今をときめくプロアングラーがこぞって取り入れている「マイクロベイト」トーナメントシーンの枠を超えて流行の兆しを見せているが、その実態はどうなっているのか? 今をときめく3人のバスアングラー、青木唯さん、羽生和人さん、藤田京弥さんがQ&A形式で疑問に答えるぞ! 今回はタックル選びや注意点をご紹介。
●文:ルアーマガジン編集部
青木唯さん、羽生和人さん、藤田京弥さんのプロフィール
青木唯(あおき・ゆい)
バス釣り歴わずか数年でJBトップ50に昇格した超新星。河口湖で磨いたライブスコープサイトを武器に、昨シーズンは初優勝&年間ランキング4位を記録。今年もマスターズや河口湖Aなどですでに4勝を上げている。
羽生和人(はぶ・かずひと)
亀山湖を中心に、三島湖や豊英湖など房総リザーバーでの流行を牽引し続けてきたインフルエンサーのひとり。1inクラスのソフトベイトからビッグスイムベイトまで、エンジンブランドのルアー開発にも深く携わっている。
藤田京弥(ふじた・きょうや)
またたくまに国内最強アングラーの座へ上り詰めた26歳。2021年はJB戦で計10勝を挙げ、トップ50を含む3シリーズで年間優勝を獲得。今年度から米国B.A.S.S.にも挑戦を開始、ノーザンオープンで年間暫定3位の好位置につけている。
前回のQ&A集
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【Q7】タックル選びのポイント
青木唯
ロッドはブルートレック(ディスタイル)のプロトタイプです。ごく軽いリグを扱うので5ft半ぐらいがよくて、ティップは軟らかく、なおかつベリーからバットはパワーがあるのが理想。アジングロッドから探すのもいいと思います。
ラインはPEの0.2~0.3号で、リーダーはフロロカーボン3~5lbを40~50cm取ります。ヴィローラマイクロはどのリグでも同じセッティングです。
リールはルビアスエアリティFC LT2500S-XH-QD(DAIWA)。ファイト中に突っ込まれても対応しやすいクイックドラグ搭載モデルがいいですね。
リールはルビアスエアリティFC LT2500S-XH-QD(DAIWA)。ファイト中に突っ込まれても対応しやすいクイックドラグ搭載モデルがいいですね。
羽生和人
リグごとに違うタックルを選んでいます。ダウンショットとネコリグにはスペルバウンドコア SCS-510SUL-ST。軽量なリグでも投げやすく、かつバットパワーは弱くないので50~60cm級でも止められる。リールはヴァンキッシュ2500SHGに、フロロカーボン3lbを巻きます(ザルツ ザ・ブラック)。4lbでは操作性が落ちるし、2.5lbだとデカバスの歯にやられる恐れがあるので。
レングスのあるスペルバウンドコアSCS-66-1/2XUL-STは、主にノーシンカーで使います。とても軟らかいレギュラーテーパーで、アジングやメバル用のロッドを短くしたようなテイスト。
ラインは飛距離と強度を考えるとPEが有利です。0.2号でもいいのですが、カバーの多い房総リザーバーでは0.3号が安全パイ。ロッドの特性で0.1号分をカバーしている感じです。ライトゲームリーダー4lb、リールはヴァンキッシュC2500SHG。
カバーを撃つエスティーピック2.5inのダウンショットは、SCS-60-1/2UL-STにヴァンキッシュ2500SHGで。パワーが必要な釣りなので短めのレングスを採用しています。メインラインはPEの0.6lbでライトゲームリーダー8lbを組みます。
リールのドラグ性能も手を抜けない要素ですね。魚を掛けるまでは強めに締めています。
藤田京弥
タックルはスティーズのプロトタイプロッドに、ルビアスエアリティFC LT2500S-XH-QDを使っています。ロッドは5ft台後半が操作しやすいですね。
フロロの通しで使っていたこともありますが、現在は0.2号のPEラインにフロロ3~4lbのリーダーを約30cm組みます。これがオープンウォーターで使う場合の基準で、ストラクチャーまわりを釣ることになればメインラインを0.3~0.4号にするなど調整します。
【Q8】アプローチやロッドワークなどの留意点
バイトがあったら即アワセが基本です。特にホバストはラインが張りがちになるので、バイトの一瞬を逃すと掛からない。食った瞬間に掛ける意識が必要です。
また、ラインブレイクよりもフックを伸ばされるミスのほうが多い釣りでもあります。ファイト中は無理をせず、突っ込まれたら自由に走らせてやるほうがいいです。
オープンウォーターでのサイトなら、どのリグも「死角からバスの鼻先へ」とプレゼンテーションしてやるのが基本。じっくり見せると失敗するので、急に視界にエサが入ってきたようにアプローチするのが大事です。
そして、かならず無音で着水させるようにしてください。たとえ3.5gのダウンショットでも、です。かなり難しいワザですが、だからこそ威力もデカい。
魚を掛けたあとは、無理にひっぱらないことですね。ごくライトなタックルだし、使うマスバリも小さいので貫通していないことが大半。ゴリ巻きせずにドラグを活用しながら、障害物に巻かれないギリギリのところでやりとりします。
ルアーが小さいからといってバスの目の前に落とせば食うほど簡単ではないです。シェイクし続けても見切られたり、鼻先で飛ばしたほうがよかったり。サイトフィッシングと同じで、反応が1尾ずつ違って難しい。去年のJBマスターズ野尻湖戦では、何度も追わせているのに最終日は2尾しかバイトさせられず、ゆいぴー(青木唯さん)に完敗でした。
【Q9】初めてマイクロベイトを使う人へ
シンプルに「軽くて投げづらい」のが最大のハードル。こんな感じのシェイクでいいのかな? などと細かいところを悩む必要はなくて、i字で引くだけでも食ってくれたりします。まずはダウンショットにリグって、風のないときを選んでサイトでねらうのが入り口としては最適かと思います。
セコい釣りというイメージも付きまとうし、抵抗がある人も多いでしょうが、僕にとってマイクロベイトはあくまででかバスを釣るための「道具」まずは見えバスにアプローチするひとつの手段として取り入れてみるのがよいかも。
ただし手持ちの普通のタックルでとりあえず試すと、扱いづらくて難易度が高くなる。とにかく飛ばないことがストレスなので、ある程度の専用タックルは必要ですね。
今回紹介したルアーのなかでは、エスティーピック2.5inのネコリグが汎用性が高く、釣果に繋がりやすいと思います。
正直に言えば、マイクロベイトはまったくオススメしません。ルアーの小ささから「初心者でもバイトが得やすいリグ」「釣れないときの解決策」と思われるかもしれませんが、難しすぎて釣果から遠ざかってしまう恐れもある。ほかのルアージャンルを身に着けてから、それでも興味があればやってみてください。
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