
●文:ルアマガプラス編集部
スルメイカとは?
スルメイカは、ツツイカ目アカイカ科に属するイカの一種。日本近海に広く分布し、日本人にとってもっとも馴染み深いイカのひとつと言える。スーパーなどで加工品として見かけるスルメの原料となるのが本種だ。釣りにおいては、夏の夜釣りのターゲットとして絶大な人気を誇り、手軽に数釣りが楽しめることから、初心者からベテランまで多くの釣り人を魅了する。
スルメイカの生態
スルメイカの寿命は約1年と、短命な“年魚”である。日本周辺の海域を季節に応じて大回遊しており、春に東シナ海などで生まれた個体が、対馬暖流や黒潮に乗って北上し、夏から秋にかけて北海道周辺の海域まで達する。そして水温の低下とともに南下を始め、産卵後にその一生を終える。食性は肉食で、おもにプランクトン/小魚/甲殻類などを捕食する。集魚灯の光に集まる習性が強く、船からの夜釣りではこの習性を利用して効率的に狙うことができる。
スルメイカの釣りシーズン
スルメイカの釣りシーズンは、回遊ルートによって地域差があるが、全国的に見ると初夏から秋が最盛期となる。
メインシーズン(6月~11月)
日本海側/太平洋側ともに、夏になると各地で釣果が聞かれ始める。とくに7月から9月にかけてがハイシーズンとなり、多くの釣り船がスルメイカを狙って出船する。この時期は数釣りがもっとも期待できる季節。秋が深まるにつれてサイズが大きくなる傾向がある。
冬シーズン(12月~2月)
一部の温暖な地域や、南下してくる大型の群れを狙う「越冬スルメ」をターゲットとする釣りも存在する。数は最盛期ほど望めないが、大型の一杯を求めて挑戦する釣り人も多い。
スルメイカの釣り方
船からの夜釣りが一般的で、集魚灯でイカを寄せ付けて釣る。伝統的な「胴突きプラヅノ仕掛け」と、ゲーム性の高い「イカメタル」がおもな釣り方だ。
集魚灯でスルメイカを集めて狙うのが一般的な釣り方。
胴突きプラヅノ
複数のプラヅノ(プラスチック製の疑似餌)を連結させた胴突き仕掛けを使い、船長の指示ダナ(水深)に合わせて仕掛けを上下に誘い、イカを乗せる伝統的な釣り方。手返しとリズムが重要となり、群れに当たれば一度に複数のイカが釣れる“多点掛け”が醍醐味である。
仕掛け例
- ロッド: 1.8m~2.7m程度の船竿(7:3または6:4調子/オモリ負荷100~150号)
- リール: 中型~小型の電動リール
- ライン: PEライン 2号~4号を300m以上
- 仕掛け:
- プラヅノ: 11cm~18cmのものを5~10本
- 幹糸: フロロカーボン 8号前後
- 枝ス: フロロカーボン 5号前後
- オモリ: 100号~150号(船宿の指定に従う)
- その他: 水中ライト/ヨリトリリングなど
イカメタル
鉛製のメタルスッテと、枝スに付けるドロッパー(浮きスッテや小型エギ)を組み合わせたリグで、繊細なアタリを取って1杯ずつ掛けていくゲーム性の高い釣り方。軽いタックルで楽しめるため、近年急速に人気が拡大している。竿先に出るわずかな変化を捉える面白さがある。
仕掛け例
- ロッド: 6ft~7ft前後のイカメタル専用ロッド
- リール: カウンター付きの小型ベイトリール/スピニングリール2500~4000番
- ライン: PEライン 0.4号~0.6号 200m以上
- リーダー: フロロカーボンもしくはエステル2~3号を1m~1.5m
- リグ:
- ドロッパー: 浮きスッテや2.5号前後の小型エギ
- メタルスッテ: 10号~30号(約60g~120g)。船長指定の重さを使用
スルメイカの食べ方
スルメイカはさまざまな料理で楽しめる万能な食材。釣りたての新鮮なものは格別の味わいがある。
刺身(イカそうめん)
釣りたての透明な身は、コリコリとした強い食感と甘みが特徴。細切りにしてイカそうめんにするのが定番で、生姜醤油や麺つゆで味わう。鮮度が命の、釣り人の特権ともいえる食べ方である。
沖漬け
釣り上げたスルメイカを、船上で醤油ベースのタレに生きたまま漬け込む豪快な漁師料理。イカがタレを吸い込むことで、中まで味が染み込んだ絶品の珍味となる。熱々のご飯に乗せたり、日本酒の肴にしたりするのが最高だ。
イカ焼き(姿焼き)
醤油やみりんを塗って香ばしく焼き上げたシンプルな料理。屋台の味としてもお馴染みだが、新鮮なイカで作るそれは身が柔らかく、旨味が凝縮されている。
煮付け
甘辛い煮汁でサッと煮付けたものも美味しい。大根や里芋と一緒に煮込むと、イカの旨味が野菜に染み渡り、おかずとして最適だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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