
●文:ルアマガプラス編集部
タコとは?
タコは、軟体動物門頭足綱タコ目に分類される生物の総称。日本近海では多くの種類が生息するが、釣りの対象としてもっともポピュラーなのは「マダコ」だ。とても賢い生き物として知られ、岩の隙間や障害物に擬態して隠れる習性を持つ。独特の食感と濃厚な旨味から食用としても人気が高く、堤防から手軽に狙えるターゲットとして幅広い層の釣り人に親しまれている。
タコの生態
おもに沿岸の岩礁帯や砂泥底に生息し、岩の割れ目や自ら掘った巣穴を縄張りとする。夜行性で、夜になると活発に巣穴から出てきて獲物を探す。食性は肉食で、カニやエビなどの甲殻類、アサリやサザエなどの貝類、小魚などを強力な顎(カラストンビ)で捕食する。優れた擬態能力を持ち、周囲の環境に合わせて体色や体表の質感を瞬時に変化させることができる。
子ガニを捕食していたタコ。
タコの釣りシーズン
タコは基本的に周年狙うことができるが、数釣りが楽しめ、サイズも期待できるのは、水温が上がる夏から秋にかけて。
ハイシーズン(6月~10月)
マダコのもっとも活発な時期であり、数/型ともに最盛期を迎える。とくに夏は、浅場の堤防などからも手軽に狙えるようになり、多くの釣り人で賑わう。この時期のタコは「麦わらダコ」とも呼ばれ、身が柔らかく美味しいとされている。
冬シーズン(12月~2月)
水温の低下とともに深場へ移動するため、岸からの釣果は少なくなるが、船釣りでは良型が狙えるシーズン。この時期に釣れるタコは、身が締まっており、夏とはまた違った味わいがある。
タコの釣り方
タコは底に張り付いていることが多いため、底を丁寧に探ることが基本となる。
根掛かりかと思いきやタコが釣れた!ということも
タコエギ
近年、岸からも船からも主流となっている釣り方。エビを模したルアー“エギ”に、タコ専用の大きな針(カンナ)が付いたものを使用する。手軽でゲーム性が高く、初心者にもおすすめの方法だ。
仕掛け例
- ロッド: 7ft前後のタコ専用ロッド/硬めのバスロッドやシーバスロッド(Hクラス以上)
- リール: ベイトリール(PE3号を100m以上巻けるもの)/スピニングリール4000番以上
- ライン: PEライン 2~4号
- リーダー: フロロカーボン 30lb~60lb
- ルアー: タコエギ(3~4号)。カラーは白/ピンク/チャートリュースなどが定番。ブレードや集魚シンカーを追加するとアピール力が増す
スッテ
船釣りで古くから用いられている伝統的な仕掛け。「タコジグ」とも呼ばれるプラスチック製のルアーで、複数の針が付いている。手釣りで楽しむ人も多い。
スッテで釣れたタコ
仕掛け例
- ロッド: 船タコ専用ロッド/負荷80号以上に耐えられる硬い船竿
- リール: カウンター付きの船用両軸リール
- ライン: PEライン 4~8号
- リーダー: ナイロンリーダー 60lb~100lb
- 仕掛け: 幹糸にスッテを1~3個接続し、一番下に50号前後のオモリを付ける。
タコ釣りに特化したスッテ。
テンヤ
こちらも船釣りで用いられる伝統的な漁具。板状のオモリに大きな針が付いたもので、豚の脂身/カニ/アジなどのエサを針金で巻きつけて使用する。エサの匂いでタコを寄せるため、とても効果が高い。
仕掛け例
- ロッド: 船タコ専用ロッド/硬めの船竿
- リール: パワーのある船用両軸リール
- ライン: PEライン 4~8号
- リーダー: ナイロンリーダー 80lb~100lb
- 仕掛け: タコテンヤ(40~60号)
- エサ: 冷凍のカニ(ワタリガニなど)/アジ/イワシ/豚の脂身など。これらをテンヤに針金でしっかりと固定する
タコの食べ方
釣ったタコを美味しく食べるには、まず下処理が重要。たっぷりの塩で揉み洗いし、ぬめりや汚れを完全に取り除くことで、臭みがなく美味しいタコ料理が楽しめる。
エリアによってはタコが禁漁となっていることも。持ち帰る際は釣れた場所の規定を確認しよう。
茹でダコ
もっともシンプルで、タコ本来の味を堪能できる食べ方。下処理をしたタコを、番茶や大根と一緒に大鍋で茹で上げる。鮮やかな赤色に茹で上がったタコは、そのまま刺身やぶつ切りで食べるのが最高だ。
唐揚げ
茹でダコや生のタコに下味を付け、片栗粉をまぶして揚げる。外はカリッと、中はプリプリの食感がたまらない。ビールのお供に最適。
たこ焼き
自分で釣ったタコで作るたこ焼きは格別。少し大きめにカットしたタコを入れると、食べ応えがありとても美味しい。
タコ釣り方 | たこ焼き
タコ飯
タコの旨味が染み込んだ炊き込みご飯。細かく刻んだタコと、生姜や人参などの具材を一緒に炊き上げる。タコの出汁がご飯一粒一粒に染みわたり、風味豊かな一品となる。
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