相模湾に面する湘南エリアは、いわずと知れたフラットフィッシュの名所。しかしながら、都市部からのアクセスも抜群なため、人為的プレッシャーも非常に高いフィールドとして知られている。そんな激戦区でコンスタントに釣果を重ねているのが、DAIWAフィールドスタッフの池田雄一郎さんだ。地形の読み方からおすすめタックルまで「湘南サーフの必釣メソッド」を根掘り葉掘り聞いてみた。
●文:ルアマガプラス編集部
湘南サーフの特徴
――湘南エリアはどんなフィールドの特徴がありますか?
池田「基本的にはそれほど水深はなく、ルアーが届く範囲は比較的シャローなエリアが多いです」
実釣中の解説でも、ジグヘッド+ワーム『ロデム4の21g』を使用して、3〜4カウントでボトムに着底していた。
池田「着底したら巻いて止める、巻いて止める。基本的にはこの繰り返しだけでOKです。フラットフィッシュはそこにいれば話は早いですし、いなければ攻め方を変えて探っていけばいい。とにかく、このエリアの釣りは難しいこそシンプルに考えるべきだと僕は思います!」
フラットフィッシュが好む場所とは?
一見変化のない場所のように思えても、実は「狙うべきポイント」がいくつか存在する。最も重要と思われる3項目について、池田さんは語ってくれた。
1 小石が堆積している場所
池田「波が左右にぶつかり合って、他の場所より左右が深く掘れていて変化があります。こうしたポイントは流れも強く、沖の方まで変化が続いているので、フラットフィッシュが着きやすい場所になります」
2 潮目
池田「ベイトが集まりやすい場所の代表格でもありますが、ここに溜まった小魚を求めてフィッシュイーターが集まってきます。取材時もそうでしたが、鳥山が発生したりすると周辺でボイルが多発します。フラットフィッシュも同様で、この潮目が海岸線に近ければ近いほど可能性が高くなりますね」
3 石積みや防波堤などの周辺
池田「いわゆる障害物ですね。こうした場所の周辺は流れや地形に変化がありますから、潮目と同様に小魚が寄りやすい。よって、フラットフィッシュも寄りやすい場所となります。とにかく、変化を見つけることがサーフの釣りでは重要になってきますね!」
ルアーチョイスと攻め方
池田さんの基本的な攻略法が「沖」と「手前」を効率的に探っていくという手法だ。
池田「朝マヅメのタイミングでは居着きのフラットフィッシュが手前に残っていることを想定して、手前をジグヘッドワームなどで狙います。手前が探り終わったら、今度は沖をメタルジグなど遠投できるルアーで探っていく。ベイトが見えればすぐさま沖から攻めることもありますが、基本的には入ったポイントを『手前』と『沖』で分けて考えるだけなので、非常にシンプルだと思います」
池田「あとは、同じメタルジグでも比重の高いタングステンの方が飛距離は出ますが、鉛の方がフォールスピードがゆっくりだったりします。その時々の魚の反応を見極めながら使い分けるようにしています」
以下は、池田さんが普段メインで使用しているルアーの一部。沖と手前を意識した戦略的なルアーチョイスだ。
遠投系メタルジグ【沖狙い】
池田「飛距離が重要になってくるので、基本的にタングステン素材の『ヒラメタルZ TG』を使う頻度が多いですが、鉛素材の『ヒラメタルZ』の方がフォールスピードが遅いので、そのスピードの方が喰わせやすい時もあります。魚の喰い気を意識しながら使い分けることも多いです」
池田「また、『ヒラメタルZ』も『ヒラメタルZ TG』も夏場に湘南周辺のメインベイトとなるイワシのサイズに近いため、マッチ・ザ・ベイトも強く意識されたルアーでもあります」
フラットジャンキー ヒラメタルZ
品名 | サイズ(g) | サイズ(mm) | フック仕様 | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|
32 | 32 | 62 | 前:ST-46 #8、後:ST-46 #6/リング #3 | 1,000 |
40 | 40 | 68 | 前:ST-46#6トレブル、後:ST-46#6トレブル | 1,150 |
フラットジャンキー ヒラメタルZ TG
品名 | サイズ (g) | サイズ (mm) | フック仕様 | 色数 | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|
TG30 | 30 | 55 | 前ST-46#10トレブル、後ST-46#8トレブル | 10 | 1,500 |
TG40 | 40 | 58 | 前:ST-46#8トレブル、後:ST-46#6トレブル | 12 | 1,700 |
手前を狙うための喰わせ系ジグヘッドワーム
池田「ワームは喰わせを意識したチョイスです。基本的に手前の居着き個体を狙う際には、ジグヘッド+ワームの組み合わせ。タングステン素材を採用した『ロデム3 TG』があるので、遠投用ルアーとしても使いますが、こちらもフォールスピードの違いで鉛素材のオリジナル『ロデム3&4』と使い分けることも多々あります」
鮃狂(フラットジャンキー) ロデム3
サイズ(inch) | 色数 | フック仕様 | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|
3[14g/18g] | 14 | #10 トレブル | 980 |
鮃狂(フラットジャンキー) ロデム4
サイズ(g) | サイズ(inch) | 色数 | フック仕様 | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|
18 | 4 | 17 | #6 トレブル | 980 |
21 | 4 | 17 | #6 トレブル | 980 |
28 | 4 | 17 | #6 トレブル | 980 |
鮃狂(フラットジャンキー) ロデム3TG
品名 | サイズ (g) | サイズ (inch) | 色数 | フック仕様 | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|
3TG | 30 | 3 | 10 | #10トレブル | 1,600 |
池田雄一郎さんの愛用ロッドが湘南サーフの釣りにベストマッチ!
サーフのフラットフィッシュ攻略において、ロッドは非常に重要な役割を担う。池田さんが愛用するのは、ハイエンドモデルでありながら幅広い釣りに対応した『オーバーゼアAGS1010M/MH(DAIWA)』。
池田「遠投するためのロッドの長さも重要ですが、それだけでなく、時に青物の大物や、エイが掛かったりするので、バットの反発力と強さは必要不可欠。かといって全体的に硬いだけではダメで、アタリをとったり流れの質を見極める必要もありますから、ティップセクションに関しては繊細さも求められます。それをすべて実現しているのが、オーバーゼアAGSの1010M/MHなんです」
また、シリーズを通してすべて4ピースに設定されている。一番長い1010M/MHでも仕舞寸法は89センチとかなりコンパクトになるため、収納にも持ち運びにも非常に便利!
池田「このロッドの表記にもあるようにティップがMクラスのアクション、バットがMHクラスのアクションとなっています。60gまでの重たいルアーはもちろん、10g〜の軽量のワームの扱いも非常にスムーズなんです。4ピースとは思えないスムーズなベンドカーブにも注目してもらいたいですね!」
品名 | 標準全長(m) | 継数 (本) | 仕舞 (cm) | 標準自重 (g) | 先径 (mm) | 元径 (mm) | ルアー重量(g) | 適合ナイロンライン (lb) | 適合PEライン (号) | カーボン含有率 (%) | メーカー希望本体 価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
97M | 2.92 | 4 | 79 | 172 | 1.8 | 12.9 | プラグ:10-45 ジグ:10-50 | 8-16 | 0.8-2.0 | 99 | 66,000 | |
103M | 3.12 | 4 | 84 | 177 | 2.0 | 14.4 | プラグ:10-45 ジグ:10-50 | 8-16 | 0.8-2.0 | 99 | 67,000 | |
109ML/M | 3.28 | 4 | 88 | 179 | 1.6 | 13.9 | プラグ:7-45 ジグ:7-50 | 8-16 | 0.8-2.0 | 99 | 67,000 | |
911M/MH | 3.02 | 4 | 82 | 177 | 2.0 | 14.9 | プラグ:10-60 ジグ:10-65 | 8-20 | 1.0-2.5 | 99 | 67,000 | |
1010M/MH | 3.30 | 4 | 89 | 189 | 2.1 | 15.4 | プラグ:10-60 ジグ:10-65 | 8-20 | 1.0-2.5 | 99 | 68,000 |
使用タックル
実釣中には「55cmの極太マゴチ」もキャッチ! その模様は動画でも公開中!
取材初日は濁りも強く入っていたせいか、釣果に恵まれなかったが、リベンジと称して訪れた2日目。タングステン素材のジグヘッド+ワーム『フラットジャンキー ロデム3TG』にて見事55cmのマゴチをキャッチした!
池田「その幅広のボディに、釣り上げた瞬間思わず60アップか!? と思ってしまいましたが、ボディの長さ異常に幅が印象的な個体でした。いやー。初日はどうなることかと思いましたが、リベンジには成功しました! みなさん、これが湘南サーフのフラットフィッシュです!」
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