
●文:ルアマガプラス編集部
カツオとは?
カツオは、スズキ目サバ科に属する大型の回遊魚。世界中の温帯から熱帯海域にかけて広く分布し、日本では太平洋沿岸で古くから親しまれている。紡錘形の引き締まった体は高速遊泳に適しており、そのスピードとパワーは多くのオフショアアングラーを魅了している。旬が年に2回あることでも知られ、食文化においてもとても重要な魚である。
カツオの生態
カツオは一生を泳ぎ続ける回遊魚であり、季節によって大規模な移動を行う。日本近海では、春になると黒潮に乗ってエサとなるイワシなどの小魚を追いながら北上し、秋になると水温の低下とともに南下を始める。常に群れで行動し、海面で小魚を激しく追い回す“ナブラ”を形成することが多い。このナブラはカツオの存在を示す重要なサインとなり、釣り人にとって絶好のチャンスとなる。興奮すると体に数本の明瞭な縦縞が現れるのも特徴の一つである。
カツオは回遊しながらイワシなどの小魚を捕食する。
カツオの釣りシーズン
カツオの釣りメインシーズンは、北上する「初ガツオ」の時期と、南下する「戻りガツオ」の時期、大きく分けて年に2回存在する。
初ガツオ(春〜夏:4月~8月)
黒潮に乗って北上してくるカツオを「初ガツオ」と呼ぶ。この時期のカツオは、エサを求めて活発に活動しているため、脂は比較的少なく、身が引き締まってさっぱりとした味わいが特徴。瑞々しく爽やかな風味は初夏の訪れを感じさせ、江戸時代から珍重されてきた。九州南部から始まり、本州の太平洋沿岸を北上していく。
戻りガツオ(秋:9月~11月)
三陸沖などエサが豊富な海域で十分に栄養を蓄え、産卵のために南下を始めるカツオを「戻りガツオ」と呼ぶ。丸々と太り、全身に脂が乗っているのが特徴で、「トロ鰹」とも称される。その味わいは濃厚で、こってりとした旨味を堪能できる。釣り人にとっては、サイズ/味ともに最高のターゲットとなるシーズンだ。
カツオの釣り方
カツオは船からのオフショアゲームが一般的。特に、ナブラを見つけてルアーを撃ち込むキャスティングゲームはとてもエキサイティングである。
カツオの群れを船で探しながら釣っていく。
オフショアキャスティング
「ナブラ撃ち」とも呼ばれる釣り方。船でカツオの群れを探し、射程圏内に入ったら素早くルアーをキャストする。カツオの移動速度はとても速いため、正確なキャストと素早いルアー操作が求められる。ヒットした瞬間の強烈な走りは、一度味わうと病みつきになる魅力がある。
オフショアキャスティングゲーム。
仕掛け例
- ロッド: 7ft~8ft前後のオフショアキャスティングロッド(シイラロッドやライトツナロッドなど)
- リール: スピニングリール 6000番~8000番(高速巻き取りが可能なハイギアモデルが有利)
- ライン: PEライン 2号~4号
- リーダー: ナイロンまたはフロロカーボン 40lb~60lb
- ルアー:
- シンキングペンシル: 30g~60g。ベイトが小さい時に有効。
- 小型ダイビングペンシル: 水面を逃げ惑う小魚を演出する。
- メタルジグ: 30g~60g。遠投が必要な場合や、沈下速度を活かしてナブラの下にいるカツオを狙う場合に用いる。
カツオの食べ方
カツオは鮮度が命。美味しく食べるためにはまず、釣れた直後に「血抜き」をすること。カツオは血が多い魚なので、この作業は確実に行いたい。血抜きをした後は大量の氷で一気に冷やすことも重要である。釣りたては格別の味わいであり、時期によって異なる味覚を楽しめるのも魅力だ。
タタキ
カツオ料理の代名詞的存在。皮目を直火で炙り、すぐに氷水で締めることで、皮の香ばしさと身の旨味を同時に味わえる。さっぱりとした初ガツオは、ニンニク/ショウガ/ミョウガ/ネギなどの薬味をたっぷり添え、ポン酢でいただくのが定番。
カツオのたたきといえばカツオ料理の代表格。新鮮なカツオでチャレンジしてほしい。
刺身
鮮度の良いカツオでしか味わえない最高の贅沢。特に脂が乗った戻りガツオの刺身は「トロ鰹」と呼ばれ、舌の上でとろけるような濃厚な旨味がある。ショウガ醤油やニンニク醤油でいただくのが一般的だ。
手こね寿司
三重県志摩地方の郷土料理。カツオの赤身を醤油ベースのタレに漬け込み、酢飯と豪快に混ぜ合わせて作られる。漁師が船上で食べたのが始まりとされ、薬味の風味とカツオの旨味が一体となった逸品だ。
角煮
血合いの部分や、刺身で食べきれなかった部位は、甘辛く煮付けることで美味しく食べられる。ショウガを効かせることで魚の臭みが消え、日持ちもするため常備菜としても重宝する。
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