DAIWAフィールドテスターの渡邉長士さんの連載企画「今日もいいチョーシ」。今回は先日公開となり、4年ぶりのフルモデルチェンジで話題を呼んでいる大人気スピニングリール「ルビアス」について、渡邉さんがその進化を実釣を交え徹底解説!軽量性だけでなはない、NEWルビアスの凄さとは如何に!?
●写真/文:渡邉 長士(DAIWAフィールドテスター)
渡邉 長士(わたなべ・たけし)
千葉県房総半島外房エリアの出身・在住で、幼少期から海釣りに親しむ。10代でルアーによるアジ釣りを始めた房総アジングのパイオニアだ。旬の獲物を追ってサオを振るマルチアングラーでもあり、近年はサーフアジングやオオニベにも傾倒する。DAIWAフィールドテスター。
濃厚だった初夏の宮城遠征!
こんにちは。DAIWAフィールドテスターの渡邉長士です。いつも「今日もいいチョーシ」を読んでいただきありがとうございます。
今回もまずは近況から紹介させていただくと、最近は宮城県の牡鹿半島によく釣行してました。その回数は1か月でなんと3回。片道約7時間の道のりを全て自走での移動でした。
そこまでして宮城に向かったワケですが、牡鹿半島のある東北の太平洋側は近年海水温が高く、釣れる魚がこれまでとは大きく変わっていて、それを実際に調査するためです。
なかでも気になっている魚種が2つあり、1つは当然アジ。
これまで宮城県は夏場に豆アジが釣れる程度と、アジがあまり釣れないエリアとされていましたが、ここ数年は20cmクラスの普通のアジが普通に釣れるようになり、今年の冬は港内で越冬する群れもあったとのこと。それも魚影も濃く、今回もほとんどの漁港内で豆アジの群れがいて、場所によっては20cm前後の群れが大量に入っている漁港もありました。その魚影の濃さは地元の関東を超えるほどです。
そしてもう一つのターゲットが「ケンサキイカ」。
このケンサキイカも近年大量に接岸し、夜になると多くの釣り人が集魚灯を焚いて狙っています。サイズは胴長20cmほどの小型ですが、群れが入っている場所で本気で狙うと100匹を超える釣果は珍しくないとのこと。
そんな宮城釣行の締めくくりが「THE・フィッシング」のロケ。メインで狙ったのはアジ、メバル、ケンサキイカでしたが、いろんなゲストも混じりました。
放送は今週末8月3日(土)なのでぜひチェックして下さい!ちなみに、ロケでは狙いませんでしたが、アオリイカやスミイカも各所にいました。これから宮城はエギングのパラダイスにもなりそうです!
次回のTheフィッシングは
— THEフィッシング【番組公式】 (@fishing_tvo) July 27, 2024
「1タックルで遊び尽くす!
牡鹿半島 ライトソルトゲーム」
東北・牡鹿半島を舞台にエキスパート渡邉長士が
アジ、メバル、ケンサキイカを釣りまくる!
8月3日土曜日夕方5時30分OA
お楽しみに!#Theフィッシング#渡邉長士#ライトソルトゲーム#牡鹿半島#東北 pic.twitter.com/RGi8pDDNe7
エアドライブデザイン採用のNEW「ルビアス」が凄い!
さて、またしても前置きが長くなってしまいましたが、本題に入りましょう。今回のテーマは「24ルビアス」です。
6月に情報が解禁となったため、すでに多くの方がご存じだとは思いますが、2024年8月に6代目となる24ルビアスがリリースされます。
ルビアスはDAIWAのスピニングリールで軽量性が特徴のシリーズですが、この特徴は初代から20年間変わらず、今作の24ルビアスも軽量性に磨きがかかっています。
そのさらなる軽量性をもたらせた要因が「エアドライブデザイン」の搭載。
エアドライブデザインは「釣り人が意のままにルアーを操作する」ことを追求した次世代の設計思想で、イグジストやエアリティ、セルテートなどの上位機種にすでに搭載されていますが、ルビアスにも念願の採用となります。エアドライブデザイン採用のリールについてはこれまでも当連載で何度か紹介してきましたので、そちらも併せてチェックしてみて下さい。
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エアドライブデザインの説明を細かくすると連載1回分では足りないほど情報量が多くなってしまうため、超簡潔にエアドライブデザインを説明すると「自重と回転、そして持った時の重量感が軽くなりました」ということ。
これはローターが軽くなったことで自重はもちろん、低慣性化したことで回転レスポンスが良くなりました。ローター、ベール、スプールというリール上部が軽くなったことで重心がより手元に近づき、持ち重り感も減少したというワケです。
この「持ったときの軽さ」と「巻きの軽さ」というのは言うまでもなくアングラーにとって大きなメリットになります。
タックルが軽くなると人間は小さな変化を感じられるようになります。
例えば手に持った100gの物が110gになった時に変化に気付くとしたら、500gを持ったときでは550gのときに気付くことになります。つまり、持つ物が重くなると変化を感じるには10gではなく50gという大きな変化が必要になります。
これを「ヴェーバー・フェヒナーの法則」といいますが、釣りに当てはめるとタックルが軽いと小さな変化(アタリ)がわかるため感度が良くなるというわけです。これはリトリーブでも同じで、巻きが軽ければ小さな変化(アタリや潮流の変化など)がわかりやすくなります。
と、軽く説明するだけでもメリットがたくさんあるエアドライブデザインですが、ルビアスの特徴はこれだけではありません。ルビアスといえば「軽さ」が特徴のリールですが、自重は2000番クラスで145gになりました。
145gというのは驚異的な軽さで、自重だけでは最上位機種のイグジストより10gも軽く、DAIWA最軽量のエアリティと同じなんです。
この軽さの秘密はボディに使われている素材にあります。その素材はザイオンという、カーボン繊維が高密度に織り込まれた特殊樹脂で、「軽くて強い」という特徴があります。樹脂なので金属に比べたら軽いのは当然ですが、その強度はなんと金属のマグネシウムに匹敵するほど。
その剛性の高さと軽さから上位機種のエアドライブローターにザイオンが使われていますが、ルビアスはボディもローターもザイオンということになります。ちなみに、エアドライブデザインが搭載された汎用リールでローターとボディがザイオン製なのはルビアスだけです。
そしてザイオンの特性で忘れてはならないのが「耐食性」です。リールのボディに使われる金属には腐食しないように処理が施されていますが、キズがついてしまうとそこから腐食してしまう可能性があります。ザイオンは樹脂なので、キズがついても基本的に腐食することはなく、安心して長く使えるといえます。
ボディは前作と同様でアルミ製のエンジンプレートがついたモノコックボディなので防水・防塵性が高く、負荷がかかったときでもボディが歪むことがないため、パワーロスが少なく巻き上げトルクが高く、ギアの摩耗も抑えられるので長く愛用できる要因にもなってますね。
このように大きく進化したルビアスですが、LT(Light&Tough)コンセプトではダイワ最軽量なのでライトゲームはもちろん、今作は前作になかった5000番もラインナップされたことで24ルビアスは幅広い釣りシーンで活躍できるようになりました。
24ルビアスのポテンシャルを体感できた「尺アジ」実釣!
ではそんな24ルビアスを使ってのアジングの模様を少しご紹介します。向かった先は新潟県上越エリアにある「直江津港第3東防波堤管理釣り場」。通称「ハッピーフィッシング直江津」と呼ばれている釣り場です。
その名前からわかるように海の管理釣り場で、大きな直江津港の一角が部分開放されています。ここでのアジングの特徴はなんといってもアジのサイズ。釣れるアジの9割以上が尺アジ以上という普通では考えられないフィールドです。
それも釣り場が解放されるのは明るい時間帯だけ。つまりデイアジングでデカアジが釣れるんです。前情報ではボトム付近を漂わせる釣り方でなければバイトが出ないと聞いていたため、フロートリグにシンカーを足してシンキングにして狙ってみました。
この時のロッドは月下美人 AIR A 711M-Tと長めのロッドだったため、リールは24ルビアスLT2500S-XHをチョイス。
昼過ぎに釣り始めましたが、まわりの釣り人も釣れておらず自分もアタリはなし。しかし、夕方が近づいてくるとまわりのカゴ釣りでアジがポツポツと釣れ始めたころ、自分にも待望のヒット!
上がってきたのは32cmほどの尺アジ。やはり前情報通りのサイズです。今の釣り方は水深15mの中層をシェイクしながらスイミングさせた時にヒットしました。
その後も同じリグで上から10mほどのレンジをカーブフォールやスローなリトリーブで攻めると連続ヒット!それも釣れるのは全て尺アジです!
明らかにアジの回遊が多くなったため、ここでタックルをジグ単用にチェンジ。ロッドは月下美人 AIR A 63L-Tにリールは24ルビアスLT2000S-Hを合わせます。
月下美人アジングジグヘッドTGの3gに月下美人アジングビームをセット。カラーはレッドグローをチョイス。
今回のような管理釣り場ではコマセやオキアミが多く撒かれますが、その色は薄いピンクが混じった乳白色です。レッドグローはその色に近く、これまでも同じようなシチュエーションで結果を出しています。
カウント30ほど沈め、シェイクしながらスローにリトリーブし、時折カーブフォールを混ぜて誘うとヒットが連発。
ラインはUVF月下美人デュラセンサー+Si2の0.2号とデカアジ狙いにしてはやや細めですが、ATD TYPE-Lの滑り出しの良いドラグのお陰で安心感のあるファイトができますし、高強度を誇るザイオン製のモノコックボディなのでデカアジや大型のサバがヒットしても力強い巻き上げが可能です。感覚としては金属ボディとまったく変わりませんが、それで軽いのだからザイオンは凄い!
この日は32cmほどがアベレージで最大は37cm。数は7匹ほどキャッチしましたが、尺アジ率はなんと100%でした。24ルビアスも凄かったですが、新潟のポテンシャルも凄かったです!
尺アジヒットシーンはDAIWA公式instagramでも公開中!
渡邉さんによるルビアスの実釣解説動画も必見です!
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