【ヒラメ攻略を見える化】するミッチー高橋の「サーフフィネス釣法」&「新御三家ルアー」を徹底解説!【ミッチー高橋のサーフタクティクスEpisode.3後編】

ヒラメやマゴチなどを狙うサーフゲームのエキスパートとして、全国各地のサーフを渡り歩きルアーやタックル、さらには釣法を開発、開拓しつづけるDAIWAのミッチー高橋さん。今回はミッチーさんが提唱し、今や全国各地に浸透している「サーフフィネス釣法」さらにはそれを支える3本柱となるルアーを徹底解説! サーフゲーム攻略に悩んでいる方は必見です!

●写真/文:高橋慶朗

2024 新製品情報

語っていただくのは全国各地のサーフを渡り歩く初代ヒラメ王・ミッチーさん!

高橋慶朗(たかはし・みちあき)
ヒラメを始めとしたフラットフィッシュから、シーバス、青物、ロックフィッシュなどあらゆるソルトルアー魚種に精通するスーパーエキスパート。固定観念に捕らわれず、常に進化を求めるアグレッシブなスタイルに定評がある。またシーバスやオオニベにおいてはレコードホルダーとしての顔を持つ(シーバスJGFA・IGFA20lbラインクラス日本&世界記録【107cm9.5kg】、オオニベJGFA20lbラインクラス日本記録【150cm26.4kg】)。グローブライド(DAIWA)勤務。愛称はミッチー。 [写真タップで拡大]

前回までのお話はこちら

サーフフィネス釣法の柱となる「3種のルアー」と「アプローチ方法&基本ローテーション」

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最初にサーフフィネス釣法をおさらいするにあたり覚えておいて頂きたいのが、ヒラメ・マゴチは、朝マズメなどの活性が高い状況では『ベイトを発見するとすぐさま追いかけて捕食する』ということ。

ヒラメ [写真タップで拡大]

マゴチ [写真タップで拡大]

したがって『アピールの強いルアー&速めのタダ巻きで広範囲を効率良く攻める』のが効率的です。

しかし、ルアーが何度も視界に通過し、スレはじめると徐々に追いかける距離が減り始め、ストップ&ゴー、リフト&フォールなど、ルアーの動きを止めるタイミングを入れてターゲットがルアーに追いつく時間と捕食タイミングを与えないとヒットしてこなくなります。 

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更にスレが加速すると、目の前に現れた確実に捕食できるベイトにしか興味を示さなくなり、リトリーブ速度を落として追いつく時間を与えても、捕食ゾーンから外れた逃げるベイトは追尾しなくなるのです。 

ここで有効となるのがジグヘッドワーム、ジグ、ヘビーシンペンのローテーションによるサーフフィネス釣法での『ストップ&ゴー』もしくは『リフト&フォールの合間にポーズを入れる』パターンです。 

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ルアーローテーションの順番は、最初は手前を一番ナチュラルアクションで泳ぐワームで探り、次にワームでは届かない沖をジグのフラッシングで攻略、最後はヘビーシンペンで、ジグで攻めた沖のポイントをワームのように丁寧に探り直す流れです。 

基本的な誘い方はどのルアーも同じ。 

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まずは、キャスト後一度底まで沈めたのち、スローリトリーブでハンドル約5回転巻いたのちにポーズを入れてフォールさせ、ボトム着底を確認したら、再びスローリトリーブを開始する「リトリーブ&フォール」の合間に、ここぞと思ったところのボトムで1~2秒ポーズを入れるパターンで攻めてみます。

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ルアーがカケアガリの際に到達したタイミングや離岸流の中に入ったタイミングなど、いかにも魚が居そうな場所で止めるのがコツとなります。

アタリは、ポーズ中、もしくポーズ後の巻き始めにゴンッと明確に出る。また、フォール中にコンッと前アタリがあった時は、そのままボトムでシェイキングしてみるとゴンッと追い食いするパターンも多い。

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このパターンでアタリが出ないときは、ターゲットがリトリーブスピードに追いつけないほど活性が低いと判断し、上からゆっくりと落ちてくるベイトを演出でき、且つ1アクション毎の移動距離が少なく、追いの悪いフラットフィッシュがルアーを発見して近寄ってくる間合いが稼げる『リフト&フォール』の合間にポーズを入れるパターンが有効となります。 

なかでもヘビーシンペンは、ジグに近い飛距離が出てジグよりもゆっくりフォールさせることができ、更にジグよりもサイズが大きい分アピールが強いため、沖に潜む大型魚のヒット率が高くなります。

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大型魚は離岸流や河口部など強い流れの中に潜んでいることが多いので、キャスト後、ヘビーシンペンを流れに乗せるイメージでドリフトフォールさせながら底まで沈め、着底したらゆっくりハンドル5回転のスローリトリーブもしくは小さく2回程リフトさせ、再び流れに乗せながらドリフトフォールさせるパターンを繰り返しながらU字リトリーブさせるとヒット率が向上するので覚えておきましょう。 

このように、ワームとジグのローテーションにヘビーシンペンを加えたサーフフィネス釣法を用いることで、ヒット率を大幅に向上させることができます。 

ただし、これらの釣り方もメジャーとなってきており、人より多く釣りたいとなると更なる工夫が必要となるでしょう。 

そこで今回紹介するのが、遠浅サーフでも遠投が可能なタングステン製の小型ジグヘッドワーム「FJロデム3TG (DAIWA)」と、スローで引いてもしっかり泳ぐタングステン小型メタルジグ「FJヒラメタルZ TG 30(DAIWA)」、スローリトリーブでもしっかり泳ぐ超高比重ヘビーシンキングペンシル「オーバードライブ95S(DAIWA)」を駆使した、遠浅サーフに於けるサーフフィネス釣法での更なる優位性を得られる釣法です。

ミッチー高橋的! サーフフィネス「新御三家」ルアー

FJロデム3TG(DAIWA) [写真タップで拡大]

FJヒラメタルZ TG 30(DAIWA) [写真タップで拡大]

オーバードライブ95S(DAIWA) [写真タップで拡大]

サーフフィネス御三家ルアー・其の1:鮃狂(フラットジャンキー)ロデム3TG【DAIWA】

一般サイズのワームやジグによるサーフフィネス釣法を一通り試してもアタリが出ないときは、いよいよルアーのサイズを落とす『ダウンサイジング釣法』の出番となります。ジグヘッドワームの場合は3inの『ロデム3』で、見た目・アクションともリアルで且つヒラメ・マゴチでは一般的となった4inサイズより一回り小さいことから、サーフフィネスでは欠かせないルアーとなっている。 

鮃狂(フラットジャンキー)ロデム3【DAIWA】

【スペック】

  • タイプ:シンキング
  • 全長:3in
  • 自重:14g、18g
  • カラー:全14色
  • 価格:980円

しかし、ロデム3は良く釣れるが14gと18gの軽量ヘッドしか設定が無かったため飛距離が出ず、速い流れの中だと浮き上がってしまいボトムを探れないのが欠点で、このワームの届く距離より沖に居る魚や流れの強い深場の魚は、ダウンサイジング釣法では攻略できていませんでした。 

これらの欠点を劇的に改善したのが、3in小型タングステンジグヘッドワーム「ロデム3 TG 30g」です。 

鮃狂(フラットジャンキー) ロデム3TG(DAIWA)

【スペック】

  • タイプ:シンキング
  • 全長:3in
  • 自重:30g
  • カラー:全10色
  • 価格:1,500円

高比重なタングステン素材を使用することで、ロデム3TGは、ロデム3-18gとほぼ同寸のコンパクトボディで一般的なメタルジグと同等の30gまでのウエイトアップに成功。コンパクトボディによる空気抵抗低減との相乗効果で、メタルジグに近い飛距離を出すことが可能となり、更に水流抵抗も低減されたことで強い流れの中でもボトムを取りやすく浮き上がり難いので、流れの強い深場のボトム攻略も可能となりました。

4inのジグヘッドワームでは28g前後の重量は数多く存在するが、ボディが大きい分だけ空気抵抗、水流抵抗とも大きくなることから、コンパクトで同重量のメタルジグと比べると飛距離、ボトムの取りやすさの差は歴然。 

画像上がロデム4(28g)、画像下がロデム3TG(30g)。 [写真タップで拡大]

ワームのカラーは、朝マズメや、日中でもまだ誰もルアーを投げていない状況であれば、ヒラメはまだスレていないのでアピール系カラーが有利となります。例えば日の出前の薄暗い時間帯は自己発光して存在をアピールできるグローが強く、日が昇り始めてきたらやピンク、オレンジなどの明るいアピール系の方がヒット率は向上します。

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個人的には、太陽が顔を出す直前の時間帯は少ない光量でも目立つ蛍光オレンジを使用し、日が昇ったあとはピンク、日が高くなりアタリが無くなったらナチュラルな赤金に変えるローテーションがお気に入りです。逆に、朝でも入れ代わり立ち代わり攻められて明らかに魚がスレていると判っているときは、最初からナチュラル系カラーを使用した方がヒット率は向上します。

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ナチュラルなカラーでありながらキラキラしたフラッシングでアピールできるラメ系やメッキ系の赤金、緑金、イワシカラーをローテーションして攻めてみましょう。 

サーフフィネス御三家ルアー・其の2:鮃狂(フラットジャンキー)ヒラメタルZ TG 30g(DAIWA) 

フラットフィッシュ専用ジグである『ヒラメタルZ』はもともとコンパクトであることから飛距離がキモとなるので、鉛製のヒラメタルZ 32gと同じサイズで40gの重量があり、鉛製より圧倒的な飛距離が出るタングステン製のヒラメタルZ TG 40gで沖の竿抜けポイントを狙うのが、魚がスレている時におけるヒット率向上の常套手段となっていました。

鮃狂(フラットジャンキー)ヒラメタルZ

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【スペック】

  • 全長:62mm(32g)、68mm(40g)
  • 自重:32g、40g
  • カラー:全12色
  • 価格:1,000円、1,150円

 

しかし、小粒で重量が40gあるので水深の有る流れの速いポイントのボトム付近に於けるレンジキープ力は長けていたが、重い分だけフォールスピードも速く、リトリーブも速い速度で巻かないとアクションしないことから、繊細なスローアクションが苦手という欠点があった。 

飛距離とレンジキープ力はそのままにこの欠点を改善したのが、30gのタングステン製コンパクトメタルジグ「ヒラメタルZ TG 30」である。 

鮃狂(フラットジャンキー)ヒラメタルZ TG 30

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【スペック】

  • 全長:55mm
  • 自重:30g
  • カラー:10色
  • 価格:1,500円

鮃狂(フラットジャンキー)ヒラメタルZ TG 40

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【スペック】

  • 全長:58mm
  • 自重:40g
  • カラー:12色
  • 価格:1,700円

ヒラメタルZ TG30gは、ヒラメタルZ TG 40gより一回り小さいので、空気抵抗が大幅に低減されTG 40gに近い飛距離を出すことが可能で、水流抵抗も低減されたことで強い流れの中でもボトムを取りやすく浮き上がり難いので、流れの強い深場のボトム攻略も可能。

そして一番の利点は、ボディ重量を30gに抑えたことでスローフォールやスローリトリーブなどの繊細なスローアクションが可能になったことだろう。これによりボディが一回りコンパクトにも関わらず、食い渋りに威力を発揮する鉛製のヒラメタルZ 32gと同等の誘いが出来るようになったのです。 

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ちなみに、なぜタングステン製の30gが今まで製品化されなかったかと言うと、フラットフィッシュ用ジグは2フック仕様が主流で、ボディサイズを小さくするとフック絡みが多発することから実現が難しかったのですが、今回、フロントフック取り付け部の形状をオフセット化することでこの問題が解消し、製品化に至った次第です。 

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ジグのカラーも、朝マズメや、日中でもまだ誰もルアーを投げていない状況であれば、ヒラメはまだスレていないのでアピール系カラーが有利となります。日の出前の薄暗い時間帯や、水が濁っている状況で深場を攻めるときは自己発光して存在をアピールできるグローが強い。日が昇り始めて日光が底に届き始めるタイミングや、沖の竿抜けポイントを攻めるときはチャートやピンク、蛍光オレンジなどの派手なアピール系の方がヒット率は向上します。

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ジグはワームよりもリトリーブスピードが速くなるので、より派手なカラーの方が目立つというのがその理由。個人的には、太陽が顔を出す直前から完全に明るくなるまでの時間帯は少ない光量でも目立つチャート、蛍光ピンク、蛍光オレンジ系を使用しています。一通りキャストしてアタリが出なくなった後や、朝でも入れ代わり立ち代わり攻められて明らかに魚がスレていると判っているときは、最初からナチュラル且つキラキラとしたフラッシングでアピールできるホロ系やメッキ系の赤金、緑金、イワシカラーをローテーションして攻めればOKです。 

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サーフフィネス御三家ルアー・其の3:オーバードライブ95S/120S(DAIWA)

このヘビーシンペンは、ダイワヘビーシンペン最高値となる圧倒的な飛距離が出るにも関わらず、デッドスローリトリーブでもしっかり泳ぎ、水平ローリングフォール姿勢によりフォール中のアピールもしっかりできることから、今までのヘビーシンペンでは届かなかったより沖のエリアを、よりフィネスに攻略可能となった優れ物です! 

オーバードライブ95S/120S(DAIWA)

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【スペック】

  • タイプ:ヘビーシンキング
  • アクション:ワイドテールスイング
  • サイズ:95mm、120mm
  • 自重:35g(95S)、45g(120S)
  • 潜行レンジ:50cm~
  • カラー:全10色
  • 価格:1,700円(95S)、1,800円(120S)

後方重心スリム形状且つ95Sで35g、120Sで45gの高比重ボディにより飛距離が大幅に向上(95S:MAX107m、108S:MAX112m)したにも関わらず水平ローリングフォールで沈み、更に、通常は小粒で重くするとデッドスローリトリーブで泳がなくなりますが、ヘッドフィン搭載によりスローリトリーブでもワイドテールスイングアクションを実現しています。

アクション動画はこちら

春から夏にかけてのベイトサイズが小さめのシーズンでは95S、秋から冬にかけての大型ヒラメ狙いでは120Sがお薦めです。 

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カラーローテーションは、朝夕のマヅメ時や濁りの強いときはパールやチャート、ピンクなどのアピール系、日中はキラキラとしたフラッシングでアピールできるホロ系といった使い分けで良いでしょう。

 これらを一通り試してもヒットしない場合は、周辺で一番釣れそうな大きな離岸流など、ここぞという場所で粘ることがポイントです。

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有望なポイントは「粘る」ことが大事!

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フラットフィッシュ狙いでは、食い渋りのターゲットが居付いていそうなポイントを何度も繰り返しルアーをスローに引いていると、我慢できなくなり食いついてくるのか、イラついて食いついてくるのか、本物のベイトフィッシュが近くを通って一時的に活性が上がるのか、潮の流れの変化で活性が上がるのかはまだ判らないが、とにかく粘っていると高確率でヒットしてくるのです。 

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フラットフィッシュが居るか居ないかの判断は簡単で、朝マズメにターゲットが釣れていた場所であれば、そのポイントにはまだターゲットが残っていると判断できます。朝にターゲットが釣れるということは、そのポイントのターゲットは活性が高く、数も複数である場合が高い。

ターゲットが釣れていなくても、アタリがあれば魚が居ると判断でき、この場合は活性が低いかスレていると判断できます。逆に、朝マズメに全くアタリの無かったポイントはターゲットの居ない可能性が高いとみてよいでしょう。 

例外として、朝マズメが満潮で沖のポイントまでルアーが届かなかったポイントや、朝は静かだったが昼から鳥山が立ったポイントなど、朝以外でもヒットもしくはアタリが出たポイントであればターゲットが居る可能性が高いので、しっかりポイントは覚えておきましょう。 

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サーフでは強い流れによって砂が流され深く掘れた場所や、深場から浅場へのカケアガリがポイントとなるので、今回遠征した遠浅サーフが多い宮城エリアでは離岸流や沖のブレイクライン周辺が狙い目となります。 

離岸流とは、潮流が沖に向かって払い出す流れのことで、この流れによって砂も沖に流されるため、離岸流の下は深く掘れ、そのまま沖に続くスリッドとなっています。 

沖のブレイクとは、遠浅サーフにおける浅場から深場にかけてのカケアガリ部分のことで、遠浅サーフでは水深変化の無い浅場が波打ち際から暫く続いたのち、急に水深が深くなる特徴があり、この部分にウネリが当たると波になることから、沖からのウネリが盛り上がって波になる部分が沖のブレイクであると判断できます。 

一番の狙い目は離岸流と沖のブレイクの交点で、こういった場所はかなり沖合で且つ流れも強く水深もあることから、飛距離が出て強い流れの中でも沈めることが可能な今回紹介したルアー達の独壇場となるでしょう。

ミッチーさんによるサーフポイント解説のまとめはルアマガプラスでも公開中です!

広大な海原で闇雲にルアーを投げていても、魚を手にすることはできません。広大なポイントだからこそ変化を見抜く観察力や水中での情報収集が肝となります。今回ご紹介したルアーは、フラットフィッシュを喰わせる力だでなく、遠投性、操作性、更には水中での情報収集力にも長けたルアー達です。

間違いなく、サーフゲームでの第一線を張れるルアーですので、是非試していただければと思います。

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