便利すぎて笑った! 1本2役のロッドが思いのほか快適だったので紹介します。

うるさ方のルアマガ編集部員からは当初『え? イロモノロッドでしょ?』と訝しがっていた、とあるルアマガ企画ロッド。それが、思いのほか便利で、使えるロッドだったことから評価が急転! そのロッドの正体は? INTRO バットチェンジャブル紹介します。

●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)

2024 シーバス特集

あなたはオカッパリで、何本のロッドを持って釣りをしますか?

ブラックバス釣りのオカッパリでは、自転車や、バイク、車などのモビリティで移動して、そこから釣りに入ることが多いと思います。自転車やバイクなどはそもそも持ち歩く道具を少なくする必要がありますので、言わずもがなですが、車の場合でも、車には多様なタックルは準備しておくとして、現場にロッドを何本か持ち歩いて釣りをするスタイルは変わらないはず。すると場合によっては1本で済ませる、スタンダードなところで2本。気合いを入れて3本というスタイルが一般的だと思います。

カバンのロッドホルダーに装着して運んだり、構造物に立てかけて移動したり…。みなさんは何本、持ち歩きますか?

今から紹介するロッド、結論から言うと、その持ち歩くロッドを1本、確実に減らしますというロッドなのです。1本で間に合うならこういうこともなくなります。

  • 立てかけてたロッドが倒れて道具傷つく
  • ボイルに慌てて、ロッドを地面に置いて傷つく
  • 取水等などの下を潜り抜けようとして、バッグに刺していたロッド叩きつける
  • 余分なロッド置いてた場所がイバラでライン絡まってバックラッシュする。
  • 釣りに夢中になって、立てかけておいたロッド忘れる。もしくは盗られる。

風で倒れて道具、傷つくw あるある。1本なら、管理も楽。

バットをチェンジすることで、ライトクラスの『撃ち(ワーミング)』と『巻き(ミドルプラグ)』を高次元で両立した、1本2役のMクラスロッド。

はい。ルアマガで企画しましたINTRO バットチェンジャブルというロッドは名前の通り、バットパーツを現場で交換することで、『撃ち』と『巻き』の両方のアクションを1本のロッドに持たせた、ピース交換型のロッドです。

  • INTRO LMIBC-655BF-2B
  • Action : medium fast & medium slow
  • Lure : 1/8-1/2oz. Line : 6-14lb 5ピース(バットは2種類入っています)
  • 仕舞い寸法 44cm / 袋サイズ49cm
  • 重量 カーボンバット132g / グラスバット136g メイン素材 カーボン

ラインをガイドに通しなおさずにチェンジしてアクションを変えれる。これが、まじ便利。

『現場で実用的にアクションを変える』ということを意識しているので、交換するバットにはガイドが装着されていません。これはラインをガイドに通し直すという手間を排除したいからというアイデアでした。

サブのバットは、長めのベルクロ付きの専用ロッドケースに収納して運搬。カバンに装着も可能。まぁ、多少なら直接カバンに刺して持ち歩くのもアリですけど。

テストを含め、完成したロッドを使ってもらった、うるさ方、ルアマガ編集部の感想

 内部事情を話しますと、ロッド開発チームとルアマガ編集部は別部署。開発には携わってくれるワケですが、自分らが開発に絡むなら、容赦はしないというのがルアマガ編集部の意向。あらゆるメーカーのロッドを触り尽くしているうるさ方。中途半端なロッドを作ると、容赦ないダメ出しがされるのです。

開発を担当してくれたレジットデザインのロッドデザイナーである鬼形毅さんも、「ちょっと大変かも(笑)」と弱音を吐いていらっしゃったくらいです。ファースト、セカンドサンプルに関しては、「バットを変えても何が違うか解らない」というダメ出しが容赦無く出され頭を抱えます。

バットの長さを変える? バランス的にガイドを載せざるをえないし使い勝手が悪くなるからNG。単に、なんかアクションが変わるってならやれるけど、使えるってなるとかなりシビア! と、まぁ、開発に難航したわけです。

「ちょっと、バットの素材を思い切って変えてみます」

ベースとなる撃ちのロッドはカーボンのバットで設計。そして、もう1本のバットをグラスで作ってみると言うのです。この試みがビンゴ! 一気に実用域に性能が近づき、なおかつ明確な性格分けが実現したのです。ここから、ルアマガ開発チームとレジットデザインとの動きが加速します。

アクションを詰めに詰めて完成したのが、INTRO バットチェンジャブルBF。というわけです。

『僕、オカッパリ時にはあまりロッド本数を持ち歩きたくない派閥なんですが、このロッド1本で、結構、釣りの大半をカバーできるので超便利です。最初は、その程度でなんか変わるの?って思ってたんですけど、いや、マジで便利(笑)』(福重編集部員)

ブラックバスではないのはご愛嬌。すぐにリリース。

『アイデア先行で、中途半端なロッドアクションだったら要らねーわと思ってたんすけど、さすがレジットデザインさんですね、どっちのアクションもレベルが高くて、これなら欲しいと思っちゃいました。ボートにしたって、確実に1本、ロッド減らせますし、オカッパリ用途だけでなくイケてると思いますよ。ちょっと思った以上の出来に笑いました』(古川編集部員)

ルアマガ編集長も容赦無く開発に関与してくれました。注文多すぎっ!でも、いいものできました。

開発を担当したデザイナーの鬼形さんも。

『いや、ルアマガさんにはいつも、挑戦しがいのあるテーマをもらうのですが、これは苦労しました。苦労した分、納得できるロッドになっていると思います。うちのロッド使っていただいている皆さんにも手にとって欲しいですね』

5Pですがバットが2本ありますので、ピース的には5Pロッド。白いスレッドがグラス(巻き)。黒いスレッドがカーボン(撃ち)。

ということで、レジッターのみなさんにもお勧め。あ、バットだけグラスっていうロッドも業界初かもしれませんね。バットをグラスに変えるだけでこんなに性格が変わるのかと驚かれると思いますよ!

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ここまで読んでくださった方にアクションの深掘り!

このロッドのベースは『撃ち』を意識したライトクラスのリグを扱うベイトフィネスロッドです。ノーシンカーや、スモラバ、5g前後のフリーリグやライトテキサス。ネコリグやダウンショット。このあたりを快適に扱うことを意識しています。

そのベースロッドのバットをチェンジすることで『巻き』を実現していますので、巻きで扱えるのは3/8oz前後のスピナーベイト、ミドルサイズのクランクベイト、80mm前後のミノーや小型シャッドといったところでしょうか。現場では110mmクラスのミノーなども扱っていますがベストレンジはそのあたりだと思います。小型ポッパーなどとの相性も抜群です。取材で、編集部の福重が50cm程度のシーバスをキャッチしていますが、パワーもしっかりしていますので比較的汎用性が高いパワーレンジかと思います。

ただ、アクションが変わった!じゃなく、使えるアクションに仕上げましたよ。当たり前ですけど。


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