[ショアジギング]払い潮ってどんな潮?攻略法がわかれば青物ゲットの絶好のチャンス!

ショアジギングをする場合に重要となるのが、潮流をうまく利用して、ターゲットにアプローチすること。ただ、ひと口に「潮流」と言っても様々な流れがある。その中で、払い潮と呼ばれる流れの攻略法について、ロックショアゲームの達人、上津原さんに解説をお願いした。

●文:ルアーマガジンソルト編集部

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九州で活躍するロックショアエキスパート

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上津原 勉(うえつばら・つとむ)

熊本県在住。小学生で父に連れられ磯泊まりを経験して以来、磯釣りにどっぷり。現在は九州西部をホームに活躍するロックショアゲームのエキスパートだ。昨年秋に男女群島で26.3kgのカンパチを仕留めるなど大物捕獲の実績も多数。シマノのソルトモニター。

払い潮とは?「立ち位置から沖に流れる潮」のこと

7月下旬、上津原さんは上五島の沖磯でもワンデイの実釣に臨んだ。狙いは大型のヒラマサだ。

上津原「普段は、下げ潮で当て潮が入る磯なんですけど、のったときはまだ上げ潮が残って、払い潮が出ていました」

払い潮は、釣り人の足元付近から沖方向に流れる潮。磯で沈み瀬や沖に向かって浅くなるカケアガリなどの地形変化が絡めば、好スポットを形成する。
上津原「ルアーは流れに逆らって通すことになり、引き抵抗が増して水噛みの良いルアーは暴れすぎることもあります」 [写真タップで拡大]

このタイミングでアテジオを使うと、水を噛みすぎて引き抵抗が激増し、メタルジグが浮きやすくなってしまう。

上津原「払い潮ではコルトスナイパー・ロング。適度に水抜けが良いから、流れに逆らうようにジャークしても引き抵抗が軽く、浮き上がりを抑えることができます」

払い潮も当て潮と同じようにピンスポットを探る?

上津原「流れの向きが違うだけで、潮が当たる面をタイトに攻めます。払い潮の潮下に沈み瀬、タナの張り出しなど隆起するボトムの地形変化が必要。逆に足元から徐々にカケ下がって単純に深くなるような地形は、経験上、払い潮ではあまり釣れないですね」

払い潮の流れが当たるボトムの地形変化をタイトに狙う

上五島でのった沖磯はご覧のような状況。
上津原「水中に磯際から張り出すタナがあって、その先に沈み瀬がある。面積が広いタナは払い潮が当たる面をタイトに探ります。沈み瀬は、その先に投げて沈み瀬の裏側、上面、流れが当たる面と、瀬をなめるようにタイトに攻めます。当て潮に変わっても好スポットの要素を備えています」 [写真タップで拡大]

つまり払い潮の潮下に浅くなる地形変化が必要?

上津原「潮が当たる面に青物がたまりやすいですからね。沈み瀬やタナ、沖側に向かって浅くなるカケアガリなど、流れが当たる面が多いほど、狙うべきスポットが増えて楽しめます」

ボトムの地形変化が多ければ、払い潮から当て潮に変わっても流れが当たる面が複数あるということだ。

払い潮に適したメタルジグ選択が重要!

【払い潮対応メタルジグ】コルトスナイパーロング(シマノ)

流れに逆らう払い潮でも軽いジャークでワイドにダート!
アテジオとは真逆の流れに逆らって引く状況で活躍するメタルジグがロングだ。
上津原「ロングスライド系で流れを受けても引き抵抗が軽く、軽いジャークでワイドにダートします。払い潮でもしっかり動いて浮きすぎず、使い手も楽というジグです」 [写真タップで拡大]

【コルトスナイパー・ロングの使い方】

基本はワンピッチジャーク速巻きしながらのロングジャークも有効
上津原「払い潮は、いやでも流れを受けるので激しいジャークは不要です。ロングの使い方の基本は、通常のワンピッチジャーク。ポンポンッとやさしくジャークしたり、リールを4、5回速巻きしながらロングジャークも有効です。どのアクションに魚が反応するか、色々試してみましょう」 [写真タップで拡大]

フックはかかりやすさ重視のセレクト
フックはアテジオもロングもジガーライトツインシワリ#6/0(オーナーばり)を使用。
上津原「フォール中のバイトでもかかりやすいフックで、手堅く1尾獲りたいときに使います。通常、大型青物を狙うときはジガーミディアムロック#9/0(オーナーばり)。80gには#7/0」 [写真タップで拡大]

メタルジグを意のままに操り、誘って喰わせる楽しさを体感

上津原「上五島では下げ潮に変わって当て潮が入ってくるのを待っていたけど、この日は終日片潮で、払い潮が流れ続けました」

アテジオの出番はなくコルトスナイパーロング120gで、この日最大の80cm弱、4.5kgクラスのヒラマサをキャッチ。

上五島でキャッチした最大のヒラマサは全長80cm強。ウェイトは推定4.5kg。
上津原「喰ったのは沈み瀬の裏側。優しいワンピッチでポンポンッと泳がせて、じっくり見せながら裏側ギリギリを通したら喰いました」 [写真タップで拡大]

上津原「もう少し大きいのを釣りたかったですね。明らかに20kgを超えるような魚も見えていたんで(笑)。潮が変わらなかったせいか、魚の活性は低めで、明らかにタナの際や沈み瀬の裏側ギリギリに入れないと喰いませんでした」

沈み瀬の裏側ギリギリ?

上津原「瀬の潮下側の際です。流れが当たる面だけでなく、瀬の上面や裏側でも喰う可能性はありますからね」

ヒットパターンは?

上津原「やさしいワンピッチでポンポンッとスライドさせながら泳がせて、じっくり見せました。瀬やタナの際をなめるように通しながら。払い潮でも浮き上がりにくいコルトスナイパー・ロングだからタイトに狙えます」

【使用タックル例】

天草周辺使用タックル
●ロッド:コルトスナイパーXR S100H●リール:ステラSW8000HG(すべてシマノ)●ラインシステム:①
上五島使用タックル
●ロッド:コルトスナイパーXR S98XH●リール:ステラSW8000HG(すべてシマノ)●ラインシステム:①、② [写真タップで拡大]

軽量で操作性が高く、強靭なリフト力を備えたロッドが◎
上津原「ロッドのコルトスナイパーXRは、リフトパワーがあり、大型青物をかけても安心してファイトが楽しめます。軽くて操作性が高く、ピンスポット狙いの高精度キャストもしやすいです。パワーはH。120~130gのメタルジグをメインに使って離島で大型青物を狙うならXH。リールはジグの重さ×100以上が、番手選びの目安です」

磯のショアジギングは、豪快な釣りのイメージがありますが、実は繊細な攻めが釣果に結びつく?

上津原「ですね。ルアーの中で一番、釣り人が意図して操作しないと釣れないのがメタルジグだと僕は思っています。だから面白い。当て潮と払い潮で使い分けるのもきちんと操作するため。それがハマってめちゃくちゃ釣れる体験をすると、またジグで釣りたくなる。秋に向かって大型青物が狙いやすくなるので、磯のショアジギングにチャレンジしてほしいですね」

操作性UPと根ズレ対策を両立するラインシステム

[ラインシステム1]●ライン:オシア8 4号●スペーサーPEライン:タナトル8 10号3ヒロ●リーダー:オシアリーダーEXフロロ22号2ヒロ(すべてシマノ)

[ラインシステム2]●ライン:オシア8 6号(シマノ)●リーダー:ナイロン30号3ヒロ+オシアリーダーEXフロロ22号1ヒロ(シマノ)

上津原「システム1はメインラインが細く、風や流れの影響を受けにくい。キャストやジャークの操作性が上がります。上五島では横風が強くなったのでシステム2からシステム1に替えました。10号のスペーサーPEは根ズレ対策です。②は大型のヒラマサを狙うときのラインシステム。ナイロンリーダーを入れると、キャスト時のショックを吸収して、より快適なキャストフィールが得られます」

払い潮の逆の「当て潮」の攻略方について解説した記事


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