関東のブラックバスフィールドを中心に活躍する、エキスパートアングラー折金さんの連載「つきぬけろ! オリキンもばいる」。今回は、10月に開催されたバス釣りトーナメント「H-1グランプリ 第5戦」の模様をレポートしてくれた。場所は、自身のホームフィールドでもある千葉県・亀山湖だ。
●写真/文:折金一樹
10月20日開催、H-1グランプリ第5戦に参戦!直前の状況は…?
先週末はH-1亀山戦(千葉県・亀山湖)でした。亀山湖はホームフィールドであり、ガイドも行っているので、恐縮な面もあるのですが、知っているからこそ意外に難しい部分もあるのは事実です。
一発勝負の戦いをするには知っている事が多すぎると、行くに行けない一面もあります。今回は季節の変わり目。水の状態が落ち着きなく不安定で、巻くには厳しいタイミングであることは明白でした。
目まぐるしく変化するフィールドの状況。水温が勝敗のカギを握る
キーはターンオーバーと、直前に降った雨。ターンオーバーについては数日前から日中は秋晴れでロンTでも暑いくらいの陽気になり、水温も上昇。それが次の朝に厳しく冷え込んで一転し、温かい水が急に冷やされたタイミングから水質が悪化。
日中と朝の気温差が10℃もある日が続いた事から水深を大きく跨いで掻き回される状態が続きました。そこへ直前の雨。秋のはじめの頃の雨であれば、水温差があるので下の水深へ回り込むような濁りの入り方ですが、水温も十分に下がった状態なので、新しい濁った水と既存の水が一様に混ざったような状態でした。
ターンオーバーのタイミングではフレッシュな上流部の水は、良いエリアとなりますが、水質も悪く、水温も更に下げたりでブラックバスを一掃してしまったようです。ボート屋さんの釣果情報も軒並み40cm位のサイズの魚がマックスサイズ。
より大型のブラックバスは、より多くの酸素を必要とするので、湖全域でこの傾向が広がっていると言えそうでした。
この時期のブラックバスの食性も、釣果のヒントに
もうひとつのパターンはフィーディング。比較的浅い水深をワタカの稚魚やオイカワを追っている個体。小さいキーパーサイズがメインのパターンですが、ハイシーズンに入ってから比較的長く続いていました。フィーディングであるので、動きやすく短期間でみれば消えたり出現したりするので不安定ではありますが、ターンしてからは酸欠傾向であるのか安定していたように感じました。
ただ直前に雨が降ったり更に水が悪くなったりで、ぱったりとフィーディングが止んでしまいました。バイト数で言えば1/10くらい。このパターンでさっさとキーパーサイズを揃えて、大きいサイズを狙いに行けるプランが組みたかったのですが、これのみをやってもやっと揃うか揃わないかといったパターンです…。
つまりは、よく通っているだけに釣れない原因もよく理解でき、八方塞がりの状態。他もそれなりに試しましたが、どれもイマイチ。そして本番当日。
いよいよ本番! 意外な状況に直面
今回はなんと、104名ものアングラーが参加した、H-1グランプリ。朝の集合してみると、やっぱりその船の数に圧倒されます。スタートの順番の抽選では、前回は最終フライトだったのですが、なんと今回も最後…。
仕方ないので、近くから釣り上がって行く事にしました。暫くして何とボイルに遭遇。直前プラでは全く遭遇しなかったレベル。ワンストレッチで複数回遭遇し、オーバーリアル63ウェイク(O.S.P)メインで300g前後で小さいものの30分でリミットメイク。
朝イチのピークは過ぎても、たまにボイルするのでしつこくやっていると、ボート際で400g。時間が経つにつれて難しくなり、これ以上やっても100~200g程度のウェイトアップしか見込めなさそうと判断。そこで、キッカーフィッシュを狙うため、大移動を決断しました。
本湖方面へ船を向けます。狙いは沖側にあるタテスト(編注:縦のストラクチャー)と岬。ハイピッチャー3/8oz(O.S.P)とアシュラEX-DR(O.S.P)、ガストネード110(O.S.P)。水通しの良い場所でクルーズする個体が少しの間、留まる場所です。
何ヵ所か回り、ある橋脚のスポットに入りました。あまり魚探には映らないですが、たまに追ってくるのがわかるので粘っていたら、橋脚に向かって泳いで来る個体を発見。バスっぽいかなと思ってガストネード(DAIWA)を投げると突進バイト。キッカーとなるキロフィッシュでのキャッチに成功しました。
この後も粘りますが、なかなか後が続かず帰着に向かいます。帰着まで10分少々あったので最後の悪あがき。前回釣れた帰着ギリギリからの1尾が頭をよぎります。
フラットの内側をやる人が多かったものの外側はがら空き。大きなオダがあるのでそこをブリッツMAX DR(O.S.P)でクランキング。そして、オダにタッチした瞬間に待望のバイト!
上がってきたのは入れ替えサイズ。「あと4分ですよ!」と声をかけて頂き、入れ替えて帰着に向かいました。そして検量。結果は1940g。上出来の3位でした。
予想以上の難易度だった亀山湖戦
上位の方のパターンは、ライブサイトやフィーディング、上流の釣り。予想の範疇でしたが、10位で3本800gとは予想以上の難しさ。ワームでは釣れているのをプラから見ていたので、いかに追わせて釣るハードプラグには向いていない状況であったかということ。釣れない結果も裏を返せば、はっきり見えてくる事もあると言うことです。
全員に近いくらい皆が笑ってますね! 楽しい事に間違いないです! さて残すところあと1戦。最後は新利根川での開催。こちらも難しい時期ではありますが、最後まで気を抜かずに頑張りたいと思います。ではまた来週!
アングラープロフィール
折金一樹(おりかね・かずき)
ホームの房総リザーバーで培ったテクニックはボーダレス。ダイワ、O.S.Pプロスタッフ。自身のYouTubeチャンネル「オリキンちゃんねる」では、オリジナルの動画コンテンツを積極的に配信中。
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。