ソフトルアー(ワーム)の種類と選び方



ルアーにはABS樹脂などのハードプラスチック素材を採用した「プラグ」や「ハードルアー」と呼ばれるものに対して、グミキャンディやコンニャクのようにやわらかいソフトプラスチック素材を採用した「ワーム」や「ソフトルアー」と呼ばれるものもあります。今回は、このやわらかいタイプのルアーを説明します。

ワームの選び方

ワームの選び方は主に3つ、目的の釣りに使うベイト(エサ)の形状を模しているかどうかという視点がまずひとつ。ワームは「美味しそう」、または「攻撃行動」を煽る操作をすることが前提で、必ずしもエサの形状そのままである必要はありませんが、エサそのものに近いほうが操作する方はイメージがしやすくなります。

2つめはワームの色。これも目的の釣りに使うベイトの色を模しているかどうかがまずポイントになりますが、同様に魚の攻撃行動を誘発しやすい色であることが求められます。色については魚の色覚にもよりますが、あえて目立つ色を選択したり、天候や水の色によって発見しやすい色を選択する必要があります。

3つめは形質。ワームをセッティングするリグのアクションに合致する形状であること、そのリグに適した柔らかさをもっていること、または素材による浮力が適合すること、となります。

総合すると、答えは1つではないということになります。ルアーは攻撃行動を誘発することを最前提とすれば、必ずしもエサそのままである必要はなく、どうやって釣ってやろうかと考えることにこそ面白さがあるのだといえます。



ワームの種類

素材自体は硬くてもリールを巻いて泳がせたりアングラー自身がアクションを付けたりすることで小魚のような存在感を演出するプラグに対して、ワームは本物の小魚やミミズのようにやわらかいことこあり、アクションを付ければより活き活きとした生命感を演出することができるのに加え、水中で放っておくだけでも水流でユラユラと動いてアピールすることもできます。この「やわらかい」という特徴を最大限に利用するためにワームにはさまざまな形が存在しますが、ここでは代表的な形をいくつか紹介しましょう。

ストレートワーム

その名の通り棒のようにまっすぐなワームで、一般的にはミミズの姿を模しているものが多いです。アクションを付ければウネウネと動くその姿は、魚はもちろん人間でも騙されてしまいそうな生命感あふれる動きを演出できます。また、あらゆるリグ(ルアーフィッシングでの「仕掛け」の総称)に対応しやすいこともあり、もっとも多用されているワームのひとつでもあります。

グラブ

カブトムシの幼虫のような、ずんぐりむっくりとした形が特徴で、ボディ自体はストレートのようにウネウネと変形することは少ないですが、個体としての存在感が大きいので底に置いておくだけでも魚が「拾い食い」してくれるほどのアピール力があります。「カーリーテール」や「ピンテール」といった、いわゆる尻尾が付いたものもあり、それらが水流でなまめかしい動きを出すことで、さらにアピール力を強めているモデルもあります。

シュリンプ

エビの姿を模したワームのことですが、海の釣りではエビエサを使うことが多いので、その代用品として「シュリンプ」と呼ばれることが多いです(テンヤ釣りなどに使用)。一方、バスフィッシングではザリガニを模した「クローワーム」と呼ばれるジャンルがありますが、アングラーによってはエビ=ザリガニとも考え、ひと括りに「クロー系」と呼んでしまうこともあるようです。中層で漂わせたり跳ねるようなアクションを付ければエビを、底でズルズル引きずったり揺すってハサミ部分を動かせばザリガニを、それぞれ演出することができます。

シャッド

真上から見ると「T字型」をしたシャッドテールと呼ばれる尻尾が付いたワームのことで、泳がせれば尻尾をブルブルと激しく動かして小魚が逃げる姿を演出することができます。尻尾を動かすことであたかも水生生物が泳ぐ際に出すような、なまめかしい波動を発生してターゲットの捕食欲を煽りたてます。

ホッグ

前述のクローワームにも似ている部分はあるのですが、より複雑な形をした「得体の知れない生物」を模しているワームです。突起物が多いぶん水を押してかくはんさせる力も強く、ボリュームのある姿による存在感も含めて、アピールを強く出したいときに出番が多いです。バスフィッシングや海の根魚釣りに多用されます。

アジング

アジをルアーで釣る「アジング」専用に設計されたワームで、アジの主食であるシラス大の小魚やプランクトンを模しているので、小さなものでは1in未満(約2.5cm未満)というマイクロサイズです。形状はさまざまですがアジの口に簡単に吸い込まれるようにボディ素材が超ソフトなものが多く、そのせいもあってわずかな水流でもなまめかしく動いてアジの捕食欲に火を付けます。

https://plus.luremaga.jp/2022/05/24/155521/