釣り業界の各所で活躍する渡邉長士さん。彼のテクニックと引き出しの多さには、「ルアマガ+」ないし「ルアーマガジン・ソルト」の取材中に何度も助けられてきた。そんなチョーシさんこと渡邉長士さんの連載がルアマガ+でついにスタート! 記念すべき第1回のテーマはDAIWAの新作、メバルハンター。「メバル」の名を冠するルアーにもかかわらず、多彩な使い方でチョーシさんが釣り上げたのは…?
【Profile】
渡邉長士(わたなべ・たけし)
千葉県房総半島外房エリアの出身・在住で、幼少期から海釣りに親しむ。10代でルアーによるアジ釣りを始めた房総アジングのパイオニアだ。旬の獲物を追ってサオを振るマルチアングラーでもあり、近年はサーフアジングやオオニベにも傾倒する。
渡邉長士(タケシorチョーシ?)さん、ルアマガ+で連載決定!
実は「アジング」の名付け親だった!?
渡邉「ルアマガ+をご覧になっている皆さま、はじめまして! DAIWAフィールドテスターの渡邉長士です。
本名は長士と書いて「タケシ」と読むのですが、「チョーシ」のニックネームで呼ばれることも多いです。もし呼ぶ機会があればお好きなほうで呼んでください(笑)。
私は房総半島の外房エリア出身、在住のソルトルアーマンで、中でも地の利を生かしたオカッパリがほとんど。
ターゲットはなんでも! という感じで旬な魚を狙い、手軽なアジングから磯のヒラマサまで幅広く楽しんでいます」
渡邉「ちなみに、アジングは1990年代から本格的にやってまして、たぶん「アジング」という言葉を最初にメディアで使い始めたのも自分だったと思います。
ルアマガ・ソルトのアジング王バトルでは第1回、第2回と決勝に進み(2戦とも予選を勝ち抜いたのは私だけ)ましたが結果はどちらも2位。次回こそアジング王にオレはなる! と、開催を心待ちにしてます」
チョーシさんの今のイチオシ「メバルハンター」
そんな渡邉長士さんにルアマガ+は満を持して連載をお願いすることになった。今回は記念すべき第1回めだ。
渡邉「テーマは『好きなことを書いて下さい』とのことなので、これから冬に向けて面白くなるアジング…も考えましたが、12月にダイワから興味深いルアーが発売されるのでそちらをピックアップしたいと思います」
そのルアーというのがDAIWAの新作ルアー「メバルハンター」だ。
渡邉「これは2014年頃まで発売された「夜凪」というメバル用ミノーをベースにわずかな修正を加え、作られたものです。
夜凪はトゥイッチするとイレギュラーなアクションをするので主に港内のメッキや汽水域で小型のクロダイなどによく使っていましたが…実は! 本来のターゲットとなるメバルにはあまり使いませんでした。
というのも、中速くらいで巻くとイイ感じでアクションしますが、デッドスローだとあまり泳がなかったので、自分の中ではだったらジグヘッドリグでいいや。となっていたんです」
渡邉「今回発売されるメバルハンターは復刻といいましたが、実はラインアイを少し変えています。やや下向きにしたことでアクションのレスポンスを上げ、スローでもアクションしやすくなり本命のメバルにも使いやすくなっています。というのも、メバルは常にトゥイッチするよりもスローなただ巻きがベースになることが多いですからね」
新たな「メバルハンター」の進化はアクションだけにとどまらない。
渡邉「もう1つ変わったのがフック。夜凪はトリプルフックで最も細軸のモデルでしたが、メバルハンターは太軸になったのでデカメバルやシーバスが掛かってもフックを伸ばされにくくなりました」
カラーはクリア、ケイムラ、ホロ、夜光など今風の実戦的なカラーが全8色ラインナップ。
渡邉「さて、ここで問題です。このメバルハンターですが、いくらだと思います?」
ちなみに夜凪は1,400円だったというが…?
渡邉「夜凪がベースだから同じ1,400円? それとも値下げして1,000円を切る980円? いやいや、なんとメーカー希望本体価格600円なんです!」
生産国の変更やパーツのコストダウンが図られ、この価格が実現したとのこと。これはスゴイ。本当に安い。お買い得です!
渡邉「元々は1,400円のルアーなんですからね!」
メバルハンターで五目釣り達成!
メバルハンターを携えてご近所の河川に出かけた渡邉さん。ポイントは本流の河口域にある支流で、海から300mほど上流の汽水域だ。
渡邉「本命のターゲットはメッキですが、汽水域ではマゴチ、キビレ、セイゴ、コトヒキ、ハゼなどなど色々な魚種がヒットするので五目釣りが楽しめます」
渡邉「しかし当日は前日の雨の影響で強い濁り。こんな日はあまり良くないのですが、とりあえずシンキングのチャートバックパールカラーをキャストし、連続的なトゥイッチングで攻めていると5投目に早速ヒット。
ん?でもこれデカくない?シーバス?
と思ったものの、ジャンプもしないのでシーバスでもなさそう。
とりあえず魚は見たいので、丁寧にやりとりして足元まで寄せてくると正体は60cmほどのニゴイでした」
渡邉「その数日後、釣り番組の撮影があったので下見をしに外房の漁港に行ってきました。次の狙いはやはりメッキ。夕マヅメにスロープからキャストしてトゥイッチングで攻めると小型ながらヒット。その後もカマスなども釣れ、魚が入っているのを確認できたので竿仕舞いしました」
渡邉「その数日後、またまた違うロケで今度は南房に。今回のターゲットはボラのルアーフィッシング、通称『マレッティング』です」
「ルアーマガジン・ソルト」本誌でも何度か紹介していただいたボラゲーム。これまでジグ単で狙うことが多かったボラだが、今回はプラグのメバルハンターで狙う。
渡邉「普段はあえて難易度の高いジグ単での釣りをするのですが、実はプラグの方がスローに攻められ、タックルもアジ・メバル用のキャロタックルが使えるので簡単になるんです。
メバルハンター50Fでスローに攻めるとボラが連発。スタッフさんにも体験してもらうとすっかりマレッティングにハマってました」
そのロケ後、帰宅途中の漁港に寄り道してアジを狙う渡邉さん。ライトゲームの本番だ。
渡邉「常夜灯の下に少しライズが出ていたのでジグ単をキャストすると1投目からワームはボロボロ。どうやらかなりフグがいるみたいです。なので、フグ対策にメバルハンターの50Sを水面直下でリトリーブ。…するとやはりヒットしたのはフグでした」
そこで4gのワンタッチシンカーをミノーの40cmほど上に取り付け、スプリットショット状態にして中層を攻めると狙い通り20cmほどのアジがヒット。
渡邉「こんなリグを使う人はまずいないと思いますが、フグ対策やカマス狙いとかにも意外といいですよ!」
渡邉「房総はメバルシーズンまであと少しという状況ですが、これからはハイシーズンを迎えます。今シーズンはメバルハンターでプラッキングを楽しんでみてはいかがでしょうか!」