エリアトラウト伝説的スプーン『ミュー』&『パル』の釣れるテクニック5TIPSを解説

エリアの代表的なルアーといえばスプーンだ。しかし、あまりに種類が多いため、ビギナーは何をどう使っていいかわからなかったりするもの。そこでスプーンの釣りを得意とする池谷哲哉さんに基本操作法+めっちゃ釣れるミューとパルの使い分けを解説してもらった。今回はミューとパルの釣れるテクニック5TIPSを解説。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

池谷哲哉さんのプロフィール

池谷哲哉(いけや・てつや)

フォレスト・フィールドテスター、ヴァンフック・フィールドアドバイザー。スプーンの達人としてエリア界にその名を馳せる実力派。トラウトキング選手権・東山湖FA大会では2度の優勝経験を誇る。最近よく通っているのは東山湖FA(静岡県御殿場市)と須川FP(静岡県駿東郡小山町)。釣り場で出会ったら、スプーンの使い方を教えてもらっちゃおう!!

釣れるテクニックを習得し、エリアの華「数釣り」を堪能せよ

目視&巻き上げで魚の居場所を探そう

ではどのレンジから探るのか。

池谷「まずは周囲を観察しましょう。今日の加賀FAのように、魚が水面でポチョポチョやっている(群れの位置:水深を目視できる)ようなら、いきなりそこを攻めちゃいましょう。対して魚が見えない、あるいはマッディな釣り場ならとりあえず表層を攻めます」

表層から順に攻めたほうが、沈める時間が省けるため釣りが効率的なのだ。それで反応がない場合は、今度は巻き上げという技を使う。その方法は以下のとおり。

池谷「スプーンを投げたら、カウントダウンで水深をチェックし、そのまま巻き上げに移行する。沖のボトムから手前(表層)に向かって水中を斜めに引くんです。巻き始めでアタリがあれば底付近、ある程度巻いてからバイトがあれば中層…という感じで、魚のレンジや居場所を大雑把に探れる。投げる方向(隣りに注意)や距離を変えてこの巻き上げを試せば、どこかで魚に当たるはずです」

魚が当たったら、最初にチェックした水深(カウント数)を参考に、そのレンジを重点的に探る。この方法を繰り返すことで、基本的にはどの釣り場でも、どんなスプーンを使っていても魚の居場所を探り当てられるのだ。

管理釣り場はとにかくたくさん釣れるのが魅力だ。レンジとスピードを合わせれば、魚は比較的簡単に食ってきてくれる。 [写真タップで拡大]

ルアー(=選択肢)は多いほど有利だ。しかしまずは手持ちのルアーの特徴を知り、それをしっかり使いこなすことが大切なのだ。 [写真タップで拡大]

スプーンを使いこなせば、難しい状況でも魚が連発したりする。パズルのように正解(=爆釣)へのピースを集めていこう!! [写真タップで拡大]

糸フケを出しすぎて、ラインが弛まないように注意する。ラインが弛むほどに感度や操作性が悪くなってしまうのだ。軌道は真っすぐが基本。 [写真タップで拡大]

リリーサーを使いこなせば、釣りのテンポが上がる。釣ってすぐにリリースできるので、わずかな時合いであってもキャスト数を増やせる。

スプーンでマスを釣るためのTIPS

スプーンの泳ぎをチェック

池谷「タックルやルアーを換えたら、いきなり沖に投げるのではなく、毎回足元で泳ぎを確認しましょう。そのときに浮きも沈みもしない速度があるはず。それが最もきれいに泳ぎ(=釣れる)、レンジキープもしやすい速度です。これを覚えておき、その巻き速度を沖で再現しましょう」

ラインを水に浸ける

池谷「キャストして糸フケを巻き取ったら、竿先を下げ、ラインを水に浸ける。この動作を入れることで風の影響を受けにくくなるほか、ラインが濡れてその視認性が高まります」

一定のスピードで巻くのがコツ

池谷「スプーンを投げたら、まずはラインの弛みを竿先で正します。余分なラインは巻き取る。軌道が真っすぐになれば、スプーンを泳がせるコースがわかりやすく、また弛みもないため、操作感度が大幅に高まる(魚のアタリが手元に伝わりやすく、しかもフッキングも決まりやすい)。基本操作はただ巻き。スプーンの泳ぎが乱れないように、一定のスピードで巻くのがコツです」

いま攻めているレンジを知るTIPS

池谷「ビギナーに何より意識してほしいのが、いま攻めているレンジがどこなのか、それを把握することです。『なんだそんなことか…』と思うかも知れないけど、これができるできないで釣果に歴然とした差が出る。レンジを確認する方法は、カウントダウンです。スプーンを投げたら、着底まで1、2、3……とカウントを取り、そのカウント数(秒数)によってスプーンを泳がせる水深をコントロールする。釣れないときは、まず『レンジが合っているか』をもう1度確認してください」

着底までのカウントは、タックルやルアー、流れの有無によっても変わる。ルアー交換時はもちろん、何か別のことをするときは再度カウントを取ろう。これによって釣りの再現性を高めていく。

ロッドの位置で巻き速度を微調整するTIPS

池谷「スプーンは、操作法(水の当て方)によって、アクションスピードを微調整できる。比較的簡単にできるのは以下のふたつ。それは平行巻き(横泳ぎ)と立ち泳ぎ。例えば、放流魚を釣るときは、スピードと波動がほしい。こんなときは、ロッドを寝かせた状態で、普通に巻いてやる。対して魚の活性がちょっと落ちたときは、相手の速度に合わせてゆっくり巻きたい。この場合は竿を立てた状態で巻くと、ちょっとだけ低速で引けるようになります」

主な特徴

泳がせ方解説
平行巻き(横泳ぎ)きれいなアクション+理想的な波動が出る。高速から中速巻きが得意。
立ち泳ぎ中速から低速巻きに対応するが、竿を立てすぎるとイレギュラーが入るので注意。

池谷「劇的に速度が変わるわけではありません。あくまで微調整の範囲ではある。ただ、竿のポジションだけで巻き速度が変えられるのはなかなか楽ちん。これを覚えておくときっと役立つはず」 [写真タップで拡大]

魚の状態に合ったスプーンを投げれば、それだけ深いバイトが得られ、無駄なバラシが激減するのだ。 [写真タップで拡大]

スプーンを使い分けるTIPS

ミューとパルの使い分けに慣れてきたら、お次は手持ちのスプーンを少しずつ増やしていきたい。ミューとパルができない仕事を、別のスプーンに担わせることで、エリアの釣りはどんどん奥深くなっていくのだ。そこで、池谷さんに「最低限これがあればなんとかなる」という定番スプーンを挙げてもらった。

池谷「これらの4タイプを使い分ければ、およそどんな釣り場にも対応できる。あとは、自分がよく行く釣り場に合わせて種類や色を増やしていけば手持ちが固まっていくはず」

上から順番に巻き速度が早いスプーン

ミュー 2.2g【フォレスト】

自動的に食わせの間が入る傑作。速巻き+遠投対応で、ヤル気マンマンの高活性魚を狙い撃つ。

ファクター 1.8g【フォレスト】

オールラウンドな常用スプーン。速度域が若干遅めで、しかもレンジキープしやすいのが魅力。

パル 1.6g【フォレスト】

じっくり見せて釣るのが得意(速度域はさらに遅い)。表層から低層まで幅広いレンジを探れる。

フィックスマッチ 1.3g【フォレスト】

1.3gと軽量ながらあらゆる水深を攻略可。プリプリ系のアクションで、食わせにも使える。

定番リリーサーがリニューアル! 素早いリリースTIPS

2点リリースポイントを採用するなど、抜群の使い勝手を誇るトマホークリリーサーがブラッシュアップ。今秋発売された2代目は、握りやすい独自形状グリップを採用。「いちいち目視せずとも、握った瞬間に先端(リリーサー)の向きがわかる。それゆえに(持ち直したり、フックを掛ける方向を考えることなく)すぐさまリリースの動作に入れる。試合中はもちろん、普段の釣りでも使いやすい。僕はブルーを愛用してます」と池谷さんも満足の逸品だ。

トマホークリリーサーII【フォレスト】

項目情報
全長345mm
カラーシルバー、ゴールド、レッド、グリーン、ブルー、パープル、ピンク
価格5,500円(税込)

リリーサー

2点リリースポイント採用。先端の開口部が広めなのでフックを引っ掛けやすい。ステンレス製。

EVAグリップ

雨に濡れても滑りにくい高品質EVA素材を採用。浮力があるので、万が一落としても水面に浮く。

グリップエンド

スパイラルコード(尻手ロープ)を接続できるホール付き。アルマイト処理の染色塗装も美しい。

『エリアトラウト ギア&マニュアル』発売情報

『エリアトラウト ギア&マニュアル』

日進月歩するエリアトラウト専用アイテム群。ルアー、ロッド、リールはもちろん、ラインやフックでゲーム展開が激変するシビアな世界だ。そこで先鋭化するNEWアイテムを、ルアーマガジン編集部ならではの徹底した取材と美細なビジュアルでコンテンツ化! また最新ハウツーを盛り込んだ「エリアトラウト入門」パートも充実。基礎情報も更新されまくりの必読書です!

  • 発売日:2022年11月16日

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