関東激戦区のランカーシーバスハント!タフな時こそ頼りになる「実績抜群」の間違いないルアーたち!【ヒヤマンのランカーシーバス道vol.5】

関東が誇る一大シーバスフィールド「涸沼(ひぬま)」をホームとするシーバスエキスパート・檜山さん(通称ヒヤマン)。涸沼でこれまでキャッチしたランカーシーバス(80cmオーバー)は数知れず。しかもいずれのランカーも四季に沿った「独自の狙い方」でキャッチしているという。そんな檜山さんが培ったランカーシーバス攻略タクティクスをルアマガプラスで公開!パターンや時合、ルアーなど、どのような事を意識してランカー導き出しているのか。檜山さん自身実釣記をもとに解説していただきます。今回はハイシーズン終盤の11月~12月の涸沼&涸沼水系でのランカーハント。厳しい状況だからこそ見えてきた真実…そして新たなる武器とは!?

●写真/文:檜山敏崇

2024 シーバス特集

北関東が誇るランカーシーバスハンター・ヒヤマン!

檜山敏崇(ひやま・としたか)
茨城シーバスの聖地・涸沼をホームとするDAIWAフィールドテスター。「涸沼=ヒヤマン」と呼ばれるほどの涸沼水系エキスパートであり、これまでに数多の涸沼ランカーをキャッチしてきた凄腕。大型ルアーからワームまで、幅広いルアーを使いこなし、難攻不落とされるボイル攻略も得意とする。茨城サーフのフラットフィッシュのエキスパートとしての顔も持つ。

檜山さんのinstagramでは日々のシーバス釣行模様やおすすめDAIWAアイテムも紹介してます♪是非チェックを!

檜山「ルアマガプラスを御覧の皆さんあけましておめでとうございます!あっという間に年が明けてしまいました(笑)。

昨年は私、ヒヤマンの記事に目を通して下さり誠にありがとうございました!

ランカーを追いかけるべく、昨年末11月、12月とフィールドには通えるだけ通いました。地元茨城県涸沼水系の話になってしまいますが、足繁く通った2ヶ月を振り返って見たいと思います」

当連載でもお伝えしてきたが、2023年の涸沼は通い続けているベテランアングラーも苦戦を強いられるタフな状況…。さらにハイシーズンはアングラーも多くなり人的プレッシャーも高まるのは言わずもがな。そんな北関東の激戦区でどのようにランカーを追い求めていったのか…。

タフ過ぎる11月でも「安定」した釣果をもたらした溺愛のファシャッドシリーズ

10月から引き続き、相変わらずカビボラパターンが無いままハイシーズンに突入した11月の涸沼。通常カビボラパターンは朝マズメからデイゲームまでポツポツとボイルが続くパターンのため、日中は水面を激しく割るトップゲームが楽しめるという。

カビボラ

檜山「今年はそれが少ない状況でした。朝マズメにトッププラグを根気よく投げ倒していれば釣れなくも無いのですが、ボイルが無い状況だと反応も場所によりけりでイマイチ。仕方なく一番活性が上がる夕方のマズメ時に照準を絞りエントリーしていました」

カビずに涸沼で過ごした元気なイナッコは陽が陰り始めると沖合に集結、集まった群れは完全に陽が落ちるとぐっと固まる傾向にある。

檜山「イナッコのサイズは12〜15cm超。その群れにボイルが始まると、沖が騒がしくなるのは10月から変わりません。夕方、シャローに集まるイナッコも居ますが、大抵のシーバスは沖合のイナッコの群れに付いてしまい、飛距離が必要なパターンは11月も継続中でした

一年通してとにかくイナッコの数が多い涸沼。檜山さんは少しでも早くシーバスに気づいてもらうため、ベイトがいる少し下のレンジへアプローチする。ルアーは安定の『レイジーファシャッド100S』


檜山「実釣時はベイトは表層でザワついていましたが、ボイルは無い状況です。ですがシーバスがベイトに付いている雰囲気は感じ取れたので、ベイトの群れの中でも一際騒がしいスポットを集中して攻めると引ったくられるバイト!

沖でのヒットを想定していたので普段よりもドラグを若干締め込んでいました。そのためフッキングもしっかりと決まり難なくキャッチとなりました!」

サイズはジャスト80㎝のランカー!

カラーは檜山さん考案の「半々チャート」。実績抜群のカラーとのことで檜山さんも超お気に入り!今回もファシャッドに助けられた。涸沼では間違いなく殿堂入りと言っても過言ではないルアーだろう。

「半々チャート」は現在ネットショップなどでも軒並み欠品中!もし釣具店で見かけたら即買いマストなカラーだ。

檜山「さらにファシャッドよりも、もっとしっかりルアーを見せてシーバスにアピールさせたい時は『レイジーファシャッドJ』の出番。

ゆっくりとしたスローリトリーブにより左右に大きく首を振るS字スラロームは、ベイトを探して回遊しているシーバスに効果的面です!

ファシャッドJの超ワイドスラローム+ジョイントによるアピール力は集魚効果も強いのだ。

檜山「激流河川のようなフィールドで流れに逆らうように引いてくるとバランスを崩しやすいですが、流れと喧嘩しないようにドリフトさせればサッパやコノシロパターン、秋の落ち鮎等にも好反応を示してくれると思います。やはり涸沼生まれのファシッドJは止水域や緩い流れのエリアに滅法強いのは間違いありません

檜山「単発ボイルがあるエリアでは友人とダブルキャッチなんて事もありました!」

檜山「昨年は70cm後半が最大で、狙いのサイズは出せませんでしたが、ファシャッドJは秋の涸沼では個人的にも使用頻度が高いルアー。サイズも100、138、156、170.5とその時のベイトサイズに合わせやすいラインナップです。涸沼水系に限らず海も川でも是非使ってみてください!」

こちらはファシッドJ170.5Sにて。惜しくもランカーには届かず。

その後檜山さんは11月中も頻繁に涸沼へ足を運んだが、80cmを優に超えるサイズには逢えず…。

檜山「70cm台は多いのですが、涸沼は秋のハイシーズンにも関わらずスーパーランカーは遠い存在になりつつあります

バーストアッパー140Fにてノーボイルの雰囲気から水面炸裂バイトでキャッチした1尾。

檜山「過去の秋の荒喰いハイシーズンの涸沼では『あの音は間違い無くデカい!』という捕食音を頻繁に耳にしていたのですが、今年は特大サイズの捕食音を聞いたのは二度ほどと、短時間ながらもほぼほぼ毎日のように水辺に足を運んでる私でも、明らかに90を越えるサイズは減りつつあると痛感しております。

4月頃から11月いっぱいまで足を運んだ涸沼水系。今年を振り返ってみると、雨季の雨不足により塩分濃度の高まりから涸沼恒例の『カビボラ』が極わずかしか居ない状態でそのまま秋へ突入。

気温や海水温の上昇による季節の遅れから『12月頭中旬頃まで涸沼で遊べるのでは?』と思ったのですが、12月頭には例年通り纏まった群れのイナッコも海へと下り初めて、それに連られシーバスも徐々に河口付近へと下り、蓋を開けてみれば12月初頭でシーバスの雰囲気は一気に減りました。

タイミング良く群れに当たったアングラーは12月半ばでも釣果を得た模様ですが、私も涸沼を見切りシーバスの行動と比例して涸沼川那珂川河口付近へと舵を切りました」

「飛距離」を武器に攻略した12月那珂川河口のコノシロパターン

涸沼を見切り、河川河口部でのランカーハントにシフトした檜山さん。ベイトが集結し、それに伴いシーバスも移動した涸沼水系河川河口部ではどのようなパターンでアプローチしていくのか。

檜山「以前にも記事にはしたのですが、初冬の東京湾コノシロパターンのようなジャイアントベイトを使う釣りではありませんが、茨城にもご当地的なコノシロのシーズナルパターンが存在します

檜山「コノシロは大体11月頃から河口付近に溜まりだします。河口で冬を越したコノシロ達は翌年春には産卵の為涸沼方面に遡上を開始します。それとは別に水温低下でベイトの少なくなった涸沼を後にしたシーバス達は河口付近にたまり出し、今度はこのコノシロを意識した個体が増えてきます。

イナッコとコノシロが混ざり合うのですが、コノシロを追っているシーバスはあきらかにコンディションがよく、12月最後の一発狙いでランカーが出てくれる年内最後のチャンスタイムです。

上げ潮よりも下げ潮で流れがしっかり出ているタイミングの方がバイト数も多く狙い易いです。出来る限り下げ潮のタイミングに合わせてエントリーしたいのですが、この時期でもシーバス狙いのアングラーの方々は多く、気になるポイントには既に先行者有りな状況です」

檜山さんは釣り人が多い中でも、攻められていない竿抜けポイントが「沖」には有るという。

檜山「ただし、河口部の流芯は川の中央にある事が多いので、ルアーも飛距離が最大限に出せてコノシロに合わせたそれなりのサイズ感が必要になってきます。

私が今回飛距離に惚れて使い込んだルアーは『ショアラインシャイナーZバーティスR140S-SSR』です」

檜山『スーパーシャローランナーなのにシンキング?』とと突っ込みたくなるのですが(笑)、スローシンキングなので任意でレンジコントロールが可能なのと14cmクラスのミノーの中ではMAX85mと最高クラスの飛距離を出しています。それでいて下げ潮の効いた強い流れの中でダウンに入ってからも暴れずにナチュラルなスイム姿勢を保ったまま引いて来られるのでそこが強みです」

シーバスに追われているコノシロの群れが遠くても飛距離とアクションでカバーすることが可能になるのだ。

檜山「実釣時は下げ潮になり流れがしっかりと出るタイミングで、バラけていたコノシロも纏まり出して群れを形成。それに付いたシーバスは大型個体が多いので、期待を込めコノシロのざわつき目掛けてフルキャスト!

ラストチャンスを狙って群れ付近にルアーを流し込むと、コノシロのついばみバイトとは明らかに違う金属的バイト。フッキングも決まりファイトに重量感も有り『やっと掛けたぜ!』と思ったのですが…」

[写真タップで拡大]

[写真タップで拡大]

檜山「釣れたのはジャスト80cmのランカーでした。過去には初冬の河口域コノシロパターンでも良い魚をキャッチしていたので、期待していただけに良い結果が出せなかったのが残念です。本音は冬コノシロに付いた90アップを狙っていましたが、そうは問屋が卸してくれませんよね

難しいからこそ釣れた魚は「労ること」を忘れずに

檜山「2023年晩秋からのランカーシーバスを追いかけましたが、涸沼水系那珂川水系含め過去を振り返ると実際は数型共にもっとランカーシーバスは釣れていました。

10年以上前を知ってるから故、痛感しております。年々簡単ではなくなりつつあるシーバス釣り。
鱸としてキャッチ&イートならともかく、リリースを前提とするシーバスフィッシングでは魚への労りを意識してもらえると、まだまだ先は長く楽しめると思っています。デカい個体、90cm近いランカーシーバスはそこまで大きくなれた遺伝子を持っています。

大きくなるその遺伝子を持っている個体が沢山卵を産んでくれる事により少しでも大きくなる個体が増えてくれたらなと思っおります。

労りと思いやりを持ってこれからもシーバスフイッシングを楽しんでいきたいですね!

檜山さんの涸沼での実釣模様はDAIWA公式YouTubeでも公開中!


※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。