2023年レジットデザイン新作ロッドは「深化する」バスシーンに合わせた珠玉の3機種!鬼形毅が徹底解説!!

一度使うと手放せない、多くのアングラーに支持されるレジットデザインから、今年は3本の新作がリリース。どれも現在のバスフィッシングシーン、進化するテクニックに合わせたロッドたちだ。具体的なロッドの特徴を、ロッドプロデューサーの鬼形さんに話を伺った。 

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

鬼形 毅 (おにかた・たけし)
レジットデザインC.O.O.として、ロッドのデザインとブランドのプロデュースを手掛ける。現在も競技の舞台に身を置き続けている第一線のトーナメンターでもある。バスフィッシングの豊富な知識を活かし、艇王などの解説者としても活躍。  

ワイルドサイド  ヴァリアントモデル WSC-ST65ML/TZ

小型高比重ノーシンカー・小型ジグで圧倒的使用感を生み出すライトカバースペシャル

ヴァリアントモデルからの登場になるのがこのロッド。

鬼形「6ft5inのミディアムライトの表記のロッドで、比較的ライトなカバーを撃っていくためのロッドです。ソリッドティップが入っていますが、そんなに柔らかいティップではありません。で、バットは強め。作るきっかけになったのは、自分のホームである霞ヶ浦・北浦で、小型の高比重ノーシンカーワーム、カバースキャット2.5inとかファットヤマセンコー3inとか、そういったものをカバーに入れて釣る場合、しっくりとくるロッドがなかったんです」

――やはりベイトフィネスだとパワー不足は否めない。

鬼形「カバースキャット2.5inだと、小型ですがフックは3/0とかをつけることになりますからね。長めの610MLのソリッドティップがワイルドサイドにはあるんですけど、パワー的にはこれでよかった。小型の高比重ノーシンカーから2.7gテキサスとかベイトネコとか、そのあたりに対応しますよ。ただちょっと長かった。下からのピッチングにはちょうどいい長さなんですけど、今の霞ヶ浦・北浦だとシャローすぎて船が寄せられない場合がある。そうなるとサイドキャスト・ショートキャストで投げ込むほうが楽。ってなると610は長いと感じたんです」

鬼形「それで、ベイトフィネスよりは強め、610MLよりは短くてブランク全体に重みが乗るようなテーパー。そうやって味付けしていって出来上がったのがこのロッドですね。フッキングも良いしキャスト精度も高い、バットパワーも上がっているので、結果としてシャローだけでなく深い場所の高比重の釣りにもマッチします。桧原湖では琵琶湖同様のカバースキャットの釣りを2.5inでやったりしますから。あとは5g程度のヘビダンも気持ちよく使えますよ。ちょっとブームになりつつある、サイコロラバーのリアクションダウンショットにも良いですね」

――このスペックをバリアントで出す意味合いはどういったところだろう?

鬼形「ワイルドサイドには67L+というベイトフィネスモデルや、先ほど言ったソリッドティップの610MLがあって、その辺りと比較しながら作っていったんですけど、まぁやっていることはマニアックなわけです。それに、ソリッドティップにすると先端が重くなりますから、そこを解消するには軽量なトルザイトがベストだった。スペック的にマニアックな部分に突っ込んでるというのと、ティップ側の軽快さなどを考えていくと、ヴァリアントで作ったほうがいいんじゃないかなという感じですね」

【スペック】

  • 全長:6ft5in
  • 適合ルアーウェイト:3.5〜11g
  • 適合ライン:6〜14lb
  • 価格:55,000円(税込み)

鬼形さんによる解説動画も必見!

ワイルドサイド WSS-68L

表層ワカサギロッドはこれ1本でまかなえるスタンダード版

ワイルドサイド WSS-68Lは表層ワカサギパターン専用ロッドだ。

鬼形「桧原湖には高梨洋平プロがいるんですけど、彼と話をしていてコンセプトができたロッドです。ずばり表層ゲーム用。ハンクルジョーダンやナギサ、プルなどワカサギ系のルアーを引いてきたり放置したりする釣りですね。あとは、ワームをスイベイルだけのキャロで使ったり。これまではソリッドの65Lとか69L+とかをルアーごとに使い分けてて、もちろん1本で全部こなせないということは重々承知の上で、最大公約数的な1本があったらいいよねってことで作りました。表層ゲーム用で迷わない、スタンダードな1本っていうイメージですね」

――では、表層ワカサギパターン用のロッドに求められる性能とは?

鬼形「ハンクルジョーダンだと3.5gほどで、まずはそういった軽いルアーを遠投できるというのが第一。そしてルアーを漂わせている時間も長いので、ラインはたるんでいる場合がほとんど。その状態から瞬時にフッキングしていくには、このレングスは必要かなと。7ftとかもっと長くしちゃうと、今度は小技を効かせたアクションがつけにくいので、この長さに落ち着いています。最後まで調節していったのはフッキングレスポンス」

鬼形「使うのはハードベイトの60mmクラスと、2~3inクラスのソフトベイト、ノーシンカーかスイベルキャロ。トレブルフックとマスバリでは求められるフッキングパワーも違ってきますが、うまく1本にまとめられたかな、と思います。山上湖の春のスポーニング前のワカサギパターンはもちろん、夏の房総リザーバーの酸欠ワカサギパターン、秋の琵琶湖のワカサギパターンもあったりするので、実はオールシーズン活躍するロッドになっていますよ」

【スペック】

  • 全長:6ft8in
  • 適合ルアーウェイト:MAX14g
  • 適合ライン:2.5〜5lb
  • 価格:39,600円(税込み) 

監修者・高梨さんよる解説動画も要チェック!

ワイルドサイド WSS-ST63XUL

房総レンタルボートでのサイトフィッシングならこれにお任せ 

――ワイルドサイド WSS-ST63XULはサイトフィッシング専用として開発。

鬼形「これはサイトフィッシングロッドなんですが、サイトにもいろいろある。サイトのなかでも、関東のレンタルリザーバーで、スワンプマイクロとかアースワームとか、本当に小さいワームのノーシンカー、超軽量のネコリグやダウンショットを使った釣りですね。ワームサイズとしてはマックスでサイコロラバーくらいですね。求められる性能は、そういった軽いリグを正確に素早くプレゼンテーションできること。ソリッドティップなんだけど、パラボリックに曲がってくれるからとてもなげやすく仕上がっています」

――そしてグリップが短いのが特徴になっていますが、それはどういった理由から?

鬼形「基本、ワンハンドでのキャストで、サイドキャストとかバックハンドとか、魚を見つけたら瞬時に投げていかないといけないから、リアグリップは短い方が絶対にいい。手首だけでいろいろな体勢のキャストがしやすくしてあります。ワイルドサイドの61のスピニングと比べてもとても短くしてあります。なので有効レングスは結構長いですよ」

グリップ長は短めに。オーバーハング下など、周囲をカバーで囲まれた場合でも手首だけでキャストすることができる。 

鬼形「アクション面でも、小さいルアーを細かくシェイクしていかないといけないから、ティップを震わせるためのソリッドティップにしてあると。フロロだけでなく、PE0.2号とか細いPEでも使いやすくなってますよ。関東リザーバーはどこもサイトフィッシングが必要な場面って絶対あるので、そういったレンタルボートで、まわりがオーバーハングに囲まれているといったシチュエーションでも使いやすくなっていますよ。XULですがアラミド補強もあるのでキッカーサイズがヒットしても安心のロッドになっています」

【スペック】

  • 全長:6ft3in
  • 適合ルアーウェイト:0.9〜5g
  • 適合ライン:2〜5lb
  • 価格:39,600円(税込み)

※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。