最強若手バス釣りトーナメンター・藤田京弥を支える『7つのDAIWA製ベイトリール』



『10年に1人の逸材』『若き天才』、そして『半端ない』。これらは藤田京弥というプロアングラーを形容するフレーズたち。我々はメディアで幾度目にしてきたことだろう。今季2021年、彼はまたさらに強さを増し、今なお圧倒的な戦績を叩き出し続けている。なぜ強いのか、なぜ勝ち続けるのか。常勝のリズムを奏でるタックル群を紐解いていこう。

【Profile】

藤田京弥(ふじた・きょうや)

プロデビュー4年目の2019年に、JBビッグタイトル3冠の偉業を史上最速で獲得。今季は史上初となる同年2冠に王手を掛ける“半端ない”コンペティターだ。1996年4月2日生まれ(25歳)、埼玉県出身・山梨県在住。

2021京弥をまたさらに進化させた最新鋭かつ最先端ベイト2モデル

21 ZILLION SV TW

【Spec】

  • ラインナップ:1000P・1000PL/1000・1000L/1000H・1000HL/1000XH・1000XHL
  • 自重:175g
  • ギア比:5.5/6.3/7.1/8.5
  • 巻き取り長:59cm/67cm/75cm/90cm
  • 糸巻き量:14lb×45~90m、16lb×40~80m
  • 最大ドラグ力:5kg
  • ベアリング:ボール8/ローラー1
  • 価格:47,080円(税込)

21 STEEZ LIMITED SV TW

【Spec】

  • ラインナップ:1000・1000L/1000H・1000HL
  • 自重:160g
  • ギア比:6.3/7.1
  • 巻き取り長:67cm/75cm
  • 糸巻き量:14lb×45~90m、16lb×40~80m
  • 最大ドラグ力:5kg
  • ベアリング:ボール12/ローラー1
  • 価格:77,000円(税込)

「剛性感と軽さではLIMITEDに分がある」としながらも、両モデルを常にボートデッキに並べてきたこの2021年。つまりは、ほぼ同等の高い性能をマークしていることに他ならない。

「それまでの自分以上に能力を引き出せる」

2019年にプロ生活4年目で早くもJB3冠を獲得。翌20年には2巡目の3冠獲りへと向かう矢先のこと、JB最高峰シリーズ・トップ50は全戦の中止が決定した。

燻る闘志、矛先を向けるやり場もなく過ごした1年。

藤田京弥は今季2021年、もう1度覚醒した。

現時点までの戦績を振り返れば、そう言っても過言ではないことに気付けるはずだ。

ローカル及びメジャー含め、プロ戦では実に9勝。勝率は4割3分。およそ2試合に1回の割合で優勝した計算になる。

特に注目すべきは、直近10月の3連戦。

同月中旬に行われるトップ50七色ダム戦プラクティスの合間を縫って、練習ゼロのブッツケ本番での参戦ながらいずれも勝利を飾ったことだ。

2021藤田京弥の“半端ない”軌跡(2021年10月10日時点)

【2021年間成績】
  • トップ50 暫定1位
  • マスターズ A.O.Y.
  • 河口湖A 暫定1位
  • 河口湖B 年間2位
  • JBⅡ河口湖 暫定5位
  • 入鹿池A.O.Y.
勝率4割3分、実に2戦に1勝! 史上初の同年2冠達成なるか!

2019年にはマスターズとクラシックの同年2冠を史上初で獲得したばかりの藤田京弥。今季はマスターズとトップ50というメジャー2冠も視野に入った。ローカル戦では続々と白星を積み重ね、残す2戦のトップ50も得意とするクリアウォーター。1997年スタートの最高峰戦史上で初の快挙は実現されるのか。

開催日試合名開催地順位
3/13~3/14マスターズ第1戦三重/津風呂湖優勝
3/28河口湖A第1戦山梨/河口湖優勝
4/2~4/4トップ50第1戦福岡/遠賀川準優勝
4/10~4/112020ジャパンスーパーバスクラシック山梨/河口湖12位
4/22河口湖B第2戦山梨/河口湖6位
4/27~4/28陸王予選第1戦vs金森隆志香川/府中湖Win
6/27入鹿池第1戦愛知/入鹿池3位
7/2~7/4トップ50第3戦茨城・千葉/霞ヶ浦水系7位
7/10~7/11マスターズ第2戦茨城・千葉/霞ヶ浦水系準優勝
7/18入鹿池第2戦愛知/入鹿池優勝
7/31~8/1マスターズ第3戦山梨/河口湖準優勝
8/3艇王予選第1戦vs峯村祐貴神奈川/相模湖Win
8/26河口湖B第1戦山梨/河口湖優勝
8/28JBⅡ河口湖第2戦山梨/河口湖12位
8/29河口湖A第3戦山梨/河口湖7位
9/9河口湖B第3戦山梨/河口湖優勝
9/11~9/12マスターズ第4戦長野/野尻湖3位
9/17~9/19トップ50第4戦福島/桧原湖優勝
9/25JBⅡ河口湖第3戦山梨/河口湖4位
9/26JB河口湖A第4戦山梨/河口湖準優勝
10/3入鹿池第3戦愛知/入鹿池優勝
10/7河口湖B第4戦山梨/河口湖優勝
10/10入鹿池第4戦愛知/入鹿池優勝

もはや国内に敵はいないのか。

強さの源泉はどこに存在するのか。

藤田「何も不満に感じることがない。これ以上はあるのか…とさえ感じるほど」

現在のタックル評を訊くと、藤田はこう即答。

19年にDAIWAと契約するや、最終戦桧原湖を“QD”プロトを武器に逆転A.O.Y.を飾ったことは前回で解説。

LUVIAS AIRITY FC LT2500S-XH-QD

藤田京弥モデル“QD”「スピニングはコレ1択」

ノブ半回転、いや4分の1回転ほどでも強弱が明確なドラグシステム“QuickDrag”が搭載されたのは、21LUVIAS AIRITYの1機種のみ。淡水専用のFC、登板頻度の高いLT2500、かつエクストラハイギア。今や藤田さんの欠かせない武器だ。

今季はそのスピニングのみならず、ベイトリールも充実度を増した。

藤田「元々19年からSTEEZ SV TW(1012SV-XHL)を使い込んで、何も不満はなかった。そこに今年LIMITEDとZILLIONが加わった。それまでの自分以上の能力を引き出してくれていると思う」

もはや無双状態。現在、藤田京弥を司るDAIWAベイトリールの全てを見ていこう。

京弥の強さを司るDAIWAベイト7

メインマシン2モデル

「魚の目の前に届かなければ、バイトを得ることはない」

トップ50霞ヶ浦水系戦、北浦上~中流域で組んだメインパターン「囲みアシ」でSV BOOSTが火を噴いた。

柵前から奥へ遠投を強いられると共に掛けたら即寄せることが求められるシーンでのことだ。

藤田「当初は10.0。ところが風が強く吹き、高比重ノーシンカーが届かない。現場でLIMITEDに組み替えた」

増水でアシ奥へと入った個体を直撃。

藤田「掛けた後より、届かなければ意味がないことを実感」

ZILLION SV TW 1000XHL

「SV BOOSTに8.5ギアは、常に心強い武器になる」

ギア比6.3と7.1のみとなるLIMITEDに対して、ZILLION SV TWは5.5・6.3・7.1・8.5といった4ギアをラインナップ。ハイギア好みの藤田にとって、1000XHLは欠かせないモデルのひとつだ。

STEEZ LIMITED SV TW 1000HL

「圧倒的な軽さと剛性感に信頼」

バスフィッシング最高峰ブランドにして限定モデル。もはや「これ以上の高性能は期待できない」と言い放つほどに溺愛。「欲を言うなら、ハイギアが欲しい」のが本音。「SV TWにSV BOOSTスプールを組み込むのも手」。

ベイトフィネス系2モデル

「精度を重視するか、風の有無での使い分け」

春開催のトップ50遠賀川戦での出来事。

小口径スプールで超軽量ルアーを飛ばす2モデルを明確に使い分けたという。

藤田「スモラバやネコリグなど撃ちモノはAIRの精度が絶対。風がなければシャッドなどの巻きモノにも。ただし」

条件が付くという。

藤田「向かい風はSV TWが搭載されたCT。ノントラブルでリズミカルに投げて巻きが可能」

圧倒的コンパクトボディの両モデルでの使い分けはSV TW搭載の差が決定付ける。小型軽量ルアーの撃ちならAIR、巻きならCT。どちらに主軸を置くか、そこに焦点が絞られる。

STEEZ CT SV TW 700XHL

「軽量ルアーには万能ノンストレスで戦える」

「正直な話、軽いルアーは全てこの1台だけでもいい」。φ30mmの小口径は軽量ルアーをスムーズに送り出す。「8.1のギア比はシャッドの巻きにマッチ」。ハンドル1回転76cm。

STEEZ AIR TW 500XXHL

「超軽量の撃ちモノ、精度重視の展開で絶対」

φ28mmの超小口径かつ超軽量のAIRスプール搭載。「ギア比9.1(1回転80cm)は掛けた後にカバーからターゲットを引きはがせる。北浦戦ではPEを巻いて、ネズミ系のトゥイッチにも」。精度重視の絶対選択肢だ。

釣種特化型3モデル

「出番は限られるが、特殊用途で絶対的優位性」

「テン(=10.0)は常にボートに積んでいる」というほどに信頼度は高く、ラインスラックの出やすいゲームでは必携だという。

他2モデルはどんな出番があるのか。

RYOGAは特に1フックアラバマ。

マスターズ津風呂湖戦優勝に貢献。

マグナムクランクでも多投。

TATULAは如何に。

藤田「プライベートでは使い込んでますが試合でもいずれ…」

TATULA TW 300L(ジャイアントベイト・アンブレラリグ他)

ド級! ジャイアントベイト対応リール

フロロカーボン30lbを巻き込み、ジャイアントベイト用としての出番を待つモデル。力強い巻きの釣りでも他と同じく左ハンドルを選択するが、ギア比は異例の6.3を選択している。

RYOGA 1016HL(クランキング)

「手元から水中の様子がわかる。巻きの高感度」

「ギア精度の高さは、水中の様子をダイレクトに手元へ」。マグナムサイズやヘビースピナーベイトのスローロール、小型アラバマ等で多用。フロロカーボン12~16lbを主軸に、優勝を果たした津風呂湖戦では20lbをセット。

ZILLION 10.0L SV TW(スピードゲーム)

「糸フケが出やすい釣りは超高速ギアでリスク回避」

ビッグベイトの速巻きやビッグスプーンなど「スラックを素早く回収したい釣り」に常勤。また「水圧の掛からないシャローは掛けた瞬間に不意のバレも少なくない」。超高速回収でリスク回避。フロロカーボン14~20lb使用。



一部を除き「ハイギアが絶対」である理由とは

7モデルのベイトリール、そして1モデルのスピニングリールで完成される藤田京弥の2021年。

どれひとつとして欠かすことのできない絶対的な戦力だ。

各モデルの特徴を最大限に生かす中で、一部を除き、藤田が絶大な信頼を得ているのがハイギアという存在。

ほぼすべてのモデルが各ラインナップで最も高い数字のギアを選んでいることがわかる。

藤田「例えばシャロー。掛けて5秒以内に決着しなければ獲れないシーンも少なくない」

ラインを瞬間的に緩めることさえなく、一気にデッキへ抜き上げ。

水圧のかかりにくい浅い水深でのスラックは、彼の中で負けと同等の意味なのだという。

藤田「手返しの良い展開で、より速いリズムが身体に馴染んでいく」

今年世の耳目を集めているクリア&ディープだけが彼の主戦場ではない。

マッディもシャローも無論、射程内。全方位に死角はない。

藤田「手厚いサポート。1人の力じゃここに辿り着けていない」

トップ50桧原湖戦優勝時に藤田は表彰台の頂点でこうコメント。

今季を最高の結果で終えた時、来季はまた次なる覚醒を見せるはずだ。

その次にある何かを求めて…。

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