釣った魚を美味しく食べたい! そんな人に必須なのがクーラーボックス。魚の鮮度を保つだけでなく、飲み物や食料を冷やしておいたり、イスとして座れるタイプも存在します。保冷力や機能、大きさと、購入の際には意外と迷いやすいアイテムでもあります。この記事では釣りの対象魚ごとに異なるクーラーボックスのサイズの選び方や、保冷機能に関わってくる「断熱材」について解説していきます。
釣りはもちろんアウトドアレジャーに欠かせない存在
食べるための魚を釣りに行く時に欠かせないのが『クーラーボックス』。釣った魚の鮮度を持ち帰るまでキープできるのはもちろん、お弁当やドリンク、生エサの保冷庫としても重宝します。もちろん、その他のアウトドアレジャーにも広く使えるので、ひとつは持っていたいところです。
ただ、ひと口にクーラーボックスと言っても、大きさからタイプまで多種多様なモデルがあり、何を選んで良いのか見当が付かない…という迷えるアングラーの方々も多いコトでしょう。そこで、ここではサイズや断熱材の種類を解説しつつ、目的別クーラーボックスの選び方をおおまかにナビゲートしていきます。
クーラーボックスのサイズ選び=釣り場の状況や魚のサイズがカギ
クーラーボックスを選ぶ際に誰もが重要視するのが、そのサイズでしょう。どんな魚をキープするつもりなのか、どんな場所で使うつもりなのかで、選ぶべきサイズは異なります。実際に発売されているサイズを3段階に分けて説明します。
持ち運び便利で防波堤やライトな磯釣りにオススメ【20L未満クラス】
クーラーボックスとしては決して容量が多くありませんが、コンパクトで気軽に持ち運べるのが利点です。荷物スペースが狭い軽自動車にも載せやすいでしょう。アジやメバル、カサゴといった小型魚をキープするのに最適で、メインの釣り場となる漁港や堤防にも運びやすく、邪魔になりません。
さらに、適度な魚のキープ量であれば、保冷剤としての氷も含めて2人分程度のドリンク、お弁当なら十分に収納可能です。お手軽お気軽な釣り&レジャーのお供には、ピッタリのサイズと言えるでしょう。
タイなどの中型魚or小型でも数が狙える船釣りに!【20~39Lクラス】
湾内での船釣りなど、ある程度の魚の大きさと数釣りが期待できる場合に適しているサイズです。例えば35Lクラスのモデルならば、50cmクラスのマダイやヒラメの魚体を曲げることなく収納することが可能です。まとまった数が釣れるサバやイナダ、ワラサといった小~中型青物なら、お土産には十分な数をストックできるでしょう。
サイズ的には中型となり、一般乗用車のトランクならば問題なく積載できます。ただ、外寸としては大きいモノで70cmオーバーとなるので、ラン&ガンのような身軽に動き回る釣りには不向きです。陸っぱりならば、長時間一定の場所に釣り座を構えるようなスタイルでの使用が望ましいでしょう。
ブリやヒラマサには最大モデルを!【40L以上クラス】
ジギングやキャスティングゲームでのブリ、ヒラマサといった大型青物、もしくは沖釣りでの泳がせ釣りによる巨大根魚といったビッグゲームには、最大級クラスのクーラーボックスが必要不可欠になります。モノによっては内寸でも1mを超えるサイズなので、大抵のモデルにはハンドル&キャスターを搭載。片手で引っ張って運ぶことができます。
しかし、サイズだけでなく食味も魅力的な、いわゆる『高級魚』をキープすることを前提としているモデルが多く、素材や構造的にもコストが掛かっているので、お値段的には割とハイプライスになってしまいます。
クーラーボックスの性能を司る『断熱材』を知ろう!
次に、ある意味クーラーボックスの『生命線』と言っても過言ではない、断熱材について説明します。断熱材はクーラーボックスの壁内に搭載されていて、外からの熱の影響を受けにくく、かつ内側の冷気を可能な限りキープしてくれる物です。現在では『真空断熱パネル』『発泡ウレタン』『発泡スチロール』という、おもに3種類の断熱材が使用されています。以下にそれぞれの特徴をまとめてみました。
真空断熱パネル
内部が真空構造なので空気の温度変化が理論上存在せず、3種類の断熱材の中でもっとも優れた保冷力を発揮します。その分コスト的には割高で、大容量の上位モデルに使用されることが多いです。
発泡ウレタン
『釣り専用』クーラーボックスに使われている断熱材としてはポピュラーなもので、発泡スチロールの約1.5倍の保冷力があると言われています。厚ければ厚いほど保冷力は増しますが、その分重くなってしまうのがネックです。
発泡スチロール
一般的な断熱材として広く知られており、リーズナブルなモデルには発泡スチロールが使われていることがほとんどです。ただ、長時間の保冷は期待できないので、時間が掛からない近場のポイントでの使用がオススメです。
1種類の断熱材をフルに使用、もしくは数種類を適材適所で混合使用など、さまざまなモデルがあるので、自分の目的に合った断熱構造を選ぶようにしましょう。
中型~大型モデルには『排水機能』が欠かせない!!
そして、排水機能の有無もクーラーボックス選びの大事なポイントです。収納力が大きい中型以上のモデルでは、現場で氷に加えて海水を注ぐことで冷蔵庫のチルドルームに近い状態を作り出せる『潮氷』で、魚の鮮度を保つことも多々あります。
そして帰宅する前に、排水機能があればクーラーボックスを傾けたりせずに簡単に海水を抜くことができるので、便利機能として必ずチェックしておきましょう(※海水を抜いた後は、魚と氷の間にタオルや新聞紙などを配置して氷焼けを防いで下さい)。
そのクーラーボックス……座っても大丈夫ですか!?
さらに、本来のクーラーボックスの機能には関係ないのですが……釣りをする際に腰掛ける『イス』として使えるか、どうか(※コレ、けっこう重要!)。釣り具メーカーがイスとしての使用もOKと唱っているモデルがある一方、特に小型モデルではそこまでの強度を維持できない物もあるので要注意です。
編集部推薦! 釣りにオススメのクーラーボックス
お手軽お手頃小型クーラーボックス【アブゼロ(アステージ)】
容量20Lの持ち運びしやすいクーラーボックス。脚付きタイプであり、夏場でも蓄熱した地面の影響を受けにくい構造になっています。港湾や防波堤でのファミリーフィッシングに最適と言えます。
多様なサイズ&断熱材の選択肢【フィクセルシリーズ(シマノ)】
多数のクーラーボックス商品を展開しているシマノの中でも、最もスタンダードなタイプがこの「フィクセル」シリーズです。コンパクトな7Lから数釣りに対応できる30Lモデルまでをラインナップしています。
イスとして腰掛けることを想定した「堅牢ボディ」で、大人が座っても問題ない設計です。水栓も装備しており、必要な機能を遺漏なく備えたシリーズになっています。
シマノのクーラーボックスは断熱材の種類に応じて名前が変わり、「ライト」「ベイシス」「リミテッド」「プレミアム」「ウルトラプレミアム」の順に保冷力が上がります。
汎用性の高いDAIWAのクーラー【プロバイザーシリーズ(DAIWA)】
フタに新システム「リフトアップオープンシステム」を採用したDAIWA製のクーラーボックスです。両開きで開閉しやすく、密閉性も高いのでスチロールを断熱材に用いた「S」クラスでも十分な保冷力を誇ります。
16、21、27Lの3モデルにそれぞれ断熱材別の4タイプが販売されており、季節や釣りモノに応じて自分に合ったモデルを購入することができます。
ダイワのクーラーボックスもシマノと同様、断熱材の素材や構造によって名前が変わります。主に「S」「GU」「SU」「TSS」「ZSS」の区分で順に保冷力が高くなっています。
タチウオなどの長物も入る長方形ボックス【スペーザシリーズ(シマノ)】
体に近いところで持つことができるので疲れにくく、サイズも25Lからラインナップされているので十分ランガンにも使えます。ホイール&キャスター付きの型も取り揃えており、堤防などの平地では非常に心強い装備になっています。
もちろん船釣りにも最適な大容量モデルで、最も大きいものでは65Lを誇る収納力。85cmまでの魚なら曲げずに保存することができます。保冷性能もバツグンで、31度の環境下で70時間氷を保持することが可能。数日間に渡る遠征釣行の際にはうってつけのサイズです。
ニオイ対策!『クーラーボックスが臭わない袋』は必須アイテム
魚釣りにクーラーボックスは必需品。釣れた魚をクーラーボックスに入れることで、長時間鮮度を保ち味も落ちないので釣りに行く際の必須のアイテムですよね。しかしながら、長時間魚を入れていると、臭いが付着し釣行後には毎回洗わないといけないところが難儀ですよね。そんな釣り人の悩みを解決する画期的なアイテムです。
【ご使用方法】
- お手持ちのクーラーボックスの内側に袋をセット
- セットした袋の中に魚を入れる
- 袋の口元を数回折りたたむ
- クーラーボックスを閉める
解説はコチラ
美味しい魚を食べるためには、じっくり選ぶべし!!
魚を美味しく持ち帰るためには、タックル以上に重要なアイテムであるクーラーボックス。大小さまざま、機能も盛りだくさんなので、貴方の釣りのスタイルや予算に合った最適なモデルが必ず見つかるはずです!
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