昨年発売され多くの反響を呼んだ、アプリと連動するベイトリール「IM Z(DAIWA)」。このリールはどのような性能を持ち、スマートフォンを介して何ができるのか。実際に現場でインプレッションした様子をお届けする。
●文:ルアマガプラス編集部
釣具の枠を超えた新たな遊びインターフェース。アングラーとともに成長する次世代ベイトリール
IM Zの登場はベイトリールの歴史を大きく前進させたことは間違いない。メタリックに輝くボディに、ハイパードライブデザインやG1ジュラルミン製スプールなど、DAIWAリールの最高峰技術を余すところなく投入。さらにはデジタル制御ブレーキのインテリジェントマグフォースを搭載し、これをアプリと連動することでキャスト回数や飛距離をログデータとして記録することが可能になった。
IM Z リミットブレイカー TW HD-C(DAIWA)
クラッチを切ればリールが作動し、サイドのLEDが青く点灯。
ブレーキ設定方法はコントロールスイッチひとつで行ない、短押しや長押しで8段階のブレーキ力や各種設定ができる。キャスト時はデジタル制御された電磁誘導ブレーキがオートマチックに適切なブレーキをかけてくれて、ライントラブルなくルアーを狙った場所にプレゼンテーションできる。最大飛距離を更新するとそれを知らせる電子音が鳴り、さらなる最大飛距離への挑戦意欲を掻き立てる。
拡張性を持ったデジタル制御ブレーキ「インテリジェントマグフォース」
出荷時はブレーキはスタンダードモードひとつのみだが、DAIWAコネクティングシステムと連動すればさらに3つのモードは追加できる。また、特定の条件を達成すればさらなるブレーキモードが獲得できる。
DAIWAコネクティングシステム
リールのデータをアプリで保存し、ブレーキモードも追加可能。リールとスマートフォンをBluetoothで繋ぎ、日毎のキャスト回数や飛距離などのログデータをアプリ内に記録。また、新たなブレーキモードをリールにインストールしアップデートさせることもできる。アプリでは天候やルアー、釣果などもメモ機能に記録できる。
昨年のリミットブレイカーに続き、今年は200サイズが追加。簡単に言えば、リミットブレイカーはビッグベイトや重量級のルアーに対応するのに対し、200モデルは10gクラスといったミディアムサイズのルアーも気持ちよく扱えるようになっている。
IM Z TW 200-C(DAIWA)
【IM Z ならではの3つの特徴】
- スマートフォンと連動し、リール情報を管理
- 拡張性のあるデジタル制御ブレーキがアップデート
- アプリで釣行データを記録し、釣りに役立てる
いさ!インプレッション!
今回IM Zをお借りし、釣り好きルアマガスタッフが実際に現場でインプレ!果たして新時代のリールの威力を体感できるのかっ!?
IM Zのセッティング
IM Zはアプリ連動型のベイトリールのため、使う前には自身のスマホとのセットアップが必要。しかし難しいことはなく、取扱説明書に従い、下記の様な手順で行えば誰でも行える。
リールに巻いたライン情報をアプリに入力
スマートフォンとリールはスムースにペアリング可能。初期設定として、ラインの種類、太さ、糸巻き量が何%かを入力する。これで釣行中のリールの情報がアプリに記憶されていく。操作音のオン/オフなどもアプリで設定できる。
ブレーキセッティングがボタンひとつで全て操作可能
このコントロールスイッチで、シャットダウン、ブレーキ力設定、ブレーキモード変更ができる。LEDライトの色と電子音、そしてボタンの短押しや長押しといった操作で、扱いは慣れればとても簡単だ。
これまでのDAIWAリールにはなかった新鮮な電子音!
セッティングが完了し、スタッフ大木が早速キャストしてみる。
大木「キャストすれば電子音が鳴り、スプール回転に合わせて自動でブレーキ制御していることを実感。スプール回転はとてもシルキーで、後半の伸びが特に素晴らしいですね。スプールからラインが浮きそうになってもすぐに収まり、バックラッシュはほぼなし」
キャスト後にスマホをチェックすれば、その飛距離がすぐに確認できる。正確には飛距離ではなく、どれだけラインが放出されたかの数値なので、あくまで参考値ではある。
大木「おおよそでも何m飛んだかがすぐに分かるのは、釣りをするうえでもモチベーションになりますね!」
DAIWAの技術力と底力、そしてチャレンジ精神を感じる歴史的1台
西村「まず持ってみた感想が、意外に軽い! 電子機器が入っているとは思えないほどボディのバランスがいいし、リール自体それほど大きく感じません。クラッチを切るとキュイーンと音が鳴って起動しライト点灯。まさに次世代のリールって感じです」
大木「リールとアプリの連動もスムーズでした。一般的な家電と同じような感じで、機械音痴な自分でもすぐにできました。ボタンひとつで行なうリールの設定もすぐに慣れましたよ」
西村「キャスト性能に関しては、本当によく飛ぶ。特に中盤から後半の伸びが素晴らしく、まるでキャストが上手くなったみたい。やはりロングキャストモードが一番、ルアーが気持ちよく飛びましたね」
遠投性能『スムースにラインが放出され、とにかくよく飛ぶ!』
キャスト性能はとにかく優秀で、ラインの放出がとてもスムース。6割程度の力でキャストしても大遠投並みの飛距離が出る。キャスト中は細かくデジタルブレーキが効き、後半はブレーキを緩めて飛距離を伸ばしてくれているように感じる。
近距離戦『ピッチングやショートキャストもびしびし決まる!』
小さい力でもスプールが綺麗に回転するので近距離のアキュラシーキャストもとてもしやすい。
西村「ピッチング中でもデジタルブレーキが細かく作動してバックラッシュを防いでくれたのは驚き。遠投だけでなく、近~中間距離も精度高く攻められますね」
大木「飛びはもちろん、巻き心地も最高級ですね。ルアーの挙動もしっかり感じられるし、引き抵抗が大きいルアーも無理な力を入れないで巻き取っていける。自分は200-Cを使ったんですが、フルサイズのビッグペンシルからビッグベイト、14gのスピナーベイト、10gクラスのクランクベイトまで気持ちよく扱えました。MH~Hのロッドに合わせて、中~重量級バーサタイル機としてぴったりです」
巻き心地『シルキーかつパワフルで、高負荷でもしっかり巻ける!』
巻き心地はとても滑らか。ボディの剛性も相まって安定して一定にリーリングできるし、ルアーの挙動もリール感度として手に伝わってくる。重たいルアーや高負荷のルアーを扱ってもシルキーさは保たれており、釣りをして手が疲れにくくい。
西村「リミットブレイカーは完全にビッグベイト専用機。マグナムサイズのルアーを使ったり、ヘビキャロなどで超大遠投で遥か沖を狙いたい人向けですね。自分だったらタフさを生かして怪魚やソルトで使い込みたい!」
パワー『剛性感は申し分なし、モンスターフィッシュにも対応できる!』
ボディのガッチリ感からくる剛性感で、掛けた魚はゴリゴリ寄せられる。シーバス相手でもまったく不安はなし。ドラグは引き出しクリック搭載。
大木「ブラックバスだけでなく、さらなる高負荷がかかるソルトや怪魚釣りにも使ってみたくなりました!」
ライター西村ワンハンドレッドチャレンジ!
どうせなら大台を目指したい、ということでキャスティングウエイトやメタルジグを使い大遠投チャレンジ! 最初はなかなか100mに届かなかったもの、その後キャストを繰り返し、徐々にリールのクセを掴んで、100.0mぴったりを記録。
西村「記録更新を知らせるピピっという音が嬉しい! 次回は正真正銘、100mオーバーを目指します!」
スタッフ大木がグッドサイズのシーバスをキャッチ!
スタッフ大木はペンシルベイトのモンスタースライダーLIでシーバスをキャッチ!
大木「リールに関してはキャストも剛性も巻き感も完璧! まだアプリやブレーキ設定を使いこなせてないんで、もっと使い込みたいですね!」
飛距離が確認できるから釣りの再現性にもつながる
大木「アプリには釣行ログにキャストの日時と飛距離だけでなく、その日の天候や釣果もメモに保存できる。アプリ内にはいろいろなページがあって、1日使っただけでは機能を全て把握できないくらい充実してます。釣行回数を重ねてリールとアプリを同時に使い込んでいくと、釣りの再現性が上がって釣り自体もアップデートしていきそうです」
西村「リールの値段もリミットブレイクしてる…。これだけ最新鋭の技術やアイディアを盛り込んでいるのだから、この価格は納得なところではあるんですけどね。まずはお金を貯めるところからスタートですな」
IM Zをもっと知りたければ下記動画もチェック!
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