『19 ヴァンキッシュ C2000S(シマノ)』をエリアトラウトでインプレしてみた

ルアーマガジン本誌の名物企画、同一メーカーの同一用途のタックルを3つの価格帯で比較する「3Gインプレッション」が舞台をエリアトラウトに変えて登場。テスターはバスプロとして活躍しているニンジャさんとルアー専門店オーナー駒崎祐典さんの2人。今回はシマノ2019年型『ヴァンキッシュ C2000S』の使用感を紹介していく。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

19 ヴァンキッシュ C2000S(シマノ)

MGLシリーズ最軽量を誇るスタイリッシュなスピニングリール

さらなる操作性と感度の向上をはかるべく軽さにこだわり2019年にモデルチェンジされたヴァンキッシュ。ラインナップ全体から見た価格帯から本企画ではミドルグレードに分類したが、ステラとは対をなす軽さと感度を追求するMGL(マグナムライト)シリーズでは最高峰と言えるだろう。

項目スペック
自重145g
ギア比5.1
巻き取り長さ69cm/ハンドル1回転
最大ドラグ力3.0kg
標準糸巻き量3lb・110m、4lb・85m(フロロ)
ボール/ローラーベアリング数11/1
価格61,000円(税別)

「POINT.1」外観デザイン

車で言うならスポーツカー

ニンジャ
ニンジャ

シュッとした、若い感じですね(笑)。エリアトラウトっておじさん向けというとヘンですけど、暖色系のカラーがイメージされますけど、これはバスが元だからかな、テイストがスポーティー。モノトーンでカッコいいですよね。

年齢を気にしないカッコよさ

駒崎
駒崎

カッコいいです。初めてリリースされた12ヴァンキッシュと16ヴァンキッシュはシルバーがメインで入ってましたけど、今回は全面黒を基調にしてシックなイメージになりましたね。若者から年配のアングラーまで、誰が持っても嫌じゃないと思います。

「POINT.2」回転・巻き心地

サラッとした軽さ

ニンジャ
ニンジャ

極めて軽いんだけどシルキーさもある。ヌルっとじゃなくてサラっと軽い。例えるなら、トレーシングペーパーみたいな感覚? 軽いスプーンを巻き続けたくなる、いい軽さです。

水中をイメージできる

駒崎
駒崎

クイックレスポンスのシリーズなので、ローターが軽くて巻きも軽いんだけど、シマノさんならではのシルキーな要素も残っている。異音もなくて水中をイメージしやすい巻き心地ですね。

「POINT.3」ドラグ

意のままに操作できる

ニンジャ
ニンジャ

普通っていうのもおかしいかな。でも魚の突込みにも不安感はないし、ピッチの細かい調整もできて、止めたいところでしっかり止まってくれる。このままでも十分過ぎますが、ドラググリスなんかを変えた時にどう化けるか気になります。

繊細でいて大物にも対応

駒崎
駒崎

ダメなところがないですよね。アラ探しじゃないからいいんですけど、ピッチも細かくて、大物がきても問題ないシマノさんらしいドラグ。吊るしの状態だったら最高峰だと思います。

「POINT.4」糸ヨレ・キャストフィール

抜けが素晴らしい

ニンジャ
ニンジャ

使ってる時間では糸ヨレはありませんでした。飛びはさすがシマノのスプール形状って感じで抜けがよくて違和感なく飛びます。

機構がもたらす飛距離

駒崎
駒崎

特になかったです。あったとしても感じないレベル。価格ならでは抜けの良さで、キャストフィールは安定してますね。糸ヨレがないから密に巻けてそこからの放出が良いってことなんだと。ほかのリールよりも飛ぶと思います。

「POINT.5」総合的使用感

競技でもファンでも納得

ニンジャ
ニンジャ

納得のプライスですね。このくらいの値段になると性能的には問題ないので、あとはもう好みの問題。ゆくゆく大会に出てみたいなと思っても十分勝負にいけるし、エリアトラウトで休日に釣りを楽しむレベルであれば余裕で10年は持つでしょうから、その意味ではコスパはすごく高いと思います。

アングラーをサポートしてくれる

駒崎
駒崎

決して安くはないですが、さすがクイックレスポンスシリーズのハイエンドですよね。メタルと樹脂を配合したボデイなので、軽さがあるなかでも堅牢さとか感度がリール自体に備わっている。アングラーのやりたいことがそのままできるようにリールがサポートしてくれます。釣れるリールだと思います。

まとめ対談

駒崎「やっぱり強さですよね。昨今色んなエリアがあるなかで、レギュラーサイズだけじゃなくて大物、最近増えてるキャッチ&イート系なんかのエリアでもこの強さはアドバンテージになる。どんな釣りをやっても平均点以上のことができるのは素晴らしい。個人的には好きな機種でした」

ニンジャ「これまた文句はないですよね。僕はどうしてもトーナメント目線で、巻きの軽さと感度を優先で考えがちですが、これは、シマノらしいシルキーさと高い感度を合わせ持つ実戦機だと感じました。さらに、剛性、堅牢さを含めてそれがバンキッシュの魅力だなと」

駒崎「感度って違和感なんで、リール的には弱いってことなんですよ。でもその弱さから遠くにあってさらに感度まで備わっているのがヴァンキッシュで、正直エリアトラウトの釣り人の間ではステラよりも支持はある。それはもちろん価格もそうなんですけど、いまのエリアの現状に則しているってことだと販売店としては捉えてます」

ニンジャ「パワーの欲しい操作系の釣りにも巻きの釣りにもイケますね」

駒崎「メーカーにこだわらないなら、ボトムとか放流とかパワーとか瞬発力が必要ならDAIWA派の人でも入れてほしいですね」

ニンジャ「トップクラスの人間は実際使い分けてる人も多いですよ」

ココが推し!

ニンジャ
ニンジャ

高い安心感!

駒崎
駒崎

ダメなところが「ない」!

テスターの2人をご紹介

センドウ・タカシ(千藤卓)

バスプロとして活躍する傍ら、エリアトラウトにも本格的に取り組む。ニンジャの愛称で知られるマルチアングラー。

駒崎祐典(こまざき・ゆうすけ)

東京都足立区のルアー専門店「アングラーズショップマニアックス」のオーナー。

ニンジャさん使用ロッド&ルアー

ロッド

左から、62ML、60ULST、61L(すべてプロト)、シルバーナ瀧TZ 59TSリミテッド(テールウォーク)、エリアドライブTS ARD-62T-DTS(バリバス)。

ルアー

スプーン上段左から、ディッシュ0.3g(ディスプラウト)、ノアB2.6g(ロデオクラフト)。真ん中、ブング0.6g(ティモン)。下段左から、アキュラシー0.9g(なぶら家)、ハイバースト1.6g(ヴァルケイン)。

プラグ上段左から、アンフェア35F(ラッキークラフト)、ミート33DR-F(ノリーズトラウト)。真ん中、ダブルクラッチ45F(DAIWA)、下段左から、チェルシーF(ロブルアー)、DSベビーバイブ(ディスプラウト)。

駒崎祐典さん使用ロッド&ルアー

ロッド

左から、ダーインスレイヴ61ML -AGS Rev-S、62MLガイアブリッツ、61ISUL(すべてヴァルケイン-マニアックスコラボリミテッドモデル)

ルアー

スプーン上段左から、ノアB2.2g、ノアS1.4g(ロデオクラフト)。真ん中、ハントグランデ1.3g(ニュードロワー)。下段左からハイバースト1.6g(ヴァルケイン)、鱒玄人ギー0.6g(ノリーズトラウト)。

プラグ上段左から、シャインライド(ヴァルケイン)、RCディープクラピー(ロデオクラフト)。真ん中、イーグルプレイヤー50スリム/GJ(ディスプラウド)。下段左から、オペラF(ムカイ)、イーグルプレイヤーMR(ディスプラウト)。

インプレに使用したライン

スーパートラウトエリア ES2 エステル0.3号

今回全てのリールに巻いたのは、バリバスの「スーパートラウトエリア ES2 エステル0.3号」。メリットとデメリットが相反するエステルラインのデメリットを解消した新コンセプトラインだ。

今回インプレで利用した釣り場

東山湖フィッシングエリア

東名御殿場インターからすぐの人気エリア。多くのトラウトが放流され、数釣りから大物まで、コンディション抜群の魚たちと遊ぶことができる。営業時間、券種、釣果情報などはWebサイトへへ。

項目情報
管理釣り場東山湖フィッシングエリア
所在地〒412-0024 静岡県御殿場市東山1077
電話番号0550-82-2161
Webサイトhttps://www.higashiyamako.com/

『エリアトラウト ギア&マニュアル』発売情報

『エリアトラウト ギア&マニュアル』

日進月歩するエリアトラウト専用アイテム群。ルアー、ロッド、リールはもちろん、ラインやフックでゲーム展開が激変するシビアな世界だ。そこで先鋭化するNEWアイテムを、ルアーマガジン編集部ならではの徹底した取材と美細なビジュアルでコンテンツ化! また最新ハウツーを盛り込んだ「エリアトラウト入門」パートも充実。基礎情報も更新されまくりの必読書です!

  • 発売日:2022年11月16日