
アジング大好きな記者が長年釣りたくて夢見ている『幻のアジ』がいます。陸っぱりではあまり釣れないらしい。釣れる季節はどうも限定的らしいという超レア魚。調査をしていると情報を提供してくれた方がいらしたので、今回はその『幻のアジ』をご紹介。
●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)●写真提供:YOHEYCRAFT
発端は高知県宿毛市の魚屋での出会い
高知県の西端にあります「宿毛市」。小さな魚屋が市内に何軒かあるのですが、海岸沿いの小さなお店で妙なアジを見かけたことがあるんです。普通のマアジのフォルムなのに、尾が鮮やかに赤いアジ。そのときは「なんか変わったアジがいるなぁ」という印象でしかありませんでした。
それから何年か過ぎ、ルアマガソルト誌の編集に携わり『アジング』の取材に出向くことが多くなったのですが、とあるプロから『幻のアジ』の存在を耳にします。
「見た目は、マアジなんですけど尻尾が赤い個体。『アカアジ』って言うんですけどね。伊勢湾とか高知の宿毛あたりで時々、漁師の網にかかったり、ポロッと釣れたりするみたいなんですよ」
尾まわりが赤いアジ。マアジとマルアジ&ムロアジの中間みたいなフォルム。
その話を聞き、ネット検索をしていくと確かにアカアジというアジがいることを確認します。昔、宿毛の魚屋で見たアジがまさにソレでした。似ている魚でオアカムロというアジがいるのですが、魚屋で見た時には、アカアジとオアカムロがたまたま別魚として並べられていたので、印象に残っていたのだと思います。
ときどき、魚屋にも出回るようです。photo by Hitrayama
調査していくと、どうも狙って釣っている人たちがいるみたいだ!
そんな、幻のアジの存在が頭の隅に引っかかっていて、久しぶりにリサーチをかけてみると…。狙って釣って人がいる!? これはということで、早速コンタクト。どうも、鹿児島でヨーヘイクラフト(YOHEYCRAFT)というハンドポワードワームを製造販売されているメーカーのYOHEYさん、そしてそのお客さんたちが、狙ってアジングで釣り上げているようなのです!
アジングで釣っている!?
幻の魚でクーラーがいっぱい!
どちらかというと、マアジに比べて南の海域、比較的水深のあるポイントで釣れている。しかも、釣れる季節は限定的というフワッとした情報しかなかったのですが、どうもある時期に狙って釣りに行かれているようなのです。
一瞬、オアカムロかと思ったのですが、こちらもおそらくアカアジ。鰓蓋、胸鰭の長さなどで判別できます。写真:YOHEYさん提供
YOHEY「他の地域はよく分からないのですが、こちら鹿児島では南薩方面のとある水深の瀬周りで釣ってます。 身質はマアジと比べると弾力がありコリコリしていて美味しいですよ。6月も1尾、アジを狙っていて混ざりましたが、実は秋がいいようです」
まごうことなき、『アカアジ』これが幻のアジ!
マアジよりも食味もいいなんて噂のある幻のアジ。見てみたい、釣ってみたい!
「調査は協力しますよ。秋にぜひ来てください。ただ、外洋なので船が出れる確率が半々ですが」
なるほど…興味深い。これは秋に調査隊を結成せねばなりませんね!