ブリ連発!当て潮攻略法を解説!正解は正面で受ける立ち位置![コルトスナイパー アテジオ(シマノ)]

ショアジギングにおいて、潮流を的確に把握して攻略することは、最も重要な要素だろう。特に、当て潮と呼ばれる、岸に向かって流れてくる潮は、高活性の青物などがついている可能性もあり、的確に攻略することが求められる。そこで、当て潮攻略を得意とする上津原さんに、そのテクニックを解説してもらった。

●文:ルアーマガジンソルト編集部

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九州で活躍するロックショアアングラー

上津原 勉(うえつばら・つとむ)

熊本県在住。小学生で父に連れられ磯泊まりを経験して以来、磯釣りにどっぷり。現在は九州西部をホームに活躍するロックショアゲームのエキスパートだ。昨年秋に男女群島で26.3kgのカンパチを仕留めるなど大物捕獲の実績も多数。シマノのソルトモニター。

当て潮の基本と使用ルアーを解説した記事はコチラ

当て潮攻略の基本については、以前に配信した下の記事に詳しい。基本的な理解や使用ルアーなどについては、以下の記事を参照して欲しい。

沖に本流が走っている場合は、当て潮が発生する確率が高い

上津原さんは天草周辺の地磯を中心にロックショアゲームを展開している。いつも、選択できる状況であれば、当て潮が入る磯をセレクトする。しかし、経験にとっては、この当て潮探しが難関ですが?

上津原「当て潮は、その日の潮の動きによっては発生しないこともあります。ただ、ちょっと沖に本流のように太い流れが走る磯は、比較的当て潮が安定して入りやすいです」

本流が磯に当たるのではなく?

上津原「もちろん本流が当たる磯も良いです。沖に速い流れが走る磯は、手前に反転流や湧昇流が出ますよね」

湧昇流ですか?

上津原「ボトムの隆起やカケアガリに潮が当たって湧き上がるような流れです」

磯際のサラシが押し込まれてきたらそこには当て潮が!
磯際のサラシが広がらずに一定のラインを保っていたら潮が当たっている可能性が高い。「当て潮が入るとサラシが磯際に押し込まれます。磯際の水面の泡だまりも当て潮の流れのヨレの可能性があります。その流れの潮上にある沈み瀬、カケアガリ、磯際などのボトムの地形変化を狙います」

つまり、湧昇流の発生点が、潮が当たる面になる?

上津原「でも、距離的に届かないということもありますよね。この湧昇流や反転流が磯に向かって流れる。これが当て潮になります。本流がダイレクトに当たる磯以外は、当て潮が発生するタイミングに、流れに正対できる立ち位置をとって狙うのがベストです」

当て潮にできるだけ正対できる立ち位置をとる
沖に太い流れが走る磯は、そこから派生する反転流や湧昇流が当て潮となって磯際に到達。上津原「本流のコース、流速は変化するので、それによって当て潮の入り方も変わります。横に広い磯は、当て潮の向きに応じて立ち位置をアジャストしやすい。潮が横や斜め方向から当たるより、正面から当たるほうが根がかりも避けやすいです」

当て潮が発生するタイミング?

上津原「沖の太い流れは蛇行したり、流れの強弱が変わります。それによって反転流の出方や、湧昇流の発生数や流れの強さも変わります。当て潮の入り方もコロコロ変わって、いち早く流れを正面から迎えられる立ち位置を取れるかが釣果を左右します」

どこに立ち位置を決めるか? その判断も難しそうですね。

上津原「一番わかりやすいのは、今まで沖に伸びていたサラシが磯際に押し込まれる。潮が当ててきた証拠です。安全に十分考慮して当て潮に正対できる立ち位置に移動し、青物との勝負に挑みましょう」

ダイレクトに流れが当たる小規模な磯は湧昇流のボトム付近をサーチ
上津原「ポツンッと浮く沖磯など、潮通しの良いところにある小規模な磯は、流れが当たり続けるというケースも多いです。流れは磯に当たって左右に別れ、カケアガリに当たった流れが湧き上がってゆったり流れる部分ができます。こういうときは湧昇流を超えて本流まで投げ、湧昇流内のボトム付近を探ります」

当て潮が当たる面をスローかつタイトに攻める

サラシが当て潮で押し込まれている状況。この下には、活性の高い青物などが待ち構えている可能性が高い。

天草周辺の地磯で、アテジオを使って良型のブリを2尾キャッチしたときのこと。

上津原「攻め方はワンピッチジャークや、ロングジャークからロングフォールでキラキラ見せたりと、色々試しました。とくにこの日はボトム付近でスローな誘いが良かったですね」

アテジオ80g(シマノ)で獲ったブリは全長90cm、重さ8kg弱のグッドコンディション。上津原「ボトム付近で1秒に2シャクり程度のゆっくりとしたワンピッチジャークで喰いました。軽めの80gでふわふわ見せたのが効きましたね」

具体的にはどんな使い方ですか?

上津原「1尾は、当て潮が当たるカケアガリのボトム付近で80gを使い、1秒に2シャクり程度のゆっくりのワンピッチ。もう1尾は105gをキャストして、もうそろそろ着底というところでラインが止まったので、アワせたら喰っていました」

もう1尾は全長87cm。重さは約6.5kg。上津原「着水後のフォールでボトム付近で喰いました。アテジオはキラキラとロールしながらバックスライド気味に落ちる。105gでも当て潮の流れを受けながらスローなフォールで誘うことができます

【ヒットルアー:アテジオ(シマノ)】
当て潮の中でクイックなターンとスローなフォールが可能な専用設計

アテジオは、テール側をスパッとカットしたよう独特な形状。上津原「使用感でいうと、潮に引っかかりやすい形状です。テール側は肉厚で、水の抵抗がテールで一気に消えるから、流れと同じ向きでジャークしても短い移動距離でクイックなターンの連続ができます。フォールは眼のある面を下に向けてキラキラとロール。当て潮に押されてもストンッと落ちずにフォールでも誘えます」

アテジオは、フォールでもキラキラとロールしながら誘う効果もある。

上津原「このジグは、やや後方重心でフォールはバックスライド気味に斜めに落ちていく。フォール中も潮に押し戻されにくいから、潮が当たる面をタイトに攻めやすいです」

当て潮攻略は、専用設計のメタルジグが強力な武器になってくれそうだ。

上津原「ただ、弱点もあります。払い潮で使うと流れに逆らって引くことになり、ものすごい引き抵抗でジグが浮きやすくなる。ジグ筋は鍛えられますけど(笑)。払い潮のときは水抜けの良いコルトスナイパー・ロングを使います」

アテジオは当て潮以外で使えないのか?

上津原「シルエットの違いや、魚種の釣り分けで出番はあります」
上津原「メタルジグは、シルエットの違いで魚の反応が変わることが良くあります。流れの向きに関係なく、アテジオとロングの形状の違いで喰う、喰わないの差が出ることがあります。あとカツオ系が回遊しているときは、アテジオを中層でゆったりめのワンピッチで通すのも有効です」

ファイトが楽しめるのも磯のショアジギングの魅力
フロントアシストフック仕様のメタルジグは、基本的には魚の口周りにしかハリが刺さらないため、かけた魚の自由度は高い。「ブリはヒラマサと比べると引きが弱いと言われていますが、メタルジグでかけると横方向に長駆するファイトが楽しめます。強引に寄せて取り込むこともできますが、元気なうちに磯に上げるとバタバタ暴れて大変ですからね」

上津原さんのYoutubeチャンネルをチェック!

上津原さんはYoutubeチャンネルで釣行内容を配信している。下の動画では、アテジオを使用した実釣も行っているので、興味のある方は是非、視聴してみて欲しい。


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