針先が必ず上を向く! ニシネルアーワークス孤高の癖強ワームフック

ソフトベイトを使う際にはなくてはならないワームフック。各社が展開している高い汎用性や扱いやすさを持つアイテムは、定番品として、多くのアングラーに愛されているだろう。しかしバス釣りでは、予想を裏切る様々なシチュエーションに遭遇しかねない。そんなときには、より状況に特化したもの、特定の狙いを持ったものなど、言わば定番品とは真逆に位置するようなフックが大いに役立つ。ここではそんなフックを『癖強(くせつよ)フック』と呼称。今回は必ず針先が上を向くという、ニシネルアーワークスの「DSフック」をご紹介。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

西根博司さんのプロフィール

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西根博司(にしね・ひろし)

カナダ・オンタリオ州在住。2006年にニシネルアーワークスを設立し、芸術性と実釣性能を兼ね備えたルアーを多くプロデュース。世界中にファンを持つ天才ルアービルダー。

孤高のルアービルダーが作る天地無用のドロップショットフック

ニシネドロップショットフック(DSフック)

針先が必ず上を向くカナダ生まれのドロップショットフック

外掛け結びで使うことでフックが必ず上に向くようにセットできる。ワームが横倒れすることなく、本来のポテンシャルを発揮させることが可能だ。ロングシャンクなのでビッグバスの口に掛かってもラインを外に出してファイトすることができる。

天才の美学が斜めになるフックを許せなかった

カナダ在住の孤高の天才、ニシネルアーワークスの西根さんがドロップショット用のフックをプロデュース。一見するだけで、只者ではない癖強フックだということがわかる。開発の経緯はどのようなものだったのだろうか。

西根「ドロップショットは通常マス針を使うと思うんですが、どうしても満足できないことがありました。それはフックが傾いてしまうこと。ドロップショットミノー3.4inというワームがあるんですが、扁平ボディでフックが少しでも傾くとワームも傾いてしまう。それがどうしても我慢できませんでした。最初は結び方で対処しようとして、2年くらい試行錯誤していました。まず良かったのがパロマーノットで結んでから、リーダー分をもう一度アイの上から通すやり方。そうするとしっかりとフックが上を向く。でもまだ不十分で、釣りをしている途中からノットがズレてきたりする。それでフックが結局傾いちゃうんです。仕方なくノットを瞬間接着剤で固定して、ようやく完成という形でした。でもそうなると工程も増えてやはり不便でした。これはノットだけで解決するのは無理だろうということになり、じゃあハリから考えていようと思って作ったのがこれです」

ジグフックやホバストフックのような形状。このクランク部分にラインを結ぶ。

西根「結び方は外掛け結び。ラインをアイの上から通していき、クランクした部分に4~5回巻きつけて、できた輪に端糸を通して、締め込んでいくと必ずフックが上を向くようになる。外掛け結びは構造がシンプルなのでとても強いノット。リーダーが長くても結ぶのが難しくないのもメリットです」

シャンクが長く設計されているのにも理由がある。

西根「狙いは、五大湖のビッグスモールマウスを確実にキャッチするということ。ロングシャンクにすることによって、フッキングしたときにアイが口の外に出てもフックポイントが口の中に残ってくれる。アイからフックポイントの距離が、5パウンダーのスモールマウスの上唇の厚さと大体同じになっているんです。なので、硬い口周りじゃなくてその奥の柔らかいところに刺さってくれるんです。アイが口の外に出ることでラインブレイクも防いでくれますよ。自分たちはキャストしてというよりはバーチカル気味に釣ることが多いので、ほとんどの場合上顎の一番いいところに刺さってくれます。クランクしている部分でロックされることも多いので、外すのが大変なくらいです。あとは、ロングシャンクだとフッキングしたときにワームがシャンク部分にズレて、ファイト中にワームが飛んでいくということも減りますよ。情報公開すると物凄い反響が返ってきていて、期待度の高さに驚いています。日本でも同じようなドロップショットの釣りが効果的なシチュエーションがあると思うので、ぜひ使ってみてください」

分厚い唇に刺さってもラインアイは外に出る

1番のターゲットは5パウンダーのスモールマウス。通常のマス針だといい場所にフッキングしてもノットが鋭い歯に当たりラインブレイクすることも。そこでロングシャンク化し、ラインアイを外に出すことに。唇をフックで完全ロックすることも珍しくない。 [写真タップで拡大]

【ノット】クランク部分に結ぶことでフックを固定

ノットはエサ釣りなどで一般的な外掛け結びを使用。フックが完全に固定でき、結び方も簡単、ロングリーダーも取りやすいという理想的なシステムだ。外掛け結びは構造的にもシンプルなので、結束強度もかなり高い。

【セット例】基本はチョン掛けその他のセット法も可能

一般的なマス針で使うときのようにチョン掛けでOK。ドロップショットミノー3.4inにベストマッチだ。ロングシャンクのおかげで、フッキングしたときにワームがシャンク側に逃げて、ワームが裂けたり飛んでいったりを防いでくれるという副産物も生まれた。根掛かりの多い場所ではフックポイントを隠して使ったり、ワームをよりキビキビ動かしたい場合は縫い刺しにして使うのも有効だ。

堅牢なワイヤーに摩擦軽減コーティングされたフックで刺さりは抜群。ビッグスモールでも安心して取り込めるフックに出来上がった。 [写真タップで拡大]


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