O.S.P.新旧バックスライドワーム、どっちがより釣れる!? ドライブショットVSドライブスティック



O.S.P.には『ドライブショット』と『ドライブスティック』という、2種類のバックスライドワームがラインナップされている。どっちが釣れるのか? 違いは何なのか!? そんな素朴でもあり、ある意味ちょっと意地悪(?)な質問を、若きバックスライドの名手に聞いてみました!

解説はO.S.P.加藤栄樹さん!

【Profile】

加藤栄樹(かとう・えいじゅ)さん

解説はO.S.P.の若手フィールドスタッフ・加藤栄樹さん。霞ヶ浦をホームフィールドに、アメリカでの活動も視野に入れて海外留学も経験している。

カバー専用設計!『ドライブショット(O.S.P.)』

カバー攻めアイテムとして、すでに定番化しているバックスライドワーム。フォールする際に進行方向とは逆=カバーへと自発的に潜り込んでくれるので、カバーの奥に潜むバスの目の前までイージーにアプローチが可能だ。

オフセットフックを刺しやすいギミックが嬉しい

ドライブショット(O.S.P.)

ドライブスティックと比較して、張り出しが大きいバルキーな高比重ボディはカバーへ入っていこうとする力がより大きい。ボディ下部にはオフセットフックを刺しやすいスリットを設け、さらに上部にはフックポイントを隠すディンプルが並ぶ。

専用設計だからバックスライドの「推進力」が高い!

当然、O.S.P.にもドライブスティックがあり、バックスライドセッティングでカバーの釣りに対応できる。にもかかわらず、新しく『ドライブショット』がリリースされましたね。

加藤「僕はホームの霞ヶ浦でよく使いますが、アシやブッシュなどのカバーに入っていこうとする『推進力』が、ドライブショットのほうが力強いです。ドライブスティックはもともと順刺しでの使用を想定していますが、ドライブショットはバックスライドセッティングの逆刺しをメインにしたボディフォルムなので、カバーを掻き分けるように奥へ奥へと入って行くんです」

フォルムと言えば、ドライブスティックとの大きな違いは『フラスカート』ですね。

フラスカートは全部で8本あり、長めの4本と短めの4本の組み合わせ。フォール時に水を掴みやすく、テナガエビの手のようにワサワサと揺れる。

加藤「若干角張った高比重ボディが沈もうとする力と、水抵抗が大きいフラスカートの浮かそうとする力が相殺し合うことで、斜め後方へ潜ろうとする力が強くなる仕組みです。テナガエビの腕っぽいフォルムも意識しています」

ドライブスティック/スティックファット/ショットの3展開

サイズ感はほぼ一緒だが、それぞれボディやテールの形状の違いで得意分野に微妙な差が出る。メーカー推奨フックサイズは、ドライブスティック4.5inはオフセット3/0。ドライブスティックファットはオフセット4/0~ 5/0。ドライブショットはオフセット4/0だ。

上からドライブスティック4.5in、ドライブスティックファット、そしてドライブショット。


ドライブショットのメインはバックスライドセッティング

バックスライドをメインに開発されたので、加藤さんはドライブショットでは逆刺しオンリー。順刺しも可能だが、まず使わないという。

ドッグウォークで誘い、リアクションで飛び出す!

ドライブショットとドライブスティック、系統としては同じバックスライドワームですが、前述のように奥へ入って行こうとする推進力など、若干の違いがあります。効果的な使い分けはあるのでしょうか?

加藤「推進力が大きいドライブショットは、アシやブッシュなど濃いめのナチュラルカバーに使用することが多いです。例えば霞ヶ浦なら、梅雨時期~初夏になるとアシ原周辺にテナガエビが発生しはじめ、それを捕食しようとアフタースポーンから回復しようとするバスがこぞって集まります。そのテナガエビがアシ際で漂っている姿をイメージしながら、バックスライドで誘います」

アシ際には初夏までテナガエビが集結し、バスの格好のエサとなる。これからの時期は見逃せない。

カバーに入れて反応がなければ回収し、再びキャストの繰り返しですか?

加藤「軽くトゥイッチを入れて水中でドッグウォークさせて、再びフォールさせて反応がなければ回収です。このドッグウォークがバイトトリガーとなり、カバーの中から水面まで食い上げてくることも多々ありますよ」

着水後すぐにラインを軽く手前に張って真っ直ぐにして、その後ラインをゆるめてフリーフォールさせると、カバーへと一直線に入りやすい。

ドライブスティック4.5in バックスライドセッティング

ドライブショットと比較してナチュラルな動きを活かすために、タックルは同一だがラインは12~14lbと若干細めをセレクト。フォール時の抵抗が少なく、スムーズに落ちる。

ラインアイが埋まる位置とナローゲイブなのが大事

一方、ドライブスティックのバックスライドセッティングですが、本来は順刺しベースで開発されているだけに、フックセッティングに迷うアングラーもいるようです。加藤さんのセッティング方法を参考にさせてください。

加藤「カバー攻めを想定したオフセットフックなら、テールとボディの境目から4.5番目のリブの辺りでフックを刺し、そこにラインアイが埋まるようなイメージで装着します。近距離で使う場合はフッキングパワーが伝わりやすいストレートフックを選びます。ドライブショットと比べても若干細身なので、フックはオフセットならFPPオフセット、ストレートならFPPストレート(いずれもハヤブサ)のナローゲイブを使い、バランスを崩さないように心掛けています」

カラーもナチュラルさを意識して、写真のテナガエビやモエビなどをイメージしたスモークペッパー&コパーフレーク、ゴーストシュリンプなどを多用している。

ナチュラルで穏やかな動きは人工縦ストに○

ドライブショットが濃いめのカバーに効果的なのに対し、ドライブスティックはどのようなシチュエーションに向いていますか?

加藤「使う時期は同じですが、ドライブスティックならではのナチュラルで穏やかなバックスライドを活かすならば、ドックや水門の壁際、橋桁などの人工的な縦ストラクチャーに沿ってフォールさせるのが得策です。こういった場合はナチュラルにゆっくりとフォールしてくれるドライブスティックの方が出番は多いですね。フォール後に引っ張り上げると、ネコリグのような折れ曲がりアクションでモエビが漂う様子も演出できます」

ドライブショットとドライブスティック、同系統ながらわざわざ新しいモデルを出すだけあって、似て非なるモノなんですね。

加藤「『バックスライド系』とひと括りにせず、細かいシチュエーションの違いで使い分けられれば、今まで釣れなかった魚を手にすることができるかもしれません。ぜひ、チャレンジしてみてください!」

写真はドライブショットでの1尾。細かなローテがバスへの近道だ!

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