海の中はどうなっていて、どんな魚がいるのだろうか。魚たちが暮らす場での、そのリアルな生活を垣間見たい。そんな思いで水中に潜り、撮りためた写真を集大成しました。ブリはアジなどの小魚を捕食して暮らすフィッシュイーターの回遊魚。エサを求めて常に泳ぎ回り、いざ見つければ目にも留まらぬ速度の突進をお見舞いします。筋肉質な身体と血液量の多さがこの身体能力を可能としているのですが、泳ぐことでエラを動かしているため、止まってしまうと呼吸できなくなるという繊細な面も。
(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)
水中写真で見るサカナの生態:ブリ
【Target Profile】
ブリ
日本各地(琉球列島を除く)に生息。関西ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリ。関東ではワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと大きくなるにつれて呼び名が変わる出世魚。春から夏に列島沿岸を北上し秋から冬に南下する回遊魚。
小魚が集まるポイントに、突如現れるブリの大群
ダイビングしていて、突如として姿を現すのが青物たちだ。青物の中でもブリ(ハマチ、メジロ、ワラサなども含む)は最もポピュラーな魚だ。
彼らは魚を食う魚、いわゆるフィッシュイーターなので狙いはアジ、サバ、イワシなどの小魚。だから、小魚が集まるポイントに潜っているとしばしば姿を見せる。
潮が止まっていたり、緩いときには小魚たちも浅めのシモリ(水中の岩礁などのこと)の近くなどで群れていることが多いのだが、潮が流れだし、大きなシモリの壁などに潮が当たって潮目ができてくるとプランクトンなどが集まるのか、小魚たちはその潮目へ集結。そんな場所でじっと待っていると、突然青物たちがやってくる。
アジやイワシなどの小魚を水面に追い立て捕食
ブリたちは小魚を水面へ追いやるように突進、捕食を繰り返す。その動きはまさに弾丸ライナーだ。
群れが突っ込んで体当たりされた小魚がヒラヒラを落ちるような動きをすると、瞬間的に増幅スイッチが入るのだろう、水面を飛び出さんばかりにアタックしていく。ギンギラギンで筋骨隆々の魚たちが目にも止まらないスピードでそれを繰り返すから圧巻だ。
(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)
魚は水中でどんなふうに暮らしているのだろうか?
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