川村光大郎さん柳川クリークでバス釣り堪能2日間の旅を全部公開!【岸釣りジャーニー】

本企画は岸釣りのスペシャリスト・川村光大郎さんが、まだ見ぬ釣り場を探して全国を旅する不定期連載。今回の舞台は福岡県柳川市にある、クリーク地帯。しかし、地図を見ると…町全体が水路だらけ!? 一体これはどういうこと~? 日本のベネチア、水郷柳川! 迷宮水路を釣り抜けろ!

●文:ルアーマガジン編集部

川村光大郎さんのプロフィール

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川村光大郎(かわむら・こうたろう)

陸王4勝、レジェンド1勝、通算5勝の最多勝現役チャンプ。バス釣りに懸ける情熱は衰えることを知らず、スキルの進化は待ったなし。自身が主宰するブランド「ボトムアップ」からは、その情熱とエネルギーを具現化したアイテムがリリースされている。

【DAY.1】町全体が水路!? 広大すぎる水域にコータロー迷走?

歴史ある干拓地、柳川市。網目に形成された無限水路の旅

実に6年ぶりとなる当連載。もはや、不定期連載の枠を遥かに逸脱している…(汗)。ご存じない読者もいると思うので、改めて説明しよう。当連載「岸釣りジャーニー」は、若手実力派アングラーだったコータローこと、川村光大郎が全国の釣り場を旅し、スキルと知見を広げていくリアルドキュメンタリー。

しかし、6年という時を経て、コータローは最強・最多陸王の座に就くと同時に年齢は30代から40代へ。名実ともに誰もが認めるベテランアングラーと成長していたのである…!

川村「久しぶりのジャーニー超うれし~! でも、初場所ってなると、いよいよ候補地がなくなってきましたね…(笑)」

やべ~、興奮してきた!

朝イチの表情。頻発するボイルにノットが結べないほど、興奮していました(笑)。 [写真タップで拡大]

久しぶりのジャーニーロケに歓喜の声を上げると同時に、難航したのは取材の候補地。数少ない初場所を絞り出し、記者との話し合いの末、今回は九州へ旅立つことになったのだ。

舞台は福岡県柳川市。いつものような『○○湖』や『○○川』といった名称はない。なぜならば、今回の釣り場は街全体に網目状に張り巡らされた水路になるからである。厳密に言えば、この水路群の水源は柳川市とお隣のみやま市の境界となる、一級河川『矢部川』となるのだが、その支流に当たる『沖端川』『塩塚川』『二ツ川』からも無数に水路が伸びているため、もはやどの水路がどこの川の水を引いているのか特定不能である。

今回のジャーニースポット

柳川クリーク【福岡県】

見た目の変化に乏しい水路地帯。エリアによっては水色やカレントの有無などに変化があり、ひと目でエリアの良し悪しを判断できない難しさがある。

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柳川市マップ

詩人・北原白秋の故郷、水郷・柳川 [写真タップで拡大]

マップを制作したイラストレーターが「気が狂いそうになった」というほどの水路群がコチラ。有明海の湿地を掘り、灌漑と排水を担う水路を形成してきた歴史ある土地。田中吉政が治水・干拓事業に力を入れ、現在に至る。また、『あめふり』の童謡で有名な詩人・北原白秋の故郷でもあり、市内のいたるところに詩碑や歌碑が建てられている。

ちなみに、柳川市内の水路総延長はなんと930kmにもなり、水路の距離だけでも湖岸線延長日本最大である霞ケ浦を約4周できるほど(湖岸線に合わせて比較するなら約8倍)。ズバリ、東京駅から山口県山口市役所までの距離がほぼドンピシャだと言えば、どれくらい遠いのかイメージできるだろう。

初フィッシュはギル!

記念すべき柳川初フィッシュはギル! 「やべ~いきなり違うの釣ってもうた」と悔やむ。 [写真タップで拡大]

つまり、コータローはこのほぼ無限の水域をたったの2日間、しかもオカッパリで攻略することになるのだ。

川村「話には聞いていたクリーク地帯、地図で見てビックリ! でもやるからには地元の人がビックリする釣果を目指したいと思います!」

迷宮水路2日間の旅、いざはじまり~!

細いけど1本目!

朝はミスバイトやフックアウトに悩まされたが、1本目から44.5cmのナイスフィッシュ! [写真タップで拡大]

ギャップジグ5g【ボトムアップ】+ブルスホッグダディ【ボトムアップ】

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初場所の心得【1】

とにかく動くべし!

初場所では広いエリアを見ながら釣っていくために、バイトチャンスを落とさずに効率を上げられるルアーの出番が必然的に増える。コータローはコンパクトジグやスピナーベイトを軸にここぞという場所ではフィネスも投下していた。

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プライドとポリシー。陸王としての矜持。

初場所へのワクワク、そして開始早々でグッドサイズがバイトしてきたりなど、コータローのボルテージはいきなり最高潮…! しかし、不運のフックアウトなどが続き、ノーフィッシュのままどんどん日が高くなっていく。もしかして、朝イチがクライマックスパターン…?

川村「遠征と初場所で気持ちが浮足立ってしまいましたね。朝イチから良いのが食ってきてくれたんで、勘違いしちゃったけど、これは結構甘くないかも…」

今回の旅もコータローは地元のガイドなどを頼まず、ロコアングラーから取材可能なエリアと駐車場所のみを伺うスタイル。町全体が釣り場となってしまうため、そのへんの配慮は欠かさない。

初場所の心得【2】

道具立ては広く浅く

道具をたくさん持っていけない飛行機での遠征。なんとコータローが持ってきたルアーは補充分以外、オカッパリバッグにまとまっている! 「遠征先で『あれがない』は嫌なので広く浅く。もしアタリなルアーがあって消耗しても釣り具屋で補充すればいいですからね」ちなみに、ロッドとスーツケースを含めて、総重量は20kg未満のため、追加料金はなし。

正直、この広大な水域を2日間で見ることはコータローでも不可能。結果のみを求めるなら現地の情報に頼るほうが効率はいい。けれど、コータローはそれでも「自分で魚を探す」という部分に重きを置く。なぜならば、それがバスフィッシングの醍醐味であり、コータローのポリシーだから。

地元のアングラーが「20年以上通っても見切れない」という、この迷宮水路にコータローはどう立ち向かうのか?

川村「朝はちょっと色々強気でいっちゃったんで、自分らしくしっかり釣りつつ、今日は可能な限り広いエリアを見ていきます。ここは霞ケ浦! そのくらいのつもりで臨みます!」

1ストレッチ3連発!!

ハリースライド【ボトムアップ】

フォール中にもアームをパタつかせる、二律背反のアクションを可能にしたバックスライド系ワーム。落として良し、誘って良しな優等生。

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乏しい中の際立つ変化

連発したスポットは、変化のない水路に唯一ブッシュが被さっていた。ジグで際を誘うだけでは食わず、バックスライドでしっかり入れ込むことでバイトを得られた。

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プレッシャーの掛かる大場所で「あ、いいサイズが追ってきてる!」

駐車場が完備された、地元でも1番有名だというスポット。バスの魚影も集中していたが、なかなか賢い模様。そこで伝家の宝刀を繰り出し、見事一閃!

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伝家の宝刀、スピナベサイトも一閃!

やっぱり効いた!

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チビーブル【ボトムアップ】

横揺れという、新たなアクションを実現したスピナーベイト・ビーブルの弟分。オリジナルサイズよりコンパクトになったことで活躍する場面は多くなった。

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ジャーニーなひとコマ【1】

ナンバーが「食い食い」!

借りたレンタカーのナンバーが「食い食い」それくらい釣れるといいなぁ~(笑)。

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迷宮のボスはどこへ? でかバス探しに奔走!

変わらぬ景色、無限の水域。迷宮の疲れを癒す、地元メシ!

広大すぎるクリーク、そして同じような景色が続き、見た目だけでの判断がつかず、実際に釣りしなければ魚の有無がわからないのがこの水系の難しさ。まさに水路の迷宮と呼ぶにふさわしい。

しかも、障害物や変化が少ないのに、「ここぞ!」という場所でもバイトがなかったり、その逆で釣れるところでは反応が固まっていたりするから厄介だ。クリークの各セクションを跨ぐと一気に水色やカレントの有無が変化し、似たようなスポットを探そうにも規則性がなく、行き当たりばったりなのが現状…。

川村「なんだろう、まだ午前中なのにすんごく疲れた…」

気温30度越えの猛暑のなか、代り映えのしない景色をひたすら足で稼ぎ、魚を探していく行為は、例えるなら砂漠の中のオアシスを探すようなものだろうか…。コータローの体力とメンタルを蝕んでいく(もちろん記者も…)。

ジャーニーなひとコマ【2】

ぶっ刺さり! 間一髪? アブナイヨ!

休憩中、よく見るとコータローのシューズにフックが!「キレイに刺さってる! フックサイズがもう少しデカかった危なかったね!」子供や動物がけがしたら大変。みんな釣り場はキレイにしよう!

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決して釣果が乏しいわけではない。しかし、コータローの中にある「地元の人が驚くような釣果を出したい」という想いがあるからこそ、コータローはひたむきにフィールドと向き合う。

そのひたむきさゆえに、心身ともに疲労困憊になってしまうのだが、そんな我らを救ったのが地元メシ! この日訪れた清柳食産は元気で明るいスタッフたちが暖かく迎え入れてくれた。そして、その土地ならではの食に舌鼓を鳴らし、英気を養うのも旅ならでは。

ジャーニー的オススメスポット【1】

清柳食産

本業は精肉店で、ランチタイムだけ昼食を楽しめる。看板メニューは3日かけて煮込んだ「柳川黄金博多和牛カレー ステーキのせ」。カレーはもちろん、ハイクオリティなステーキをリーズナブルにいただけるのは精肉店ならでは。

川村「おいしかった~!! なんかさっきまでぐったりだったのに、元気出てきた! よし、午後こそいい魚釣るぞ!」

釣りまくるコータロー、けど、モンスターはどこへ…?

ルアー5種目釣り達成! 変化が少ないだけに、ここぞというところはローテーションを駆使して何度もアプローチ。ジョリーフィッシュで、ルアー5種目達成! しかしサイズにはまだ満足できず。

スクーパーフロッグ【ボトムアップ】2.7gダウンショット

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ジョリー【ボトムアップ】

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初場所の心得【3】

エサを知れ! ストマック調査で確認

胃の内容物を調査し、食べているエサを確認。柳川市内は田畑が多く、小型のツチガエルが多く見られたが、やはりバスも捕食しているようだった。

ダイレクトではなく1ホップ!

ブレーバーマイクロのリアクションは着底後の1ホップでバスの目の前にフォールさせる距離感でアプローチ。離れたところからルアーを「連れてくる」のがキモ。マイクロリアクションは健在。

ブレーバーマイクロ【ボトムアップ】1.8gダウンショット

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迷宮探索1日目、まだ光明は見えず…!

旅だからこその出会い、旅だからこそのドラマ

やっぱり水路は果てしない。ようやくドン突きまで行ったかと思っても十中八九、その先で枝分かれしている(笑)。 [写真タップで拡大]

柳川市内を走行中、すれ違うひとつのクルマの運転手とビビッと視線が合う。

川村「いまのはアングラーっぽかったね!」

記者「(吉田)遊さんや撃さんのファンな感じでしたね」

この広大な水域でも休日はかなり多くのアングラーが訪れるらしいが、取材を行った日は平日ということもあり、地元のアングラーに出くわす機会がほとんどなかった。よって、アングラーらしきクルマに我々は過敏に反応してしまったのである。

――数分後、ルームミラーに見覚えのある後続車が映り込む。

記者「あの~、川村さん。見覚えのあるクルマが後ろに…」

ついさっきすれ違ったはずの車が後ろにいることに気づいた記者がクルマを停めると、地元のアングラーが驚きながら駆け付けた。どうやら、すれ違った刹那にコータローだと気が付いたようで、差し入れを持って引き返してくれた模様。

たしかに、コータローがこの地を訪れるのは初めてだし、地元のアングラーにとっては「まさか!」と思って引き返すのも頷ける。そんな人との出会いも旅の醍醐味だ。ちなみに柳川の人はみんな明るくて気さく。話していてほっこりします。

駆け付けてくれた地元のアングラー・ジーニアスさん。「ぜひ、コータローさんに行ってほしい場所があります!」と情報をくれた。 [写真タップで拡大]

さて、話を釣りに戻すと宿周辺を拠点として、目星を付けていたスポットの約6割を回るのでこの日は精一杯。動く先々で釣果を伸ばしてはいけるものの、でかバスへの光明は正直見えない。

川村「うん、きっと僕はバスフィッシングを難しく考えすぎてるんだ。こんなに広大なのに丁寧に誘い過ぎたヨ」

こうなったら、建太師匠バリのアピールシェイクで魚引っ張ったれ!

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そういうと、コータロー式のふわふわジグストから、木村建太さん直伝のシャカシャカ捌きに切り替えた直後…。

川村「うわ、食った! なんかもう、余計にわけわかんなくなっちゃったよ~(笑)」

うわ、食った! アクションを切り替えた直後、ヘルシーなグッドサイズがバイト。 [写真タップで拡大]

こんなこともあるんだね~! [写真タップで拡大]

ギャップジグ5g【ボトムアップ】+プロトギルワーム

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これも、旅ならではのドラマ…かな?

めっちゃ雰囲気ある…

日没直前、ベイトの魚影が濃く、朝イチにでかバスをバラしたスポットへ。明らかにいい雰囲気に空気が張り詰める。 [写真タップで拡大]

が、しかし……! なぜか、小バスさんが…(笑)。時折、激しいボイルが発生し、明らかにムンムンの雰囲気。しかし、釣れたのは可愛いバスが2尾…(笑)。

ジャーニー的オススメスポット【3】

清柳食産

釣り場からも近くて利便性抜群な徳益店。バスルアーの品揃えも豊富で、店長代行の佐内さんが的確にアドバイスしてくれます。店舗ブログも要チェック! たまたまお店に訪れていたお客さんもコータローの姿を見て、ビックリ。緊張のあまり震えが止まらないファンの姿も。

2日目に続く!

『ルアーマガジン』2023年1月号 発売情報

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『ルアーマガジン』2023年1月号

今月号のルアーマガジンは2つの「モノ」特集! まずは皆様もついつい使ってしまう言葉「神ルアー」。ガチで釣れるルアーの使いこなしや理論・理由を様々なアングラーさんの目線で紹介していきます。そしてもうひとつが「コスパ!」今の世の中、誰しも懐事情は厳しいもの…。悩めるすべてのアングラーに捧げる、お得術にご注目あれ! あ!今回のルアマガから創刊25周年に突入です! 直前から色々とありますが、今年も色々と盛り上げていきますよ~。

  • 発売日:2022年10月20日
  • 定価:990円(税込)

※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。

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