[3月発売]SHIMANO新型リール全機種のスペック&詳細

2024年3月の発売を予定している、シマノの新型リールを紹介。各モデルとも、シマノの最新の技術を投入された意欲的なモデルとなっている。これから順次リリースされていく予定なので、購入を検討しているアングラーは要注目だ。

●文:ルアマガプラス編集部

【2024年3月リリース予定のシマノ新型リール】

フラッグシップモデルの機能をふんだんに盛り込んだ最新のツインパワー

シマノのスピニングリールのラインナップの中にあって、常に上位モデルとして高い人気を誇ってきたツインパワー。2024年の春は、このニュースで多いに盛り上がった印象がある。

ツインパワーのコンセプトは「質実剛健」。この一貫したテーマを実現するため、シマノの最新技術や次世代のマテリアルなどを積極的に取り入れ、フラッグシップモデルであるステラなどと比較しても、遜色のないレベルの機能を実現してきた。そのため、多くのアングラーから支持され、シマノのコアソリッドシリーズの中核モデルとしての地位を、揺るぎないものとしている。

24ツインパワー[シマノ]

そして、2024年に発表されたツインパワーは、これまでの実績に甘んじることなく、大胆な進化を遂げて発表に至った。現場で徹底的に鍛え抜き、さらなる高みを目指した24ツインパワーの進化ポイントを解説していこう。

あらゆる状況で徹底的に使い込み、鍛え上げた信頼性と官能性

スピニングリールは、極端な言い方をすれば工業製品である。ただ、この工業製品を使用するのは、豊かな感性を持つ人間だ。人の感性はとても繊細で、僅かな変化や情報を工業製品であるリールから感じ取る。

どんな状況でも確実に動作する信頼性。タフネスさもツインパワーの特徴の1つ。

ツインパワーが永らく、多くのアングラーから支持されてきたのは、単に信頼性が高いだけでなく、人の繊細な要求にもしっかりと応える官能性があるからだと、シマノは考えている。一見、無骨なそのデザイン、カラーリングだが、ホールドしてハンドルを操作した瞬間から、この工業製品から有機的な反応を感じ取る、そんな数値化できない官能的な性能も、ツインパワーの大きな魅力となっている。

質実剛健なイメージがある一方、アングラーの感性にも訴えかける官能性も磨き上げた24ツインパワー。

フラッグシップモデルに肉薄する存在となるツインパワーは、単に性能を追い求めるだけでなく、使用するアングラーの感性にとってどう訴えかけるのか、という領域まで踏み込んでいる。

24ツインパワーで極まった、高負荷時にも確実に動作する信頼性

24ツインパワーの信頼性が、さらなる高みへと登りつめたのは、金属ローター×HAGANEボディに加え、ステラから譲り受けたインフィニティクロス、インフィニティドライブを追加しているという部分が大きいだろう。

これら、パワーユニットのさらなる強化が図られたツインパワーは、もはや最上級モデルのステラにすら、肉薄する機能を実現していると言っても過言ではないだろう。青物などのターゲットとのパワフルなやり取りでも、不安がよぎることはないはずだ。

負荷が高まるシーンで威力を発揮する24ツインパワー。

バイトした魚を一気に根から引き剥がす、勝負の行方を左右するその一瞬に、ハンドルに込めたアングラー渾身のひと巻きを伝達する剛性感は、本物を牽引するツインパワーのコンセプトを継承する。

あえての金属ローター採用は、ツインパワーがツインパワーである証

新型ツインパワーは、20ツインパワー同様に、ローターに金属を採用する。高い剛性を持ち、かつ適度な慣性を備える金属製のローターは、アングラーに対して、しっとりした滑らかな回転フィーリングをもたらす。

さらに、たわみや歪みを抑制することで、フッキングやドラグ性能の向上にも貢献することが期待される。ちなみに、金属製ローターを採用するのは、コアソリッドシリーズのステラとこのツインパワーのみだ。金属製ローターは、ツインパワーの不変のコンセプト、質実剛健の証でもある。

CI4+とアルミニウムを組み合わせることで、他のリールにはない剛性を実現

ツインパワーが採用するCI4+は、樹脂に高強度なカーボン繊維が練り込まれ強化された構造のマテリアル。カーボン繊維を配合することにより、強化樹脂との比較において高い剛性を実現。強化樹脂とCI4+、アルミニウムの試験片に一定の負荷をかけた時の変形量比較実験を行ったところ、CI4+はカーボン繊維が練り込まれているため強化樹脂よりも剛性が高く、変形量が少ないことが証明された。

強化樹脂、CI4+、そしてアルミニウム、それぞれ素材の剛性感をテスト。CI4+の変形が少ないのがわかる。

ツインパワーはそのCI4+とアルミニウムをボディで組み合わせることによって高剛性を実現。CI4+のみのボディ設計であっても、通常使用での剛性は十分実現すると考えられる。しかし、ツインパワーが長年追求してきたのは、実釣における「過剰なまでの剛性」だ。それゆえ、特に負荷のかかるフットにはアルミニウムを採用し、他のリールにはない圧倒的な剛性を得ている。

スピニングリールの心臓部。ギアとドライブも高い耐久性を実現

複雑な構造持つスピニングリールにおいて、力の伝達のキモとなるのが、ギアとドライブの存在だ。ツインパワーは、この部分の耐久性についても、高いレベルを実現している。

圧倒的なギアの耐久性

ギアの歯面にかかる負荷を低減させ、耐久性を従来比で約2倍とという、飛躍的な向上を実現したのが、24ツインパワーが採用するインフィニティクロスの特性だ。

負荷低減によりギアの耐久性が従来比で約2倍となった、インフィニティクロス。

ギアの接触面積が増えることでパワーファイトやジャーク時のギアへのダメージを軽減。これにより、初期性能の維持が期待できる。そして、タイラバなどリーリングを中心としたルーティンの釣りでも、高い使用フィールを実現。アングラーに、釣りに集中できる状況をもたらすはずだ。

インフィニティクロスを搭載する24ツインパワー。

水流・潮流・湖流・魚の挙動など微細な変化をいち早く察知。実釣体験がさらに高いものへと昇華されるだろう。

パワフルな巻き上げ性能で、主導権は常にアングラーに

ツインパワーは、高負荷時でもパワフルな巻き上げを可能にする。これは、同モデルが採用するインフィニティドライブの恩恵と言えるだろう。

主導権を握れる、インフィニティドライブを採用。

パワーに余裕があるため、使用するリールの番手を1つ下げるという戦略も立てられる。その結果、より幅広い展開や戦略を考慮でき、実釣経験のクオリティがさらに高まるはずだ。

パワフルな巻き上げはツインパワーの特性。