どちゃくそ面白いのに、若い人たちからの入門が少なく、なかなか盛り上がらないと言われているヘラブナ業界。先月、へらぶな釣りの面白さを、特にバスアングラーに知って欲しいとイベントが開かれたので、そちらの様子を観察しつつ、ちょいと、ヘラぶな釣りの魅力をお伝えしたいとおもいます。
<イベントの様子をまとめてみる>
●文:ルアマガプラス編集部(深谷)
ご年配の方がやる燻銀な釣り『へらぶな釣り』????
一般的なアングラーの方の、へらぶな釣りのイメージって? 日本で発展してきた釣りで、1日ゆっくりと釣座に腰掛け、ウキを眺めながらのんびり楽しむもの。なんか、聞くところによると奥は深い。面白いって話は聞く。お年を召した方がやる。このあたりが定番でしょうか。
面白いとは聞くけど、あんまりやる機会がないし、なんか伝統ありあすぎて決まりごと多そうだし、ちょっととっつきにくい。そうなってしまいがち。
昭和の時代は、ちょっと例えが悪いですがカラーギャングのように派閥というか『会』があり、会同士の大会(釣果というどつきあい)があったりと、その技術をぶつけて楽しむという競技会があったらしいです。つまり、かなり大規模な『釣り会』による縦社会の構図が…。それはそれで、リベンジャーズみたいで面白そうなのですが(記者的には興味津々)、ただ、今の時代には合わないですね(笑)でも、その時代のへらぶな釣り氏が脈々と技術を伝承しているのも事実。競技性の高さも、そこで研鑽されたのでしょう。
話は逸れましたが、この釣り、のーんびりやることもできるし、ある意味バスフィッシング以上に忙しく、攻撃的に仕掛けて釣果を挙げていくなんて楽しみ方もあり、かなりアグレッシブな釣りのジャンルだと考えています。まぁ、とにかく遊び方の懐が深いんですよ。
なので、ヘラブナ釣りが、少し年齢を重ねてからやる釣りというよりは、結構、体力のあるタイミングから入門したほうが、実はその深淵に迫れるのではないかと思うのと、なにより、この釣り、さまざまな釣りにテクニックを転嫁できる要素がありますので、釣り好きは今すぐ始めるべしと主張したいのであります。
開かれたへらぶな釣りイベントの講師はバスプロ!?
先日、神奈川県にある釣具屋・相模屋さんが主催したビギナー向けへらぶな釣りイベントに潜入したのですが、そこにはバスプロでありながら、へらぶな釣りもかなりガチで楽しんでいる川口直人プロなどが講師をしてくれるイベントでしたので、ルアマガを代表して取材をさせていただきました。
まず、なんか道具、ややこしそー。この辺りが声として聞こえてきそう。ですが、この相模屋さんのイベント参加者には、ちゃんと最低限の道具があらかじめ用意されていました。釣竿はもちろん、こちらのへらぶな釣り堀で楽しむための1セットが。それがコレ。
へー、仕掛けも簡単で余裕じゃん。釣り経験者ならばそう思うはずです。ですが、舐めてもらっちゃ困ります。記者、ドヤ顔で言ってますが洗礼を食らったからなんですけどね。いや、入門者にも楽しい釣りなのは間違いないのですが、『あ、ヲレ、バスフィッシングでマイクロベイトとかやってからさぁ、浮き釣りなんて余裕だし、どうせヌルい釣りなんしょ? 余裕すぎてツマンナイっしょ?』とかイキってるアングラーは大恥をかくことになるのであります。
今回の相模屋イベントの方にはそんな煽り力高いかたはいらっしゃいませんでしたが、『お。へらぶな釣りって簡単ではないけど、面白い!!』って大会後に思った方がホトンドだったと思います。
とっかかりはシンプル。そして、奥深さに震えるのがへらぶな釣り
今回のイベントの参加者には、まったく釣りというものを嗜んでこなかった参加者、普段はバスフィッシングなどを楽しんでいる釣りはベテランの方。フライフィッシングを普段やっている方などなど、多様でしたがスタートラインは同じ。
で、結論から言うと、へらぶな釣り経験者以外は最初からバンバン釣果を出すというかたは、そう多くなく、2時間から3時間後にコツを掴んだかのように、釣果があがり始めました。
道具のセッティングは、さほど難しくないのですが、ウキのセッティングだけは経験者から教わる必要がある感じです。でも、独学でもなんとかなると思います。
もうひとつはエサ。これだけは状況によるので一概に言えないのですが、ベテランはその時に釣れるであろう、エサの粘度に拘りがち。でも、ビギナーの方は、エサを針にセッティングして、目の前のポイントにエサを送り込む。この所作に苦戦がち。なので、ああ、敢えて最初はエサが外れにくい粘度にしてあげて、投げ込み(キャスト)が上手くなったところで、釣れるエサの配合に切り替えた方がいいだろうなと思いました。結構、みんなキャストは戸惑ってたので、慣れるまではってことです。
でも、それも2時間、3時間後には繰り返しの動作ですからサマになってくるわけです。と、まぁ、本記事では技術論に触れる予定はありませんが、釣りの経験者も、未経験者も平均的にサマになってくるのは練習をしてからという当たり前のお話をさせていただきました。
この、慣れてきてからのへらぶな釣りの楽しさは、もう凄いです(語彙力なし)。とりあえず、エサを投げればアタリはあります。そのアタリが針がかりするアタリなのか、そうでないのかを見極め、竿をアワせていくわけですが、これが、思うように行かない。思うようにいかないのに釣れた時、「え?なんで?」となりますし、思い通りに釣れた時は「よっしゃー!!!」ってガッツポーズしたくなるくらい気持ちい。で、ホトンドが「え、なんで今ので釣れないのー!」だと思います。
考えること多すぎで、時間があっという間に過ぎていく感覚になることでしょう。エサで魚がよってきますので、たいくつしません。
ベテランのアドバイスは受けたいのだけど、自分で開拓して楽しんでもいいと思う
どうしても、長く日本という土壌で磨かれてきた釣りということもあり、保守的な印象を受けるかもしれませんが、そこまで恐れる必要はないと思います。へらぶな釣りの作法的なものは存在しますが、それはやっていくうちに覚えればいいと思います。
例えば、「胡座をかいて釣るのが作法では?」と見ていると思うかもですが、DAIWAのへらぶなブランドである銀閣からは、椅子のようなシステムを用意していたりします。やりこんでいくと、へらぶな釣りは、所作をいかに効率化して魚にアプローチしていくかが求められます。そこの高みに入り込んだときに、細かなことは考えればいいと思います。
今回のように、釣具屋さんがビギナー向けのイベントなどを開催していることがあります。興味のあるかたは、こういったタイミングで入門すると、へらぶな釣りの面白さに気づきやすくなると思いますので、ぜひ活用してみてください。
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