『魚』も積極的に狙えるエギングロッド「ブリゲイドフリップ」を全機種詳細解説!!



エギングロッドならではの汎用性を活かして、エギ以外のさまざまなルアーを使って他魚種も積極的に狙っていこうというコンセプトの『ブリゲイドフリップ』。今回は全3機種、それぞれの特徴をテンリュウの開発担当・舟木雄一さんに詳しく語ってもらった。

舟木雄一(ふなき・ゆういち)

テンリュウ釣具事業部に所属。幼少期からショア、オフショアを問わずさまざまな釣りを経験し、現在はライトジギングをメインに釣行を重ねている。

【BGF832S-MMH】4号エギが使えて獰猛な『牙魚』も狙えるパワフルモデル

スペック
●全長:2.51m
●アクション:レギュラー
●自重:100g
●ルアー(エギ):MAX35g(エギ4.0号)
●PEライン:MAX1.2号
●価格:39000円

舟木「3機種の中でもっとも短く、もっともパワフルなモデルになります。このパワフルさを支えているのが、バット部分に使用されている『カーボンナノチューブ素材(C・N・T)』です。ナノという名前が示す通りとても細かい微粒子で、カーボン繊維同士をつなぐレジンの中に絡み付くように配合されており、繊維間の結び付きをさらに高めることでブランクスの剥離を抑制してくれます」

舟木「その結果、ブランクスのようなパイプ形状の物が曲がり込んだ時に起きる、ひしゃげるようなツブレに対するネバリが強くなり、エギならば最大4号までも思い切りシャクレるだけのパワフルさに仕上がりました」

バット部に高弾性カーボンを補強すべく配合されている、カーボンナノチューブ素材(C・N・T)。シャクリ抵抗が大きい4号エギや、自重のあるワインド用ジグヘッドリグを使ってもヘコたれることがない剛性感を保持している。

舟木「そして、ブリゲイドフリップはモデルごとに異なるガイド径が採用されていて、この832-S-MMHはもっとも大口径のガイドが搭載されています。そのため4号~5号など太めのリーダーを使うゲーム、例えばタチウオやサゴシなどを狙うワインド釣法などにも最適です。パワー表記のMMHは『ミディアムとミディアムヘビーの中間』という意味で、ワインド釣法に使う30g前後のダート系ジグヘッドでも無理なく操作することができます」

もっとも手前が、BGF832S-MMHの大口径ガイド。キャスト時の抵抗が大きい太めのリーダーでもトラブルが起こりにくく、ワインドゲームでもロングキャストで広く探ることができる。

■適合エギ:3.5号~4号

4号まで対応できるが、ストレスフリーで使うことを考えれば3.5号がベスト。春の大型イカシーズンに使うなら、迷うことなくこのモデルだ。

■適合ルアー:ワインド釣法用ジグヘッドリグ

沖堤防からのタチウオ&サゴシ、中型青物くらいまでなら十分に渡り合えるだけのパワーを持つ。ジャーク時の抵抗が大きいダートヘッドタイプのジグヘッドリグも問題なく使える。

【BGF852S-M】シリーズの中核をなす、これぞ『バーサタイルの極み』

スペック
●全長:2.57m
●アクション:レギュラー
●自重:96g
●ルアー(エギ):MAX30g(エギ3.5号)
●PEライン:MAX1.2号
●価格:38500円

舟木「シーズンを通してもっとも出番が多い、中間のMパワーモデルです。一般的なエギングロッドのMパワーよりは若干柔らかめのセッティングなので、3号エギが一番使いやすいでしょう。3.5号を使う場合はしなやかなティップを活かして、ラインスラックを出しながら移動距離を抑えてネチネチと探るスラックジャークがやりやすいです」

舟木「ルアーは30gまで対応してるので大抵のハードプラグは使いこなすことができ、夏~秋ならばポッパーを始めとしたトップウォーターでのキビレ、シーバスなどが面白いでしょう。前述の通り柔らかめながらもハリがあるので、アングラーが自らルアーにアクションを付けて誘うようなスタイルには向いています」

キビレを狙っていたつもりが…超カワイイ、ツバス(モジャコ!?)がポッパーへ果敢にアタックして来た。これには舟木さんも苦笑い…。

■適合エギ:3号~3.5号

3.5号ならばフレキシブルなティップを活かして、ラインスラックを利用したスラックジャークなどに最適。通常のシャクリ&フォールの釣りなら、写真の3号が操作しやすい。

■適合ルアー:30gまでのハードルアー

ポッパーを始めとした、アングラーがアクションを付けてターゲットを誘うトップウォーターには最適なロッドアクション。もちろん、ミノーなどのただ巻きルアーもOKだ。


【BGF872S-MLM】秋イカ&ライトリグゲームに最適なソフトティップが武器

スペック
●全長:2.62m
●アクション:レギュラー
●自重:92g
●ルアー(エギ):MAX25g(エギ3.5号)
●PEライン:MAX1.0号
●価格:38000円

舟木「MLMという『ミディアムライトとミディアムの中間』のセッティングを施した、もっともローパワーのモデルになります。エギはMAX3.5号まで扱えますが3号以下のエギの方が操作しやすいので、これからシーズンを迎える秋イカや、シャローエリアで軽めのエギを使いたい時などに向いている1本です」

舟木「低弾性のチューブラーティップを採用しているのですが、中弾性へのベリー、そして高弾性のバットへとつながる際に、明確な継ぎ目を残すことなく形成できる『マグナフレックス製法』を採用しているので、チューブラーでありながらソリッドのようなフレキシブルな味付けになっています。これにより陸っぱりからのティップランエギングや、ライトジグヘッドを使ったワームリグの釣りにも対応できます。サーフからのヒラメ&マゴチや、小型ロックフィッシュで遊ぶのにはちょうど良いパワーですね」

低弾性カーボン→中弾性カーボン→高弾性カーボンへと素材の変更があるにもかかわらず、マグナフレックス製法の採用により継ぎ目部分は存在せず。ストレスのない自然なベンドカーブを見せる。

■適合エギ:~3号エギ

陸っぱりティップランならばスペック通りの3.5号まで、それ以外ならば柔らかくて食い込みの良いティップを活かした、3号までの小型エギを使っての秋イカゲームなどに向いている。

■適合ルアー:ワームのライトリグ

高感度かつ食い込みが良い、ソリッドティップ同様の役目を果たすマグナフレックス製法によるチューブラーティップには、ジグヘッドリグやライトテキサスリグがピッタリ。

スタイルに合わせて楽しめる「エギング+魚釣り」用ロッド

以上3モデル、自分の釣りのスタイルに合わせて選べるラインナップとなっている、NEWブリゲイドフリップを紹介してきた。エギングだけじゃなく、色んな釣りを楽しもうというテンリュウからの新たな提案。

アオリイカが釣れるフィールドは魚も釣れるよね、だったら1本で全部こなせたら最高! という柔軟な発想が面白い。近日発売予定なので、気になった方はぜひ、お店でチェック!

ルアマガ+内のTENRYUページはこちら!