アブ・ガルシアの『ソルティステージ』が圧倒的進化! 10年ぶりのフルモデルチェンジでハイエンドモデルのブランクスを獲得!



その登場からすでに10年が経過するアブ・ガルシアのソルトルアーフィッシング用ロッド『ソルティステージ』。その安定した性能と豊富なラインナップは、多くのアングラーをソルトルアーフィッシングの世界に引き入れてきたことだろう。そんなロングセラーロッドだが、2021年秋、いよいよフルモデルチェンジを果たす。今回はその道程に込められた思い、そしてフルモデルチェンジにより大きく変わる部分に関して、ピュア・フィッシング・ジャパンでロッド開発に携わるトモ清水さんにお話を伺った。

【Profile】

トモ清水(とも・しみず)

本名 清水智一 ピュア・フィッシング・ジャパンでロッド開発に長年携わる傍ら、雑誌や動画などのメディアにも多数出演。多種多彩な魚種・釣りを得意としており、自らが積極的にフィールドに赴くことで得た感触や経験を製品づくりにフィードバックしている。

ロングセラーシリーズ『ソルティステージ』を振り返る

アブ・ガルシアのソルトルアーフィッシング用ロッドとしては、主力艦隊の様な存在感を放つ『ソルティステージ』。

現在におけるそのラインナップも非常に膨大だ。

トモ清水「魚種ごとにわかれるのはもちろん、メソッドから地域性、マニアックなスタイルまで、細分化したラインナップになっていますからね。全部で200以上になりますし、例えばシーバス用だけでも20種類以上展開しています」

ロッドはもちろんリールやルアー、アパレルといったあらゆる製品を展開する『総合メーカー』だからこそできる充実のラインナップには、ただただ驚かされる。

トモ清水「もちろん、ただ単に数が多いだけではありません。実は歴史も古く、『ソルティステージ』の源流は2000年頃のマミヤ・オーピー時代までさかのぼります。当時はソルトルアーフィッシングもトラウト用ロッドなんかを流用することが多かった時代。そんな中、『ソルティステージ』で展開したのがシーバス専用ロッドだったんです」

バスともトラウトとも違う、新たな特化ブランドとして誕生したのが『ソルティステージ』だった、

そしてアジングやエギングのブームが訪れ、ソルトルアーフィッシングは一大ジャンルとして隆盛する。

トモ清水「この頃になると、PEラインもいよいよ浸透してきており、富士工業さんもPEラインに対応したガイドシリーズを展開します。そのタイミングでソルティステージは一度目のフルモデルチェンジを迎え、Xテープで補強したブランクスに当時最先端のKRガイドシリーズを組み合わせた『KRーX』シリーズが2011年に誕生したのです」

そしてこの『KR-X』シリーズこそが我々が馴染み深い『ソルティステージ』の現行モデル。

ソルティステージ KR-Xは現在までの約10年にも渡って愛用され続けてきたのだ。

トモ清水「1~2年で変わってしまうようなものではなく、10年使える『本質を極めた製品づくり』を目指してきました。それは創立100年を迎えるアブ・ガルシアらしさでもあるわけなんです。もちろん、それは2021年秋のフルモデルチェンジも同様です」

10年ぶり、2度めのフルモデルチェンジにより、『ソルティステージ プロトタイプ』がリリースされる。

そこには新たな願いが込められる。

トモ清水「コンセプトは『BE YOUR STYLE』。右腕や相棒と言った存在として、使ってくださる皆さんの『アナタらしいスタイル』を楽しんで欲しいという願いを込めているんです」

フルモデルチェンジで用いられるTAFの何がスゴイのか

TAF = Triarchy Force 製法

2021年秋に登場するモデルでも,すでに50機種を予定しているという新生ソルティステージ『ソルティステージ プロトタイプ』。

何がどう変わるのか、そこが知りたい。

トモ清水「最も大きな特徴となるのが、5年にも及ぶ構想の末に実現した『TAF』製法の導入です」

『TAF』。

アブ・ガルシアのハイエンドソルトウォーターロッドシリーズ『エラディケーター』で採用されているブランクスだ。

ブランクスといえばロッドの心臓部。

つまり新たな『ソルティステージ』では、これまで最高峰ブランドのみに使用が許されていた高性能ブランクスが、トップダウンしてくるのだ。

しかしそもそもTAF製法とは一体何なのか。

トモ清水「TAFとはTriarchy Force 製法の略称。3つの特徴を持ち、またその恩恵として得られる頑丈さ、つまりタフであることも併せたネーミングなんです。なお、その3つの特徴を簡潔にまとめると以下のとおりです」

CPCブランクス:縦横の繊維を組み合わせた100%カーボンを使用

グラスと併用するよりも圧倒的に強く軽いブランクスが作れる

DPH構造:同じ肉厚のブランクスでも従来の倍量のカーボンシートを巻きつけ

複数種類のカーボンシートを組み合わせることでブランクス特性の幅が広い

OCPD:カーボン繊維がブランクスの縦方向と平行になるようにシートをカット

カーボン素材の持つ強さを無駄なく発揮できる

もっと詳しい解説は下記記事を御覧ください!

軽い! 強い! 飛ぶ!

トモ清水「TAF製法のロッドはとにかく軽いです。軽くて強いカーボン素材のみを使用していますし、KR-Xの頃に採用していたXテープによる補強もしていません」

トモ清水「そしてちょっと振って貰えれば、そのシャッキリとした張りに驚くと思います。その一方で、キャスト時やファイト時にはしっかりと曲がるし、そこからの復元力も非常に優れています」

一見すると矛盾するような張りと曲がり。しかしそれもTAF製法だからこそ、高次元で両立させられているのだ。

トモ清水「ロッドが曲がっているときというのは、筒状の構造を持つブランクスが真円から楕円に変形した状態なんです。そこでTAF製法では、この負荷に対して最も強い形で繊維を走らせられるよう、カーボンシートを配置。これによりブランクスがつぶれにくく(張りが生まれる)、潰れた状態から戻る力も強く速い(トルクが生まれる)ロッドとなるんです」

その驚くべきパワーはときに、リールを巻かずともロッドを曲げているだけで魚が寄ってくるほどなのだとか。

トモ清水「さらにはロッドのブレの収束も速いので、遠投性能にも優れます。とにかく竿が仕事をしてくれるので、釣りをやり込んでいない人でもその違いはハッキリとわかるでしょうね。それとTAF製法のメリットとして、高弾性を使わずとも軽量化と感度を上げることができます。軽さと感度をスポイルすることなく高弾性だけに頼らない、強度が最も強いとされる弾性率30tカーボンをメインに設計していますので、モデルチェンジするロッドの中には、従来製法では5kgまでしかリフトできなかったのに、同じスペックのロッドで11kgまでリフトできるようになるものまであるんです」



『ソルティステージ プロトタイプ』は秋発売予定!

これまではハイエンドモデルの特権であった『TAF製法』が導入され、飛躍的にその性能が向上するという新生ソルティステージ。

『プロトタイプ』の名が意味するものは果たして…!?

そして気になるラインナップは…?

続報が入り次第、紹介いたします!

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