全国的にバスアングラーにとって最も身近なフィールド、ため池。しかし、身近であるが故に人の出入りも激しく、その中のバス達は毎日のようにルアーを目にし、そして何度も釣られ、完全にスレ切っているケースも少なくない。今回はそんな「激スレため池」でバスを釣るためのおすすめルアーとその使い方を3人のお助け人に伝授してもらった! 今回はポイント倉敷水島店長のセレクトをお届け。
●文:ルアーマガジン編集部
ポイント倉敷水島店長、寺司浩文さんのプロフィール
寺司浩文(てらじ・ひろふみ)
釣りのポイント倉敷水島店店長。西日本に多くの店舗をもつ釣り具のポイントで20年以上のキャリアを持つ敏腕店長。バス釣り以外にもエギングやカワハギ釣りなど様々な釣りを嗜む。バス釣りではクローラーベイトの釣りが大好物。
売れ筋ルアーの傾向
数年前まではホバスト用のルアーや高比重ワームがよく売れるなど売れ筋に偏りも見られましたが、今年に入ってからは、どれか特定のジャンルのルアーがよく売れる、ということはあまりないですね。ただ、ストレートワームは根強い人気があります。あと、関東から来たお客様に、「店頭に並んでいるフックのサイズが関東より大きい」と言われ、驚いたことがあります。
1番売れるオフセットフックのサイズは3/0と4/0です。確かに関東よりは大きめのルアーを使った強い釣りがまだ通用しやすい環境ではあると思います。特に人気が高いメーカーはレイドジャパン、デプス、ジャッカルですね。よくため池に行く方は、今の時期だと虫系ルアーと高比重ワームを買って行かれることが多いです。
売れ筋ハードベイト&ワイヤーベイト・トップ5
【第1位】ジョインテッドクロー178【ガンクラフト】
今だに売れ筋No.1ビッグベイト!
寺司「ビッグベイトは各メーカーから様々なものが発売されていますが、ジョインテッドクロー178は継続的に売れ続けています。新色が出るタイミングに特に売れますね。問屋さんが出す別注カラーも人気です。カラーはナチュラル系、タイプはフローティングがよく売れますね」
【第2位】レベルミノー【レイドジャパン】
圧倒的飛距離とアクションレスポンスが人気の理由
寺司「ミノーの中ではレベルミノーが1番売れています。オリジナルサイズの125mmモデルが人気です。これに関してはため池よりもリザーバーや河川で使う方が多いと思います。同クラスのミノーの中では飛距離はトップクラスではないでしょうか。サイズ感からは想像できないハイピッチアクションも魅力です」
【第3位】ドーン 3/8oz【ジャッカル】
安定した巻き姿勢のフルサイズスピナーベイト
寺司「数多くあるスピナーベイトの中でもドーンはよく売れていますね。巻いているときの安定感と、近年多いコンパクトスピナーベイトとは逆の、少し大きめのサイズ感が人気の理由かもしれません。年に数回入荷するタイミングがあるのですが、あっという間になくなることもあります。ウエイトは3/8ozが人気です」
【第4位】AKチャター 10g【一誠】トレーラーはシャッドテール
逆付けが西日本流!?
寺司「ブレーデッドジグも人気のジャンルで、特にAKチャターが人気です。AKチャターはブレードが一般的なブレーデッドジグよりも大きく、早巻きするというよりは強波動で比較的ゆっくり巻ける点が人気の理由です。この地域ではトレーラーに4in程度のシャッドテールワームをテールが上を向くように逆付けして使う人が多いです。その方が水平姿勢を保ちやすく、巻きも安定するんです」
【第5位】ピクピク65【ジャッカル】
湾曲ボディの水面の魔術師
寺司「スピニングタックルによる水面系の釣りになりますが、最近はピクピクが結構売れていますね。移動距離を抑えて1点で波紋を出し続けながら水面で誘える点が人気の理由です。飛距離もかなり出るので、リザーバーはもちろん、ため池で使う方も多いです。サイズは65mmの小さい方が売れています」
売れ筋ソフトベイト・トップ5
【第1位】ベローズギル3.8in【ジークラック】
全身リブの水噛み最強ギル型ワーム!
寺司「フリーリグやネコリグで使うお客様が多いです。私自身も最近よく使うようになって、ほかのギル系ワームには反応しない状況でもよく釣れます。S.A.Fマテリアルの匂いと味の恩恵か、バスが咥えた後もなかなか離さないことが多いです」
【第2位】バギークロー【レイドジャパン】
レイド渾身の高比重バックスライドワーム!
寺司「当店で1番よく売れる高比重バックスライドワームがこれです。自重が12gあってベイトタックルでもしっかり飛距離が出せますし、よく計算されたボディ形状で安定して長い距離をバックスライドしてくれます。ため池攻略にはマストアイテムです! 」
【第3位】フリックシェイク4.8in【ジャッカル】
今だによく釣れるストレートワームのド定番!
寺司「発売からなんと18年が経つワームですが、今でもよく売れています。それだけアングラーからの信頼が厚いのでしょう。ノーシンカーワッキーやジグヘッドワッキーがおすすめです」
ストレートワームにあえてカーブをつけるという当時は異色だった存在も、今では永遠の定番ヒットルアーだ!
【第4位】サイコロラバーNONSALT/MAXSALT【O.S.P】
サイコロラバー人気は継続中!
四角いワームにラバーが刺さっただけの不思議な物体。発売当時の爆発的釣果は現在も継続中! 日本全国、フィールドを問わず愛用者が多いこのワーム、ため池でも当然よく釣れる!
寺司「やはりサイトフィッシングで使うお客様が多いです。ノーシンカーリグかダウンショットリグがおすすめです」
【第5位】マイクロダッジ【レイドジャパン】
サイコロラバー人気は継続中!
寺司「オフセットフックでカバーの奥まで撃ち込める虫系トップウォーターとして、ため池アングラーに人気が高いです。ただ巻きで横に引いてもいいし、ピンスポットでは、トゥイッチで移動距離を抑えて誘うこともできます。更には羽を取り外してペンシルベイト的に使うこともできて、かなり用途の幅が広いのが魅力。なかなか手に入らないのが悩みの種ですね(笑)」
雑学ランキング「ため池が多い都道府県」
順位 | 都道府県 | ため池数 |
---|---|---|
第1位 | 兵庫県 | 22,107 |
第2位 | 広島県 | 18,793 |
第3位 | 香川県 | 12,269 |
第4位 | 岡山県 | 9,504 |
第5位 | 山口県 | 7,912 |
西日本に多いため池。ルールとマナーを守って釣りを楽しみましょう!
ため池は、降水量が少なく、大きな河川に恵まれない地域で、主に農業用水を確保するために人工的に作られた池です。ため池は全国的に分布し、全国では約15.4万箇所が存在します。その内、約70%は江戸時代以前に築造されたものか、いつ築造されたか不明なものです。
特に西日本に多く分布し、瀬戸内地域のため池だけで全体の5割を占めます。
本来は農業のために作られたものであり、釣り人は釣りをさせてもらっている立場であることを自覚し、釣り禁止の場所では絶対に釣りをしない、ゴミを出さないなどルールとマナーを守って釣りを楽しみましょう。
寺司店長のお助け神ルアー:ブルフラット3.8in【デプス】
ブルーギルがいるため池が多いのでマストルアーです!
この辺りのため池はブルーギルが生息している場合が多く、バスのメインベイトになっています。ブルフラット3.8inはブルーギルをイミテートできますし、強い水押しのおかげで数が釣れる印象です。5g前後のフリーリグとリーダーレスダウンショットリグでカバー撃ちで使用します。実は5.8inもかなり愛用しているのですが、これはルアーサイズ的に扱いにくい部分もありますので3.8inをおすすめさせていただきます!
釣りのポイント倉敷水島店
- 所在地:岡山県倉敷市亀島2-24-7
- 定休日:なし
- 営業時間:10:00~21:00(月~金)、9:00~21:00(土)、9:00~19:00(日、祝)
- 電話番号:086-440-0661
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
関連する記事
今回の表紙は「る○ぶ」をイメージしています。って、言わなくてもわかりますかね(笑)。旅をテーマに特集を考えていたときに真っ先に浮かんだイメージがコレでした。楽しそうでいいですよね~。実際、内容のほうも[…]
バスアングラーなら誰もがワクワクしてしまうため池。一見すると楽しそうなこのフィールドだが、釣りができなくなる可能性とは紙一重。我々には何ができるのだろう? 身近で楽しさの詰まった『ため池』をいつまでも[…]
その名の由来は「レッドゾーンに挑む、超える」ラインの意。無類のクルマ好きとして知られるジャッカル小野俊郎CEOが命名。2011年に登場して以来、今なお定番として君臨する『レッドスプール』が、満を持して[…]
全国的にバスアングラーにとって最も身近なフィールド、ため池。しかし、身近であるが故に人の出入りも激しく、その中のバス達は毎日のようにルアーを目にし、そして何度も釣られ、完全にスレ切っているケースも少な[…]
近年、徐々に全国各地で浸透しつつある新たなジャンル「マイクロベイト」まだしっかりとした定義づけができておらず、広義的で曖昧いなジャンルのひとつでもある。そんな発展途上のスタイルをいち早くこのマイクロベ[…]