4強エリアトラウト・マイスターのリーダー最強理論【松本幸雄・矢島俊介・森田健太郎・早乙女智啓】【バリバス】

アングラーのスタイルや状況に応じて、リーダー素材起因の短所が長所へと転じることがあれば、短所が長所へと転じることもある。【万人に共通する絶対的な正解は存在しない】リーダー術だが、自らのスタイルとマッチするシステムに到達できたら、釣果の明暗を分けるカギが握れたことになる。当企画では4名のエキスパートの独自のリーダー論に迫った!

●文:ルアマガプラス編集部

松本幸雄×ベーシック理論

ロッドを1本しか持っていない方への、オススメのシステムは?

「ロッド1本でもエリアは十分に楽しめます。この場合のオススメは、メインラインをスーパートラウトES2エステルナチュラル(以下ES2)0.4号にして、リーダーはナイロン0.5号と、フロロ0.5号&0.6号の3タイプを用意することがオススメです。3タイプのリーダーの使い分けで、汎用性が広がります。リーダーの選択だけで展開を変えることができます。例えばショック吸収率を上げてフックを残しやすくしたい場合は、ロングリーダーにすることで対応できます。ロッドが1本の方こそ、リーダーの使い分けの恩恵が大きくなります」

フロロリーダーの使用基準は?

「自分のフロロリーダーのど真ん中セッティングは0.6号の30cmです。ここを基準にして、やりたいことに応じて、号数と長さのバランス変えています。例えば、アンダー1gの軽めのスプーンを扱いたい場合、フロロリーダーの号数を0.5~0.4号まで落として、長さを45cmに伸ばします。これによって、リーダーがアンカーの役割を担ってくれるので、軽めのスプーンの浮き上がりを抑制できます。細くて長めのフロロリーダーを採用することによって、軽めのスプーンの頭上がりを制御することができます。または、ボトムで数釣りが成立している場合は、耐久性に重きを置きたいので、0.8号の太めのフロロリーダーを使います」

ナイロンリーダーの使用基準は?

「ナイロンリーダーの自分流のど真ん中は、0.5号×60~80cmです。ナイロンリーダーは基本的に長くとることが多いです。理由はリーダーに水を噛ませたいから。リーダー部分に水を噛ませることによって、ルアーをより泳がせたい。そんなときにナイロンリーダーを選択することが多いです。そして、マイクロスプーンを繊細且つ丁寧に、フワフワと泳がせたい場合は、ナイロンリーダー0.4号を、ロングにして使います。極端に長くする場合は2ヒロくらいにするときもあります。その場合は、リーダーが完全にリールに入っています」

矢島俊介 エステルライン×フロロリーダーシステムを考える

エステル0.25号×フロロ0.4号の世界

エステル0.25号は細いため、水の抵抗を切ってくれる。そこに0.4号の細めのフロロリーダーをセッティングすることによって、マイクロスプーンでも強波動を出しやすいセッティングになる。
「さらにリーダーの長さを微調整することによって、アピール力を細かく調整できます」
ヤジーさんの場合、このシステムでのアピールマックスバージョンは、リーダー長30cm。スプーンが一番強く動くセッティングがコレ。
そして中間波動のセッティングが、リーダー長20cm。この場合は、若干立ち泳ぎ気味になる中間波動セッティング。
「そして、波動を一番弱くして立ち泳ぎ姿勢を維持できるのがナイロンリーダーシステムだと思います」
エステル0.25号×マイクロスプーン展開のナイロンリーダーシステムは、今のヤジーさんの研究テーマのひとつでもある。

森田健太郎 エステルライン×ナイロンリーダーシステムを考える

アタリを育てるナイロンリーダー

森田健太郎さんがナイロンリーダーを自らの戦略に、本気で取り入れ始めたのは昨シーズンから。そしてこの時期は、健太郎さんが、各地のトーナメントで好成績を叩き出していた時期と重なっている。

「ナイロンリーダーの採用と、自分の好調は偶然重なっている訳ではないと思います」

つまりはナイロンリーダー戦略が、健太郎さんの好調を加速させてくれた一因なのではないか? 健太郎さん本人に限らず、そのように推測している、エキスパートアングラーは多い。

「自分の場合、ナイロンリーダーを採用することによって、フロロリーダーだけでは対応できなかった状況に、対応できるようになりました」

例えばショートバイト。ツンツンとは感じるが、ランディングまでは持ち込みにくい。

「ナイロンリーダーを使うことによって、そうしたショートバイトを育て上げて、ランディングまで持ち込めるようになる確率が増えました。フロロリーダーだとショックアブソーバー不足で、ダイレクト感が出てしまのか、ツンツンだけで終わってしまうことが多かったです。この違いは自分の中では非常に大きかったです」

メインラインとナイロンリーダーの関係性

現代の健太郎さんナイロンリーダーのシステム理論は、アンダー1gスプーンのときにはメインラインがエステル0.25号。リーダーがナイロン2lbクラス。1.5g以下のスプーン&クランクベイトの場合は、エステル0.3号×ナイロンリーダー2.5~3lb。フルサイズクランク&放流の場合は、エステル0.35×ナイロンリーダー3lb。大規模ポンド&大型魚対応用としてエステル0.4号×ナイロンリーダー4lb。

森田健太郎さんのメインタックルセッティング

■ロッド/ARD-62T-DTS(バリバス)
■リール/イグジストSF2000SS-P(ダイワ)
■ライン/スーパートラウトエリア[スーパーエステル]0.3号(バリバス)
■リーダー/スーパートラウトエリアショックリーダーSVG2プロト0.5号(バリバス)

早乙女智啓 PEラインにおけるリーダーシステムを考える

ボトム展開。トップウォーター。イロモノ系ミノーイング。フルサイズ系クランキング。

早乙女智啓さん(通称・早ちゃん)が、メインラインにPEを選ぶアプローチは、主に前述の4戦略。このときに早ちゃんが選ぶPEラインは『スーパートラウトエリア インフィニティPE X8』。太さは0.2号の一択。

そしてリーダーは『スーパートラウトエリアショックリーダーVSP[フロロカーボン]』0.8号。リーダーの長さはヒトヒロ半。

もちろんこのシステムに到達するまでには、思考錯誤の繰り返しだったが、今ではPEラインの早ちゃんシステムとして安定して固定されている。揺るがないリーダーシステムとして、エリアフリークの間では、かなり有名な話といえる。

揺るがないPEセッティング

そんな揺るぎのない早ちゃんのPEラインシステムだが、ナイロンリーダーが流行している現代でも、変化はないのだろうか?

「そうですね。自分がPEラインを使う釣りは、強い釣りが多いです。強いトラウトを引っ張って釣るスタンスです。そのときに、大きく動かして、止めて、食わせる。そんなパターンになることが多いです。例えばボトムですと、ボトムに落として、止めたときに口を使わせます。トップウォーターだと誘いを入れて、ピタッと止めたときに口を使わせる、とかですね。
ですから自分流のPEシチュエーションでは、ナイロンリーダーとの相性がよくありません。ナイロンの伸び代に邪魔されてしまいますから。
巻いて食わせる。動いているモノに速い速度でバイトするトラウトに対しては、ナイロンリーダーの使い所は多々あると感じていますが、自分がPEで狙っているトラウトは、そのタイプのトラウトではないですからね。基本的にPEとナイロンリーダーを組み合わせることはありません」

自分がPEラインを使う釣りスタイルで、ナイロンリーダーとの相性がよくないです!

どんな釣りなのか?
■強いトラウトを引っ張って釣る
■大きく動かして、寄せて、止めて、食わせる釣り
■ボトムだと、ボトムに落として止めたときに口を使わせる
■トップだと、誘いを入れて止めたときに口を使わせる

早乙女智啓さんのPEタックルセッティング
■ロッド/フォーナインマイスターグレイウルフ63ML-e(ロデオクラフト)
■ライン/スーパートラウトエリア インフィニティPE X8 0.2号(バリバス)
■リーダー/スーパートラウトエリアショックリーダーVSP[フロロカーボン]0.8号(バリバス)

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