ルアーを見せすぎない『ジョイントフカベイト』城ノ上巧さん春のロクマル狙い3大ルアー

50cmオーバーですら夢のまた夢、というアングラーが大半を占める関東のプレッシャーレイク亀山湖において驚くべき頻度で「ロク」を手にしている男がいる。その磨き抜かれた理論とノウハウを春の亀山湖で追った。城ノ上巧さんの春のロクマル狙い3大ルアー、今回はノリーズ『ジョイントフカベイト』を使った攻め方をレポート。ルアーをことごとく見切るロクマルは繊細な操作を要求される。狙い目のポイントとともに紹介する。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 イカメタル特集

城ノ上巧さんのプロフィール

城ノ上巧(じょうのうえ・たくみ)

1974年千葉県出身。二十歳を過ぎてからバス釣りをはじめ、高滝湖で開催されているNBCチャプター南千葉では初年度で年間チャンプに。その後ホームグラウンドを亀山湖に移し、「ロクマル」だけを念頭においた独自のパターンを構築。2018年に釣った64cmを皮切りに、これまでに7本の60cmオーバーをキャッチしている。

尊敬する田辺哲男さんに「もはや次元が違う」と言わしめるほどの実力で、今日もでかバスを求め湖上へ繰り出す。好きなビールの銘柄はエビスビール。

ルアーを見せすぎない発想

細かく刻んでバスに近づけていくギルチャットとは打って変わって、ジョイントフカベイトの使用法は非常に対照的だった。

最初に取り出したのは藤林大橋の橋脚。「アウトサイドの一等地」のひとつだ。

まずは1投目、城ノ上さんは上流側から橋脚の右にアプローチ。ただし着水点は橋脚の奥、1m以上離れた位置である。

城ノ上「亀山湖のバスって、さんざんルアーを見せつけられているわけです。目の前に落として食うほど簡単じゃない。だからバスの位置が想定できるスポットでは、あえて距離を取ったりもします。ジョイントフカベイトをデッドスローで引いて、橋脚から魚を外に引っぱるイメージですね」

次のキャストでは橋脚ギリギリを通したが、このときはリトリーブスピードを上げた。バスに近いので見切られやすい、だからスピードで騙すという発想だ。

城ノ上「初めてロクマルを釣ったときに感じたんですよ。とことん繊細にやらないとダメなんだな、と」

あえて橋脚ビタビタに通さず、離して呼び込む。ジョイントフカベイトのルアーパワーありきのアプローチだが、ほかのルアーやシチュエーションでも応用が効く。

島まわりのマジック

ロクマルはいったいどこで産卵を行っているのだろう?

城ノ上さんの経験上、その可能性が高いのは「よりとも島」の周辺ではないかという。

城ノ上「アウトサイドとワンドに続いて、春の3大要素を挙げるとすれば『島』だと思います。どこのフィールドでもそうですが、『島』は特別。ほかとは異なる要素が詰まっているせいかもしれません」

昨年の4月、城ノ上さんは動画ロケの最中に61.5cm、4,700gをキャッチした。場所はよりとも島脇の巨大なウッドカバー。亀山湖のアングラーなら誰もが知っているスポットだった。

城ノ上「よりとも島の北側には規模の大きな竹のレイダウンが並んでいて、その対岸にシャローフラットがある。釣れたのは、そのあいだにある経由地のようなスポットでした。実は、直前にシャロー側で別のロクマルが見えていたんですよ。おそらく、竹→カバー→シャローフラットを行き来しながらスポーニングを行なっていると思います」

昨年4月10日、亀山湖でジョイントフカベイトを襲った61.5cm。前半に投げていたギルチャットはチェイスのみで、デカい個体は産卵に備えてOFFのモードだと判断。そうした状態でも食わせられるルアーを選び、誰もが知るよりとも島のウッドカバーでこの10パウンダーを籠絡した。

柔軟性と直感

城ノ上「亀山湖で50cmクラスまでの魚を狙う、もしくは数を釣りたいなら、東側のほうがチャンスは多い。バスの密度も高いですし、主要な流入河川が入っていて、雨が降ったあとなども濁りやすい。それでもロクマルを釣りたいなら西側のエリアは外せません」

それにしても、なぜそこまで「ロク」にこだわるのか。亀山湖は関東でも屈指のプレッシャーレイク。ゴーマルでも充分に自慢できる釣果なのだが?

城ノ上「それは……たぶん、実際にあのパワーを体感した人でないとわからないと思います。僕にとって59cmと60cmはぜんぜん違う」

と言いながらも、取材後半はあえて東側のエリアへ突入。急に降りはじめた大雨を追い風に、濁りのチカラを借りようと考えたわけだ。

城ノ上「結局、いちばん大事なのは自分の直感を信じることだと思ってます。『いまあそこが釣れそうだな』と思ったら、どれだけ遠くても移動して撃ちにいく。『このルアーを、こんなふうにいじってみたら面白いかも? 』とひらめいたら、めんどくさがらずにやってみる。それはすべて自分の経験値が伝えてくれていることだから」

何百日と同じフィールドに通って、それでもなお「いつ来ても楽しい」と城ノ上さん。その秘訣は、誰よりも柔軟にフィールドと向き合う姿勢なのかもしれない。

ジョイントフカベイト(ノリーズ)

発売と同時に大ヒットしたトップウォータープラグ。城ノ上さんは55lbのPEラインを直結して使っている。

基本はデッドスローのただ巻きだが、前述のとおりスポットによって微妙に引くスピードを変えることも。

城ノ上「実はこのプロトタイプはウッド製だったんです。田辺哲男さんから受け取った直後から『釣れる!』と確信しましたが、素材をプラスチックに変えて大丈夫かな? という不安もあった。製品版を試してみると、まったく遜色ないアクションで驚きました」

春のロクマル3大ルアー以外のおすすめ

ディーパーレンジ 1/2oz(ノリーズ)

スピナーベイトのなかでは亀山湖でもっとも多用するアイテム。取材時は崩落などに絡めたり、風の当たるシャローを巻いた。スナッグレストレーラーTCのSサイズ使用。

スクーパーフロッグマグナム (ボトムアップ)

中層で魚を引っぱるイメージで使う。フットボールヘッド10g+インフィニ#5/0をセット。取材の6日後にはこれで55cmをキャッチ!

ギルロイドJr.(イマカツ)

最近使いはじめたお試し中のアイテム。ロッドワークやデジ巻きで首を振らせつつ泳がせる。「しっかりと水を押しているのがいい。水を撹拌してスイッチを入れる能力は、ビッグフィッシュを食わせるルアーの共通項です」

使用タックル

手前からギルチャット用、ディーパーレンジ用、ジョイントフカベイト用、ギルロイドJr.用。

ギルチャット用

項目タックル
ロッドロードランナーヴォイスLTT 650MH(ノリーズ)
リール18バンタム(シマノ)
ラインソラロームRエクスレッド type NS14lb(東レ・モノフィラメント)

ディーパーレンジ 1/2oz用

項目タックル
ロッドロードランナー ハードベイトスペシャル HB640ML(ノリーズ)
リールスティーズA TW1016H(DAIWA)
ラインソラロームRエクスレッド type NS13lb(東レ・モノフィラメント)

ジョイントフカベイト用

項目タックル
ロッドロードランナー ハードベイトスペシャルHB660H(ノリーズ)
リールメタニウムDC(シマノ)
ラインソラロームRルアーPE55lb(東レ・モノフィラメント)

ギルロイドJr.用

項目タックル
ロッドロードランナーヴォイスLTT 680H(ノリーズ)
リールクロナークMGL151XG(シマノ)
ラインソラロームRエクスレッド type NS16lb(東レ・モノフィラメント)

手前からビッグエスケープツイン用、スクーパーフロッグマグナム用。

ビッグエスケープツイン用

項目タックル
ロッドロードランナーストラクチャーNXS STN6100H-St(ノリーズ)
リールスティーズリミテッドSV105 XHL(DAIWA)
ラインソラロームRエクスレッド type NS14lb(東レ・モノフィラメント)

スクーパーフロッグマグナム用

項目タックル
ロッドロードランナーストラクチャーNXS STN700H(ノリーズ)
リール16メタニウムMGL XG(シマノ)
ラインソラロームRエクスレッド type NS16lb(東レ・モノフィラメント)

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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