7月に発表されたダイナダートは、ダートアクションでターゲットを狙うための専用ロッド。すでに、製品紹介の記事は配信したが、今回はアングラーの黒田さんが実際に使用した上でのダイナダートのインプレと全機種の解説をお伝えしていこう。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
ライトなターゲットから青物狙いまで、幅広いダートゲームに対応可能!
ダートアクションはロッドを上下に動かし行う。ロッドを動かさなければ自発的に動くわけではないので、常に操作を行う必要がある。そのために適したタックルは、操作がしやすいバランスと継続した動作で疲れない軽さが必要となる。
特にバランスは重要な要素で、ロッドを持つグリップ付近よりロッドティップ(竿先)が重くなると、そのぶん力を入れて操作を行わなければならない。そのためワインド専用ロッドなどでは、グリップ前方へとアクション時に持ち替えてアクションを行なっている。
これに合わせてグリップ部の前方が長く延長されたモデルが存在する。操作を優先した専用モデルでは、このグリップ部の延長により重量増につながっている場合が多いが、今回リリースされたダイナダートは疲れを軽減するため軽量化や、メタルジグやメタルバイブレーションなど、より幅広いルアーを使用することも想定。グリップ部はダートアクションを行いやすい専用設計でありながら、軽量で応用力を兼ね備えたモデルに仕立てられている。
マイクロワインドに対応したモデルや、足場の高さやテクニカルな釣りに合わせた長さ違いのモデル、青物も想定した計6機種をラインナップ。ブランクにはハイパワーXを採用し、強い反発力と、調子をグリップ側に寄せることによって操作性の向上を図った。ヒット時には、その軽量さからは意外なほどの強さを感じられる。加えて最大の特徴は、ダートに特化したグリップ周りだ。
上面がフラットデザインのリアグリップは、ロッド操作をストレスなく行える
ロッドティップを上下にアクションさせると、エンド側も逆方向に上下し、肘や脇に当たる。エンドグリップの天面部をフラットにしたことにより、接地面積を増やしアクション時の安定性を高めた。同時にファイト時にも安定することに貢献。
一定のリズムを保つため、エンドグリップを身体に当てたり離したりして操作を行う。不安定な状態では、振動がロッドに伝わり、不要なブレが起こり悪影響が出る原因になる。
フロント部の、テーパードセミロンググリップは、手のひらにフィットし握りやすい!
フロントグリップ部の延長は重量増につながるが、アクション時にリールフットより前方で握ることができる絶妙な長さに設定。軽さと操作性を両立させた。これにより指先への負荷を抑え、手首の疲労軽減にもつなげている。
グリップ前方を握り込める実用的な長さに設計。軽さにより疲れず素早い操作を可能にしつつ、ブランクにタッチできることにより、ルアーの挙動やアタリなどを感じ取りやすい設計となっている。
ダート専用設計でありながら、ショアジギングやエギングなども可能なマルチパーパスロッドとして設計。価格も手ごろなこともあり、メインの釣りと違ったターゲット狙いや、ルアーゲームをはじめる最初の1本としても最適だ。
黒田「私はサーフの釣りがメインですが、ちょっとお土産が欲しいなといった時に、このダイナダートを使ってエギングを楽しんだり、青物を狙ったりと、マルチに活用しています」
全機種紹介!
S76UL-S
黒田「10gくらいまでのルアーを使って、アジやメバルといったライトゲームターゲットやシーズンにはメッキやカマス狙いが面白いモデルです。このモデルのみハイレスポンスソリッドを採用していて、軽いルアーや細いラインでも扱いやすい。風などの外的要因に影響を受けやすい状況でも、うまく対応できます」
S76ML
黒田「小規模河川や足場の低い堤防などのポイントで比較的繊細な釣りをする場合にマッチしています。軽めのジグヘッドを使用して、テクニカルに狙う根魚や小型の青物にちょうど良いモデルです」
S80ML
黒田「こちらも76MLと同様に、軽めのジグヘッドを使用した繊細でテクニカルな釣りに適しています。一般的な5mほどの堤防で扱いやすい長さで、エギングなどさまざまな釣りにも対応しているモデルです」
S80M
黒田「タチウオやサゴシ、チヌやシーバスと、一番万能でなんでも扱えるド真ん中な一本です。どのモデルがよいか迷った時に、基準にしてもらえればよいと思います」
S80MH
黒田「青物やサーフのヒラメ、マゴチなどをターゲットに想定したモデルです。水深が深い場所や潮流が速い場所など、重めのジグヘッドを使用する際やショアジギングなどにも使用できます。遠投が必要な時にも活躍しますよ」
S86ML
黒田「6機種の中で最長モデルで、76MLや80MLと同様にテクニカルな釣りに適しています。違いは長さがあるため、足場が高かったり深かったりする場所に向いています。オープンエリアで広くサーチしたい時などにも活躍します」
ルアーマガジン・ソルトDX Vol.2(7/21発売)
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