プロの道具を拝見! 1度使うと手放せない「超便利・簡単装着スナップ」やライン別アジングタックルセット例を解説! DAIWA渡邉長士さんの場合



プロフェッショナルアングラー、つまり釣りを専業とするエキスパートは、現場でどのような道具を使っているのか? 今回は、DAIWA(ダイワ)のライトゲームフィールドテスターとして活躍する渡邉長士さんの、アジング用タックルを中心にチェックしてみましょう!

ライトゲームを中心にマルチに活躍中!

【Profile】

渡邉長士(わたなべ・たけし)

DAIWAのソルトウォーターショア部門のフィールドテスター。千葉県・房総半島がホームフィールド。アジングだけでなく、ライトゲーム全般をマルチにこなす。最近は、サーフでの大型アジ狙いでも話題となっている。

エステルライン用とPEライン用の2タックルを、実釣では準備!

今回の実釣(『ルアーマガジンソルトDX vol.1』掲載記事用の取材時)で渡邉さんがメインで使用したタックルは2タックルでした。その使い分けは、使用するラインを軸に組み立てを考えると言います。

渡邉「メインのタックルは、エステルラインの1.25lbを巻いた64L-Sです。これは、近距離用として使用するタックルで、もう1本はPEラインを巻いたA65L-Sでこれは今回サブとして、遠投して沖を狙う場合や深場を探る際に使用するつもりでセットしています」

使用タックル例1:エステルライン仕様(近距離用)

低伸度かつ高感度、比重は1.38とPEラインよりも重く水馴染みが良いエステルラインを使用。ロングキャストの必要がない、期距離攻略時にメインで使用。
  • ロッド:月下美人 MX アジング64L-S(DAIWA)
  • リール:イグジスト2000S-P(DAIWA)
  • ライン:月下美人 タイプE 白1.25lb(DAIWA)
  • リーダー:月下美人 フロロリーダー3lb(DAIWA)

――2本のタックルで、使用するラインを変えている理由は?

渡邉「出すラインの量が多くなると伸びの少ないPEの方が有利なので、遠投用にはPEを使用します。近距離で軽量ジグヘッドを扱う場合は、PEよいも比重の重いエステルラインの方が圧倒的に有利。僕はだいたいこの基準でラインとタックルをセットしていますね」

使用タックル例2:PEライン仕様(遠距離・深場用)

遠投&深場攻略用として、伸びの少ないPEラインをセットしたタックル。
  • ロッド:月下美人 AIR AGS A65L-S
  • リール:ルビアス エアリティFC LT2000S-P
  • ライン:UVF月下美人 デュラセンサー+Si2 0.1号
  • リーダー:月下美人 フロロリーダー3lb

――ちなみに、実釣取材時、最後に釣れたアジは、遠距離用のタックルを使用していました。

渡邉「スロープ絡みでちょっと遠投が必要な場所だったので、エステルを巻いた64L-SからA65L-Sに持ち替えました。ジグヘッドもやや重めの1.5gを使用して狙ったのがうまくハマってキャッチできました」

実釣当日は暴風の悪条件だったにも関わらず、基本となるスタイルを崩さずに、きっちりと釣果を出した渡邉さん。それは、使用するタックルを、攻略するポイントに応じて持ち替え、効率の良く展開したからとも言えます。

遠距離・深場攻略用のタックルを使用しキャッチした1尾。リグは「アジングビーム バチコンカスタム3in+アジングジグヘッドTG 1.5g #8」のジグヘッドリグを使用。


ジグヘッド&スナップ、小物選びも釣果に直結!

小物と言っても、ジグヘッドはアジングに置いては欠かせないものですし、ジグヘッドのウエイト選択1つで、釣果が大きく変わってくる部分でもあります。その、超重要なジグヘッドの重さ&フックサイズ選択について、渡邉さんの考えを聞いてみました。

重さとフックサイズ、2つの要素を選択する必要があるジグヘッド

渡邉さんがメインで使用する月下美人 アジングジグヘッドTG。フックはオープンゲイプと呼ばれる、針先がやや開き気味の形状が特徴です。

――ジグヘッドに関しては、重さとフックサイズという2つの要素を選択する必要があります。渡邉さんは、どのような基準で選択しているのでしょうか?

渡邉「まずジグヘッドのウエイトですが、今回の実釣のように風が強い場合は、通常よりも1〜2サイズ重いジグヘッドを使用することになりますが、風が強くなければ、例えば基本アクションとなる「シェイクリフト&フォール」のような使い方なら、アジングビーム2inに1gのアジングジグヘッドTGを組み合わせます。これが基準になることが多いですね」

――他のアクションの場合にには、選択するウエイトも変わってきますか?

渡邉「ダート系のキビキビしたアクション、これはアジが小魚を捕食しているような状況で使用しますが、この場合は1.5g前後の少し重めのものを選択し、クイックな動きを出しやすくします。その動きとは対極となる、浮遊感を出したいような場合は0.5〜0.75gの軽めのものを選択することが多いですね」

――では、フックサイズに関してはどうでしょうか?

渡邉「フックサイズを選ぶ場合、使用するワームのサイズに準じて選択する場合と、あとはアジの活性や食いに応じて調整する場合があります。アジングジグヘッドTGだと、アジングワームで標準的なサイズとなる2inかそれ以下のサイズのワームであれば#12、バチコンカスタムの2.2inは#10、3inになると#8にセットすることが多いですね。飽くまでも目安ですが」

月下美人 アジングジグヘッドTG(DAIWA)。上のフックサイズが#10で下のフックサイズが#12。フックの存在感や軸の太さが異なることがわかります。

――フックサイズでアジの食いも変わってきますか?

渡邉「ん〜、食いにも影響すると思います。フックが小さければやはり、フック自体の存在感が抑えられて違和感なくバイトしてきやすいと感じます。ただ、アジのサイズが大きいと#12だとやや不安なこともあるんで、その場合は#10を選択しますね。フックを大きくするメリットは、強度が上がることと、あとはフッキング率も上がる傾向にあります。やはり、吸い込んだ後に吐き出すような場合も、フックサイズが小さいとどこにもかからずに出てきてしまう可能性が高くなるんですが、フックサイズが大きいと口のどこかに引っかかってくれる率がアップしますし、バレにくいという特性もあると思います」

一度使うと手放せなくなる「超効率・簡単装着」スナップ

ジグヘッドの交換を頻繁にするアジングにおいて、渡邉さんが重宝するアイテムがこのスナップ。月下美人ナインスナップという名称です。形状がかなり独特で、これまでのスナップの概念に当てはまらないユニークな特徴を持っています。

月下美人 ナインスナップ(写真上が細軸のF、下が太軸のT)いずれもDAIWA。

装着は、スナップの先端部分をラインアイに通して軽く引っ張るだけでOK。外す際は、逆に通すだけと、ほぼワンアクションで脱着が可能なのです。また、従来のスナップと大きく異るのが、スナップ側のラインアイの向きです。装着するジグヘッドのラインアイと同じ方向の縦アイとなり、ジグヘッドやワームが持つ本来のポテンシャルを引き出しやすくなっています。細軸と太軸、2タイプから選択できます。

ナインスナップ装着例。

渡邉さんのアジングは、取材やバトル企画などで、常に確実に結果を出すための、超実戦的なスタイルです。そんなエキスパートが信頼して使用する道具を紹介してきました。みなさんの釣りにも、取り入れられる要素があったのではないでしょうか? 是非、参考にしてみてくださいね!

『ルアーマガジン・ソルト』2023年5月号 発売情報

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  • 発売日:2023年3月21日
  • 定価:1,500円(税込)