ルアーマガジン本誌の名物企画、同一メーカーの同一用途のタックルを3つの価格帯で比較する「3Gインプレッション」が舞台をエリアトラウトに変えて登場。テスターはバスプロとして活躍しているニンジャさんとルアー専門店オーナー駒崎祐典さんの2人。今回はシマノ2022年『ステラ C2000S』の使用感を紹介していく。
●文:ルアーマガジン編集部
22 ステラ C2000S（シマノ）
すべてのシマノ・スピニングリールの最上位機種
過去から積み上げてきた高い完成度にインフィニティ（無限大）の名称を配した3つのコンセプトを追装。ギアの耐久性（インフィニティクロス）、キャストフィール（インフィニティループ）、巻き上げ性能（インフィニティドライブ）を身にまとい、2022年春、4年振りのモデルチェンジを果たした。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 自重 | 170g |
| ギア比 | 5.1 |
| 巻き取り長さ | 69cm/ハンドル1回転 |
| 最大ドラグ力 | 3.0kg |
| 標準糸巻き量 | 3lb・110m、4lb・85m（フロロ） |
| ボール/ローラーベアリング数 | 12/1 |
| 価格 | 86,600円（税別） |
「POINT.1」外観デザイン
渋い大人の嗜好品
高級感があふれ出てます。もちろんいままで通り最高峰な感じもしますが、以前のステラから比べると大人の雰囲気？ なんというか、派手大人じゃなくて渋い大人。道具というよりも嗜好品ですね。
所有感をくすぐられる
18ステラよりもシックさが増したというか、ムダがなくて眺めていられる。いわゆる自宅で眺めているだけで満足するという、所有感をくすぐられるデザインですね。
「POINT.2」回転・巻き心地
雑味のないシルキーさ
シマノのリールはシルキーってよく言われますが、ただ軽いだけではない、雑味のない巻き心地は、まさにシルキーの極み。これを味わうと、もう後には戻れませんね……。
18ステラを超える超進化
ステラの系譜である重厚でシルキーで上質な巻き心地はもちろん踏襲されてるんですけど、01ステラ振りかな、スーパースローオシュレート機構が搭載されて、切り替わりが少ない分、異音がさらにない。18ステラもすごかったですが、あっさり超えてきました。
「POINT.3」ドラグ
雑なファイトでも安心
元気のいい魚をかけても安心感があります。わざと手前で暴れさせたりしましたがバレない。雑いことをしてもリールが助けてくれます。
新素材ワッシャーが奏功
非常にスムースで、これ以上のドラグはないだろうと。カスタムする必要なくなっちゃったかなと思いました。ドラグ自体も進化してきましたが、ドラグワッシャーが新素材（デュラクロス）に変わったことでドラグ力が長持ちするし、耐久性もありますね。
「POINT.4」糸ヨレ・キャストフィール
スッと飛んでいく
0.3号のエステルでそもそも細いし、なじみがいい銘柄ではありますが、糸ヨレは全く無し。細かい機構的な話などはよくわかりませんが、キャストフィールも飛び抜けていいです。スッと飛んでいきます。気持ちいい！
ひと伸び以上に伸びる
今回テストしてきた中では、一番糸ヨレは起きないであろうと感じます。オシュレートが低いってことは限りなく平行に巻けるんですよ。それと新しく追加されたストッパー（アンチツイストフィン）でほぼ無抵抗でもしっかり巻ける。もうひと伸びではなくそれ以上に飛ぶ。エリアトラウトではメリットでしかないです。
「POINT.5」総合的使用感
釣りで至高の1日を過ごすための道具
いつかはステラという言葉が釣り人にあるように、買ってしまえば10年選手どころじゃなくて一生物。個人的にはトーナメントに使うのであればステラじゃなくてもよくて、それ以上の喜び、至高の一日を最高のタックルで過ごしたいのであればこれ以上ないリールだと思います。
それでも財布を開かせる完成度
金額でいえば躊躇してしまいそうですが、それでも市場でまったく足りてないのがこのステラです。1台試しで買った人が2台目3台目と買っていきます。実際に触ってみて、そりゃ買っちゃうよなと思いました。買えばわかるし使えばわかる。お財布を開かせちゃう完成度ですね。
まとめ対談
駒崎「魚種に関係なく釣り人の永遠の憧れですよね。実際にそこまでたどり着くかは別として、ステラを知らない釣り人はほとんどいませんから。いいリールって何？ と聞かれてまず出てくるリールがステラ。それでもまだ進化を止めていないのはシマノの本気を感じます」
ニンジャ「モデルチェンジのたびに『ほぉ』ってなりますけど、今回もそうでしたね」
駒崎「もはや驚愕ですよ。スーパースローオシュレートが特にすごくて、飛距離はもちろん巻き感とか感性とかが別次元になってる。いままでのステラとは別のシリーズと言ってもいいくらいです」
ニンジャ「昔のスローオシュレートってライントラブルが多いイメージだったんですけど」
駒崎「それを補う機構が付いて、格段に変わってます」
ニンジャ「そこまで考えられてると」
駒崎「短い時間ですけど使ってみてホントに何も不満がなかった。エステルラインでもトラブルはなかったし、逆に長く使うことでそれがどう変わるか。使い勝手が悪いところが見つかるのも嬉しいみたいな、それくらい完璧でした」
ニンジャ「長い間使ってみたいですけど、戻れなくなるのは嫌なので、やっぱり僕はインプレでは触りたくなかったです（笑）」
ココが推し！
一切の不満が無い最高峰の極み！
やりたいことが「全部できる」！
テスターの2人をご紹介
センドウ・タカシ（千藤卓）
バスプロとして活躍する傍ら、エリアトラウトにも本格的に取り組む。ニンジャの愛称で知られるマルチアングラー。
駒崎祐典（こまざき・ゆうすけ）
東京都足立区のルアー専門店「アングラーズショップマニアックス」のオーナー。
ニンジャさん使用ロッド＆ルアー
ルアー
スプーン上段左から、ディッシュ0.3g（ディスプラウト）、ノアB2.6g（ロデオクラフト）。真ん中、ブング0.6g（ティモン）。下段左から、アキュラシー0.9g（なぶら家）、ハイバースト1.6g（ヴァルケイン）。
プラグ上段左から、アンフェア35F（ラッキークラフト）、ミート33DR-F（ノリーズトラウト）。真ん中、ダブルクラッチ45F（DAIWA）、下段左から、チェルシーF（ロブルアー）、DSベビーバイブ（ディスプラウト）。
駒崎祐典さん使用ロッド＆ルアー
ルアー
スプーン上段左から、ノアB2.2g、ノアS1.4g（ロデオクラフト）。真ん中、ハントグランデ1.3g（ニュードロワー）。下段左からハイバースト1.6g（ヴァルケイン）、鱒玄人ギー0.6g（ノリーズトラウト）。
プラグ上段左から、シャインライド（ヴァルケイン）、RCディープクラピー（ロデオクラフト）。真ん中、イーグルプレイヤー50スリム/GJ（ディスプラウド）。下段左から、オペラF（ムカイ）、イーグルプレイヤーMR（ディスプラウト）。
インプレに使用したライン
スーパートラウトエリア ES2 エステル0.3号
今回全てのリールに巻いたのは、バリバスの「スーパートラウトエリア ES2 エステル0.3号」。メリットとデメリットが相反するエステルラインのデメリットを解消した新コンセプトラインだ。
『スーパーエステル』の登場によって、エステルラインが市民権を得てエリアゲームの進化は加速中。そして『ES2』の登場によって、エステルラインのメソッドの多様化が加速しています。エリアゲームの転換期を覗く[…]
今回インプレで利用した釣り場
東山湖フィッシングエリア
東名御殿場インターからすぐの人気エリア。多くのトラウトが放流され、数釣りから大物まで、コンディション抜群の魚たちと遊ぶことができる。営業時間、券種、釣果情報などはWebサイトへへ。
| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 管理釣り場 | 東山湖フィッシングエリア |
| 所在地 | 〒412-0024 静岡県御殿場市東山1077 |
| 電話番号 | 0550-82-2161 |
| Webサイト | https://www.higashiyamako.com/ |
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