[エギング]アオリイカが釣れやすい時合いはいつ?「1日3回」のチャンスを逃すな!

春はでかイカのシーズンと言われても、日中に1kg超はなかなか出会えない…。というアナタに、関西のエギング激戦区で活躍するエキスパート釣り師が、苦手意識を克服する方法を伝授!「釣るタイミング・場所・釣り方を合わせることが重要。でかイカに出会うための近道を教えます!」
※本記事は『ルアーマガジンソルト2021年6月号』より抜粋して構成しています

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●写真/文:ルアーマガジンソルト編集部

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解説アングラー紹介

池内 修次(いけうち・しゅうじ)

太平洋側にも日本海側にもアクセスしやすい京都府在住。年間通してアオリイカを追い続けるエギングのスペシャリストだ。中層のエギングを得意とし、釣り場で釣果と笑顔を絶やさないのが持ち味。デュエル・ヨーヅリのプロスタッフ。

でかイカ捕獲への道は、釣行前から始まっている!

池内さんが地元の京都から駆る車は、紀伊半島南紀エリアを目指していた。実釣を行ったのは早春頃だ。

池内「紀伊半島で大きな春イカが狙えるのが、水温が上がりやすい串本を中心とした南紀エリア。季節が進めば中紀、紀北。季節が進めば、大阪の泉南エリアで春イカが狙えます。春も後半になると、南紀エリアは逆にサイズが落ちてきやすいですね」

春は産卵行動をとる親イカの個体数が多く、捕食や繁殖で岸に寄るため、エギングで大型イカが狙いやすくなる。「南紀や九州南部など温暖な地域は早春から狙えますが、全国的に見ればGW前後からが本格的な春イカシーズン。瀬戸内や日本海側で釣れはじめるのもその頃です」

どこで釣れているか。春イカ捕獲は情報収集が重要?

池内「ですね。可能性が高いエリアだけでなく水温、天候、潮汐なども事前に調べておきます」

【釣行前に調べるべき4つの項目】

池内「基本的に過去の実績や釣果情報のあるエリアに釣行しますが、水温16℃以上が大前提。ネットなどで釣行予定エリアの水温を調べます。次に天気予報をチェック。風向を見て風裏エリアを予測。天気も例えば曇りなら朝マヅメの照度変化は少ないけれど朝の高活性が長引くかも。低照度ならこのカラーが効くはずや! と釣行前のルーティンもワクワクが止まりません!」

  • 水温は16℃以上あるか
  • 釣り場の風向、風力、天気
  • 釣果情報
  • 潮汐(昼マヅメを推測)

でかイカ捕獲のルーティンは釣行前からはじまっている?

池内「そこは重要です。“昼マヅメ”のチャンスもありますから」

“昼マヅメ”ですか?

池内「僕はデイゲームが好き。夜間に月明かりが効きにくい新月回りが有利になります。しかも今日は中潮。明日は小潮で潮が動きやすく、日中に干潮を迎える。潮止まり前後でボコボコッと釣れる可能性が上がる。それが“昼マヅメ”です」

池内「アオリイカは潮の流れやベイトの動きなどちょっとした変化で捕食のスイッチが入ります。いつでも釣れる可能性はありますが、日中にチャンスが高まるわかりやすい時合いが3度のマヅメ。朝夕マヅメの照度変化と、日中の潮止まり前後。潮が変化するタイミングの“昼マヅメ”に集中。操作するエギの抵抗が重くなった途端、ドンッとくることも多いですからね」

実釣2日間で“昼マヅメ”の好機は2回あるということに。

池内「当然、朝夕マヅメもチャンスです。そして第三のマヅメといえる時合いが日中の潮止まり前後。一般のアングラーの皆さんは休日が決まっていて、潮回りを選んで釣行するのは難しいと思います。でも朝、日中、夕方と好機のピークは3度あります。照度や潮が変化するタイミングを組み込んだ実釣プランを立てる。それが春の大型イカ捕獲への第一歩になります」

心強いバディが実釣をサポート
実釣は池内さんの釣友、仙波勝也(せんば・かつや)さんも同行。NBCソルトチャプターなどの大会で優勝、入賞多数。ホームの紀伊半島を知り尽くすエギングの大ベテランだ。

湾の中にあるワンドで捕食回遊から産卵意識まで迎撃!

実釣現場に着くと、池内さんと同釣者の仙波さんがとった行動が水温の計測だ。

池内「例えばワンドの奥は16℃。ワンド入り口の岬周りが18℃だったら岬周りのほうが断然に良いです」

現場でこまめに水温を計るのも2人のエキスパートにとっては春イカ捕獲のルーティンだ。

釣り場に立ったら水温計測がルーティン!
池内「湾が違えば水温は変わるし、同じワンドでも奥と入り口で水温差があることも多い。水温が低めの春イカシーズン序盤ほど水温が高めのエリアで釣りをするようにします。エギを触ってほかの場所より温かいか、冷たいかを感じることも重要です」

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池内「春は色々なタイプのイカがいますからね。沖から岸寄りにさしてくる途中のイカも居れば、藻場周りで産卵を意識しているイカもいます。夕マヅメから朝マヅメにかけて水深1~2mのシャローで捕食行動をとるイカもいます」

どのタイプのイカを狙うか、ですね?

池内「すべて狙います(笑)。朝昼夕の3度のマヅメを絡めて効率良く釣りができるのが、大きな湾の中にあるワンドです。とくにワンドの入り口が深くて潮通しが良ければ期待が持てます」

藻場にこだわらず湾内のワンドで包囲網をかける
池内「潮通しの良いワンド入り口のカケアガリはイカの通り道。地形変化に足を止めるイカも多い。ワンド奥に藻場があれば、そこに向かうイカもいます。また、ワンドに小魚が入ってそれを追い込んで捕食するイカもいます。藻場にこだわらず、様々なタイプの春イカを狙いましょう。ちなみに藻場を狙うときは海藻帯の際や藻面をスローに探ります」

大きな湾の中にあるワンドに様々なタイプの春イカが居る?

池内「例えば朝マヅメは夜間に浅場で捕食していたイカの居残り組が狙えます。ワンド入り口は沖に戻るイカの通り道になるし、逆に夕マヅメは捕食で上がってくるイカを待ち伏せ。カケアガリなどの地形変化や障害物に足を止めるイカも多い。藻場周りでうろちょろするイカも増える。昼マズメでボコボコッと連発も少なくないです」

水色はささ濁りがベター。苦潮には注意!
池内「春は水温の上昇や雨で潮が濁ることが多いです。大雨による急激な濁りはNGですけど、逆にどクリアもかけたイカにポッとスミを吐かれると一気に警戒心が高まる。ささ濁りくらいが釣りやすいです」
仙波「春が深まるほど水中の生命感が消える苦潮が入りやすい。ベイトの気配がないエリアはパスしたほうがええですわ」

潮目やベイトの存在など釣り場選びの基本も忘れずに!
池内「沖から潮目が入ってきたり、ベイトフィッシュの群れが次々と動き出したタイミングで喰うことも多い。潮通しが良い、ベイトがいるといった釣り場選びの基本は厳守です」

池内さん使用、春エギングタックル紹介

池内「EZ-Qキャスト 喰わせラトルは潮をかませて水中に置きにいきたいのでラインは潮に馴染みやすいサスペンドタイプ。アーマードF+プロトを使います。ダート系のエギは高さを稼ぎつつ横ダートを見せたいのでフローティングのハードコアX8プロです」

[使用タックルデータ]
左●ロッド:アサルトジェット82ML(ゼスタ)●リール:イグジスト2500(DAIWA)●ライン:アーマードF+プロト0.6号(デュエル)●リーダー:ハードコアエギングリーダー2.5号(デュエル)

右●ロッド:アサルトジェット75MMH(ゼスタ)●リール:セルテート2500(DAIWA)●ライン:ハードコアX8プロ0.6号(デュエル)●リーダー:ハードコアエギングリーダー2.5号(デュエル)
※2021年のものです

春イカシーズンも終盤戦。場所を選べば、良型を狙えるチャンスもあるはず。池内さんの理論を是非、参考にしてみてほしい。


※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。