〈初心者の釣り〉“ナマズ”の生態/釣りシーズン/釣り方/仕掛け/食べ方【水面炸裂! 身近な水辺のエキサイティングファイター】

●文:ルアマガプラス編集部

ナマズとは?

ナマズは、ナマズ目ナマズ科に分類される大型の淡水魚。大きな口と感覚器である長いひげが特徴で、日本全国の河川/湖沼/用水路/田んぼといったとても身近な淡水域に生息している。古くから日本人にとって馴染み深い魚であり、近年ではその獰猛な捕食スタイルから、ルアーフィッシングのターゲットとして人気が確立されている。

獰猛な捕食スタイルだが、お顔はキュート!かも…。

ナマズの生態

典型的な夜行性の魚で、日中は岩陰/水草の影/護岸のエグレといった物陰に潜んで休息している。夜になると活発に動き出し、優れた嗅覚と触覚を持つひげを駆使して獲物を探す。食性はとても貪欲な肉食性で、小魚/カエル/ザリガニ/昆虫、ときには水面に落ちたネズミまで、口に入る大きさの動くものなら何でも捕食対象とする。とくに水面で音を立てる獲物には敏感に反応し、水面を爆発させるような派手なバイトを見せるのが最大の特徴だ。

トンネルのようなストラクチャーはナマズが着きやすい。

ナマズの釣りシーズン

ナマズは水温に活動が左右される魚。水温が上昇する春から秋にかけてがメインシーズンとなる。

冬以外は活発に行動するナマズ。

ハイシーズン(5月~9月)

田んぼに水が入り、カエルや虫などのベイトが豊富になる梅雨時期(5月下旬~7月)が最盛期。低気圧で雨が降り、水が濁るような状況では、日中でもナマズの警戒心が薄れて活発に捕食活動を行うため、絶好の狙い目となる。夏の夜も安定して釣果が期待できるシーズンだ。

レギュラーシーズン(4月〜10月)

春先は水温の上昇とともに活性が上がり始め、秋は越冬に備えて荒食いをするため、ハイシーズンに次いで釣りやすい時期。ただし、朝晩の冷え込みが厳しい日は活性が下がることもあるため、日中の暖かい時間帯や、水温が安定しやすい雨後などが狙い目となる。

オフシーズン(11月~3月)

水温が低下する冬の間は、深場の物陰でじっとして活動が鈍くなるため、釣るのはとても困難となる。完全に釣れないわけではないが、積極的にルアーを追うことは少なくなる。

ナマズの釣り方

ナマズの捕食スイッチを入れる、水面でのアピールを主体とした釣りが人気だ。

基本は浅い水路や小川がメインポイント。

ナマトップ

“ナマズのトップウォーターゲーム”の略称。カップ系のノイジーやクローラーベイトといった、音や波動を大きく出すトップウォータープラグを使い、水面を賑やかに探る釣り方。夜の静寂を破る豪快な捕食音と、ルアーが水中に引きずり込まれる視覚的な興奮は、この釣りならではの醍醐味だ。ポイントは小規模な河川や用水路など、護岸際や流れ込み、水門まわりといった変化のある場所をテンポ良く探っていくのが基本となる。

ナマズ用のトップウォータールアー。

仕掛け例

  • ロッド: 6~7ft程度のバスロッド(M~MHクラスのグラスコンポジット製ロッドがバイトを弾きにくく推奨される)/ナマズ専用ロッド
  • リール: ベイトリール(16lb以上のナイロンラインやPE4号以上を100m程度巻けるモデル)
  • ライン: ナイロンライン 16lb~25lb/PEライン 4~6号
  • リーダー: PEラインを使用する場合、スナップ直結でも良いが、根ズレ対策としてナイロンやフロロカーボンの30lb~50lbを先に結ぶこともある
  • ルアー:
    • 種類: カップ系ノイジー/クローラーベイト/ダーターなど、アピールの強いトップウォータープラグ
    • フック: バーブレス(カエシなし)のダブルフックが基本。魚へのダメージを減らし、手返しを良くする効果がある
    • その他: 夜釣りでの視認性を高めるため、ケミカルライトを装着できるモデルが多用される

太糸を巻けて、パワーのあるベイトリールがおすすめ。

ナマズの食べ方

ナマズは古くから食用にされてきた魚だが、生息環境によっては泥臭さが身に残ることがある。そのため、調理する前には、きれいな水を入れたバケツなどで数日間活かしておき、“泥抜き”を行うのが一般的だ。身は熱を通すとふっくらとする上質な白身で、さまざまな料理で美味しく食べることができる。

きちんと泥抜きをすれば美味しい白身魚だ。

蒲焼き

もっとも定番で人気の食べ方。泥抜きをして捌いたナマズを開き、甘辛いタレをつけて炭火やグリルで香ばしく焼き上げる。食感や味わいはウナギの蒲焼きによく似ており、とても美味。山椒をかければ風味が一層引き立つ。

天ぷら”フライ

淡白でクセのない白身は揚げ物との相性も抜群。衣はサクサク、中の身はふっくらとジューシーに仕上がる。天つゆ/塩/ソースなど、好みの味付けで楽しめる。臭みも感じにくくなるため、泥抜きが不十分な場合でも食べやすい調理法だ。

唐揚げ

ぶつ切りにしたナマズに醤油/生姜/ニンニクなどで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げる。外はカリッと、中はフワフワの食感が楽しめる。お酒の肴にも、ご飯のおかずにもなる一品だ。

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