極めて繊細な魚のアタリ、そしてテクニックの違いで釣果に差がつくエリアトラウト。では難しいのかといえばさにあらず。どんなロッドを最初に買えば良いのか? その問いにズバっと回答してくれたのは、ヴァルケインの菊地さん。注目の新作ブレイクスルーゼロヴァージをもとに、どういう用途で選んでいけばいいのか実釣を交えて詳しく解説してくれた。様々な戦術の組み立てに向いたロッドを紹介していこう。
●文:ルアーマガジン・マス王編集部
エリアトラウトを知り尽くすエキスパートアングラー
菊地栄一(きくち・えいいち)
ヴァルケイン代表にしてルアー&ロッドのクリエイター。
数多くのこだわりアイテムを世に送り続け、多くのエリアアングラーから支持を受けるレジェンド。
マイクロスプーンからクランクまで扱える!
菊地「その人次第ではありますが、まずはマイクロサイズからヘビーウエイトまで使えるようなロッド。ブレイクスルーゼロヴァージでいえば61L。汎用性は高くベースになるモデルですが、マイクロスプーンやクランクベイトといった巻きに特化している。そんな味付けのロッドが良いと思います」
――巻きに特化しているほうが良いんですか?
菊地「まずは巻く釣りを覚えてほしいですね。それからミノーやボトム、トップウォーターといった細かく動かす操作系のロッドへと進んでいくと良いと思います」
――徐々に覚えていく感じですね。
菊地「あと、まずはある程度伸びのあるナイロンラインで慣れてほしい。それに合ったスロー気味のテーパーデザインになっていますので、誰にでもしっくりくる扱いやすさがあると思います。これを基準にして、より小さいバイトを獲りたいならフロロカーボン、PE、エステル…とステップアップしてみてください」
――まずは、マイクロスプーンやクランクベイトといった〝巻き〟のルアーを覚える。さらにナイロンラインが扱いやすい。そういった自分の基準となる、この1本からはじめてみよう!
ブレイクスルーゼロヴァージ 61-L【ヴァルケイン】
しなやかティップで様々なルアーに対応したオールラウンダー
しなやかなティップでよく曲がってくれるベーシックなモデル。マイクロスプーンからクランクベイトをメインに、ルアーの対応幅も広い。
長さも様々なエリアに合う6ft1in設定。まさに基準となる1本だ。
菊地「様々なエリアフィールドで扱いやすい長さとテーパー&パワーになっています」
エリアフィールドといっても全国でみれば様々。水深が深い場所もあれば浅いところもあるし、広さもまったく変わってくる
菊地「ブレイクスルーゼロヴァージの中でも、1番基準値といえるモデルがこの61Lです」
ロッド | 全長 | 価格(税込) |
---|---|---|
ブレイクスルーゼロヴァージ 61-L | 6ft1in | 18,700円 |
61-Lのテーパーの特性
無理なく曲るライトなテーパー
ティップからベリーまですんなり曲がってくれるライト気味のテーパー。マイクロルアーからクランクまで多くのルアーを扱え、はじめてエリアトラウトをする人でもしっくりくる。
巻く釣りに慣れるためのロッドです
菊地「最初に試してほしいのが、クランクやスプーンで巻いてくる釣りです。これに慣れてから、ボトム系ルアーといった細かいロッド操作が必要な釣りへ展開してみてください」
使用ルアー:クーガ【ヴァルケイン】
巻いて活きるロッドに最適なシャロークランク
ビギナーが最初にキャストするルアーとして、どんなエリアでも扱いやすいシャロークランクがおすすめ。低速でもトラウトをしっかり誘ってくれるクーガで、まずは巻いて釣っていこう!
『エリアトラウト タックルガイド』発売情報
エントリーモデルからエキスパートカスタムまで、最前線のタックルをまるごと深堀り!!
驚異的なスピードで進化し続ける、エリアトラウト専用タックル。極限の世界でエキスパートを支えるのは、やはり「道具」だった!
超人気ブランドのロッド、ライン、フック、ギア……リールを、ルアーマガジンならではの深掘りで、AAA級アイテムたちの真価をまるごと紹介!
各パートごとには注目度の高いモデルをカタログ的に掲載する、取材記事とカタログスペースの2段構えで、エリア用タックルの全貌をお届けします。
●発売日:2022年4月18日
●定価:1,980円(税込)
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
関連する記事
昨今のエリアトラウトはタックルの軽量化が進み、それに伴い極限まで軽いカスタムハンドルが重要視されています。しかし、軽さだけがカスタムハンドルのメリットなのでしょうか? その疑問について、自身もエキスパ[…]
攻めの方法やロッド、リールの進化に伴い、エリアで使われるラインも多様化! 各社それぞれ個性があり、自分の釣りスタイルにピッタリのものを探しやすくなった。さらなる釣果を求めるなら、ラインのセレクトが最も[…]
『スーパーエステル』の登場によって、エステルラインが市民権を得てエリアゲームの進化は加速した。そして『ES2』の登場によって、エステルラインのメソッドの多様化が加速した。エリアゲームの転換期を覗くと、[…]
エリアトラウトの繊細な戦略によって、プレッシャーを受けた高活性を巧みに探し出すキャンタスタイル。キャンタ独自の緻密に組み上げられたメソッドも、すべてはナイロンラインからスタートしている。キャンタの全戦[…]
例えば「伸びやすい」「伸びにくい」「浮きやすい」「浮きにくい」などのライン独自が持つ特性も、アングラー側の戦略ひとつでメリットにもなり得るし、デメリットにもなり得る。考え方(戦略)ひとつでメリットとデ[…]