーションが少ないのと、もっと潮の流れだったり、船のポジションも意識しないと数は伸ばせないよね。だって今日のバチコンアジングのトップのお客さん、30尾ちかく釣ってるんだもん（苦笑）」
フクシゲ「それは経験値もありますから。回数重ねて、誘い方も勉強していくしかないッスね。また行きましょう！」
DAIWAさんと橋詰さんへリクエスト！
今回月下美人MX アジングボートを使って、東京湾バチコンアジングの酸いも甘いも経験しましたが、個人的に数を釣っていく釣りが苦手なので、このバチコンアジングをきっかけに克服していきたいなと思いました。
また、インプレに望むにあたり、橋詰さんと実釣する前もリベンジ前も、バチコンの動画を（主に橋詰さんと渡邉さんの動画）見たのですが、基本的なゼロテン（ゼロテンション）の釣りや誘い方のバリエーションの解説の実釣動画が少なかったので、映像では分かりにくいかもしれませんが、是非とも作成して欲しいなと思いました。
ゼロテンはバチコンアジングの基本となりますが、オフショアに慣れてない人は少しわかりにくいかもしれません。DAIWAさん、橋詰さん、何卒お願い致します!!
とりあえず、まだ悔しさは晴らしきれていないので、早いうちリベンジに行きたいと思います！ 今回のインプレでしっかりバチコンアジングの沼にハマった大木でした（フクシゲも）。
